肩こりや精神的な緊張を常に感じている場合、多くは「肩をすくめている状態」になっている

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皆さんは、「気が付くと肩をすくめている」ということはないでしょうか?

また、周りから、「いつも片方の肩が挙がっているね」なんてことも言われないでしょうか?

 

肩こりや精神的な緊張を常に感じている場合、多くは「肩をすくめている状態」になっています。

ふとした時に、肩に力が入っていることを感じてスッと力が抜けるといった感じで「無意識的」に力が入りやすいのが「肩」になります。

 

●肩で呼吸をする

●肩の荷が下りた

●肩に力が入っている

 

このように、昔から「肩」に関連する表現は多く、ほとんどが「身体機能的にはあまりよくない状態」を示しています。

 

こんな時は、肩だけでなく、肋骨も挙上しているのをご存じでしょうか?

肩をすくめることが原因で、肋骨を含む胸郭に対しても影響を及ぼすということになります。

 

胸郭に影響が生じるということは、「呼吸」にも当然影響してくるということになり、短絡的な問題ではなく、肩をすくめているだけのはずが、身体全体の問題として影響してくることが予想されるわけです。

 

今回はこのように、肩をすくめる動作がどのように身体に影響してくるかについて考えていきましょう。

 

 

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1.肩をすくめる=呼吸が浅くなっている=精神的ストレス↑↑となる

まずはここを理解していきます。

肩をすくめているということは、肩で呼吸をしているわけです。

 

つまり、腹式呼吸ではなく胸式呼吸になっているということです。

胸式呼吸が優位になるとどういうことが生じるのでしょうか?

それは、”ストレスを感じやすくなる”んです。

 

肩をすくめる場合、呼吸が浅くなる

本来、胸式呼吸であろうが腹式呼吸であろうが、呼吸により肋骨ないし腹部が動きます。

 

全力疾走した場合をイメージしてもらうと分かると思いますが、

呼吸に伴って肩は上下します。お腹も呼吸により動きます。

 

このように、呼吸に伴って動くべきところが動かなければ、呼吸は成り立たないわけですね。

 

つまり、今回のように肩をすくめている状態というのは、呼吸運動も阻害するということになります。

 

 

肩をすくめている人はストレスを感じやすくなっている!?

肩をすくめている状態が当たり前になった場合、呼吸は浅くなり、それに伴い肋骨は引きあがり、広がりが制限されます。

 

呼吸が浅くなると自律神経系に異常をきたします。

呼吸に伴って自律神経の交感神経・副交感神経の切り替えが起こっていますが、呼吸が浅くなることでこの切り替えが上手く起こらなくなります。

 

そして、呼吸が浅くなる際の原因の多くは「息を吐けていない」ことが挙げられます。

自律神経との連動を考える上では、以下のようになります。

息を吐く=副交感神経を高める

息を吸う=交感神経を高める

 

つまり、「息を吐けていない」ということは「交感神経を高めている」ということになり、リラックスするための副交感神経の働きは低下するということになります。

 

話を要約すると、

肩をすくめている状態は、浅い呼吸を誘発し、結果的に交感神経系の過活動を促進してしまいリラックスしにくい状態に陥り、ストレスに対し耐性が低下してしまう。

 

このようになります。

 

自律神経についての記事はこちら。

自律神経系の役割とは?自律神経系が整うと本当の意味で健康になる
今回はストレスと関係の深い「自律神経」についてまとめていきたいと思います。痛みなどの不定愁訴は自律神経と深い関係を持ちますので身体をチェックする際には1つの要素として評価するようにしています。このように、自律神経はリハビリ分野、特にペインリハで重要な存在になると思われます。
自律神経系の異常に対するリハビリとその特徴
前回の記事を読んでもらうと分かると思いますが、 自律神経のバランスが非常に大事になってきます。 ここではこの自律神経のバランスから逸脱した状態はどういったものか挙げていきます。

 

 

 

肩をすくめる動作⇒⇒斜角筋症候群などの胸郭出口症候群に繋がる可能性あり

肩が上がっているということは、頸部~胸部前面のスペースが狭くなることになります。

つまり、腕神経叢が走行するスペースを狭めるということになるわけですね。

 

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 より一部改変し引用

 

このことから、常に肩をすくめて生活している人は腕のシビレやだるさが出現する可能性があるということになります。

結果的に胸郭出口症候群と診断されることもあるため、自身で定期的に姿勢のチェックは必要になりますね。

 

胸郭出口症候群について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

【病態や理学療法について】

胸郭出口症候群に対する理学療法について~絞扼部位や姿勢との関係性~
今回は、前回の「胸郭出口症候群によって左手が動かなくなった症例」の続きで、胸郭出口症候群についてまとめていきます。胸郭出口症候群について・胸郭出口症候群の症状とは?・胸郭出口症候群と姿勢の関係性・胸郭出口症候群に対する理学療法などをまとめていきたいと思います。

【胸郭出口症候群に対する評価一覧】

胸郭出口症候群に対する整形外科的テストの一覧と評価の方法
今回は、胸郭出口症候群の整形外科的テストについてまとめています。整形外科的テストは、原因の特定をするために重要な評価の一つになります。そんな胸郭出口症候群に対する整形外科的テストの一覧とその評価方法をまとめていきます。

 

 

2.まとめ

今回は、肩をすくめていることによる弊害について考えていきました。

ただ単に、肩をすくめているだけでも、長い経過になると身体機能や精神機能に影響を及ぼします。

 

●肩をすくめることで呼吸が浅くなる

●呼吸が浅くなることで交感神経優位となり、ストレスを感じやすくなる

●交感神経優位になることで、ストレス耐性が低下しストレスを許容できる器が狭くなる

●肩をすくめることで鎖骨のアライメントも偏位し頸部~胸部間のスペースが狭くなり腕神経叢の走行できるスペースも狭めてしまう

●結果的に上肢のシビレや脱力などの症状が出現し、胸郭出口症候群に進行してしまう可能性がある

 

 

以上のような、弊害が生じる可能性があります。

ただ単に肩をすくめているだけでも身体に大きな影響を及ぼすこともあります。

 

ストレスが溜まっているな・・・とかイライラしているな・・・とか余裕がないな・・・とか感じた場合は、肩に力が入っていないかセルフチェックをしていくことをお勧めします。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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