足関節の背屈を改善させるには腓骨の動きは重要。具体的な4つの方法を紹介します。

どうも。

kabosuです。

今回は

理学療法について(治療編)

です。

前回の記事で、

「立ち上がる際には足関節の背屈可動域が必要である」

と述べました。

今回はその足関節足首を柔らかくする具体的な方法を書いていきます。

前回の記事です。よかったらご参照ください。

椅子から楽に立つために必要な”4つの意識”と”4つのテクニック”

実際に背屈改善のために私自身が取り組んでいる方法をご紹介します。

あくまで私自身が取り組んでいる方法です。

参考程度にご参照した頂ければと思います。

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1.背屈のメカニズム

足関節は、「距骨」と「下腿」により形成されており、

正式には距腿関節(距骨と下腿の関節)と呼ばれます。

この距腿関節がスムーズに動くことで足首の可動性が維持されます。

で、この距腿関節の動きで一番のポイントと言えるのが、

「距骨のはまり込み」

です。

脛骨と腓骨で形成された脛腓関節のスペースに距骨がはまり込んでいくことで背屈運動が起こります。

「3D解剖学」より引用

この距腿関節ですが、

よく「大工が使用するほぞ継ぎと類似した関節」と表現されますね。

凹が下腿

凸が距骨

に似ていて、ほぞ穴に似ています。

この凹凸があることで関節として安定します。

また、距骨自体は

前方の横径が広く、後方の横径が狭くなっています。

この構造により、底屈位や中間位では関節は比較的フリーに動き、背屈位で関節の動きは安定(ロック)します。

背屈に伴って距骨がはまり込んでいくため、横径の広い前方部分が下腿にはまっていくということですね。

だからハイヒールを履いている女性は、よく足を挫くんですね。

※ハイヒールを履くことで足関節は底屈位になり、足首そのものはルーズ(不安定)になります。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

この、「はまり込み」が上手くいかないとき、背屈制限が生じます。

この背屈制限は、

後方組織の問題や下腿や足部の問題など様々考えられます。

2.背屈制限のためのアプローチ方法

実際のアプローチ方法を挙げていきます。

①下腿三頭筋のストレッチ

①腓腹筋

②ヒラメ筋

3D解剖学より引用

腓腹筋とヒラメ筋を合わせて「下腿三頭筋」と呼びます。

この両筋は「足関節の底屈運動」に作用します。

そのため、その両筋が固くなると背屈制限をきたします。

下腿三頭筋のストレッチは以下のように行うのが一般的です。

セルフで行う場合は、

足を前後に開いてアキレス腱伸ばしを行う要領で実施すると下腿三頭筋がストレッチされます。この場合、主に腓腹筋が伸ばされます。

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ちなみに、

膝を伸ばした状態でストレッチを行うと、

腓腹筋が主にストレッチされます。

そして、

膝を屈曲した状態でストレッチを行うと、

ヒラメ筋が主にストレッチされます。

このように膝の曲げ伸ばしで伸びる筋肉が変わります。

ストレッチの際は、

●ゆっくり深呼吸しながら、

●反動をつけずに持続的に

伸ばしていくことをお勧めします。

②腓骨の可動性改善

下腿骨は2種類あります。

「脛骨」と「腓骨」です。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

※絵の左側の骨が「腓骨」、右側の骨が「脛骨」です。

それぞれの代表的な機能は、

脛骨は「荷重支持」

腓骨は「安定性(バランサー)」

と言われています。

また、特徴として、

「脛骨に対して腓骨は可動性を有している」

という点が挙げられます。

腓骨は実際に、

挙上や下制、内外旋、内外方への動きの3点がみられます。

【背屈時】

腓骨の挙上・外方移動・内旋

【底屈時】

腓骨の下制・内方移動・外旋

※腓骨の内外旋は色々意見がありますが動きの中では上記の連鎖が見られます。

このように腓骨は複合的に動きます。

この動きを覚えておけば、背屈時の腓骨の評価を簡単に行えるようになります。

なので、

腓骨が問題で背屈制限をきたしている場合、

「腓骨が下がっている状態である」

と言えます。

「変形性膝関節症の方」や「片麻痺で内反尖足傾向にある方」などによくみられる状態ですね。

指標としては、

そもそも立位では、内果(脛骨)と外果(腓骨)の高さが違います。

外果(腓骨)の方がやや下方に位置します。

そして背屈位時に、内果と外果がほぼ平行になります。

そこを評価ポイントにします。

背屈運動をしてもらって、内果と外果が平行に近づいていなければ腓骨の可動性が低下していると判断します。

その際の方法として、

「腓骨を引き上げる運動」を行っていきます。

①腓骨筋群の個別収縮を促す

②腓骨そのものを引き上げる運動

を行っていきます。

※②に関しては、座った状態で対象者の腓骨頭に掌でコンタクトし、その位置をずらさないようにして開排運動を行ってもらいます。この抵抗運動により腓骨が上方に押し上げられます。

以上のような方法でアプローチしていきます。

③下腿骨間膜のリリース

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

腓骨の項目と被りますが、

腓骨の動きを制限する一つの因子として、下腿骨間膜も挙げられます。

なぜなら、「脛骨と腓骨の間を繋ぐ膜」だからです。

なので、

腓骨の可動性が低下している=下腿間の動きそのものも低下している

と判断されます。

そうなると下腿骨間膜の可動性も低下していると考えられます。

下腿骨間膜の間を血管も通っているため、

下腿骨間膜の可動性低下はむくみや冷えの原因にもなり得ます。

※下腿骨間膜の間は「前脛骨動脈」が通っています。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

では、実際に骨間膜をどうやってゆるめていくかですが、かなり深層にありますので直接触れるのは困難です。

なので、

①腓骨の動きを出して間接的に骨間膜を動かしてゆるめていく

②脛骨と前脛骨筋の間からコンタクトしていき、そのままホールドし緩むのを待つor足関節の底背屈を促し筋収縮と弛緩によるリリースを狙う

なんて方法があります。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

※絵の黄色で囲った部分からコンタクトしていきます。

※②の脛骨と前脛骨筋の間からコンタクトしていく場合に関しては、「表層にある筋を介して」という意識でコンタクトしていきます。

上手くいけば効果のある方法ですが、痛みと伴うこともありますのでまずは腓骨の動きを出してみることをお勧めします。

④バックラインの硬さ改善

バックラインとは、アナトミートレインの浅後線(スーパーフェイシャルバックライン)という筋膜の繋がりのことです。

バックラインは、

足底腱膜・短趾屈筋-腓腹筋(アキレス腱)⇒

ハムストリングス⇒

仙結節靱帯⇒

脊柱起立筋⇒

帽状腱膜(頭皮の筋膜)

という筋膜の連結のことを言います。

このバックラインの

足底腱膜と腓腹筋(アキレス腱)間の連結上で問題(柔軟性の低下)が起こると、

間にある「踵骨」が前方に押し出され、距骨を圧迫します。

結果的に距骨のアライメント異常を起こし、距骨のはまり込みが上手くいかなくなり背屈制限をきたします。

※この場合、「足部前面のつまり感」を訴えることが多いです。

このような場合は、

踵骨周囲の組織をリリースしていく必要があります。

アナトミートレインでは、

①足底腱膜を踵骨に向かってほぐしていく

②下腿三頭筋を踵骨に向かってほぐしていく

③足部を固定し、踵骨を内反・外反方向に動かし踵骨そのものを緩めていく

この3点を実施することを勧めています。

他にもラセン線や外側線も腓骨と関連して背屈制限に関与しそうです。

長くなるので今回は割愛します。



3.まとめ

今回は、前回の「立ち上がり動作を楽にする方法」の続きで、背屈制限に対する介入方法を書いていきました。

立ち上がりに限らず、足関節の背屈可動域は重要な動きになるため、改善方法はある程度知識として理解しておいた方がいいと思います。

今回紹介した方法以外にも何かいいアプローチ方法があれば随時更新していきます。

それでは本日はこの辺で。

ありがとうございました!!