【復習】捻挫の病態や足部の機能解剖について

どうも。

kabosuです。

今回は

復習を行っていきます。

前々回の記事で書いた

捻挫について復習していきたいと思います。

捻挫についての記事はこちら。

足関節の背屈制限のアプローチ方法~捻挫後の背屈制限に対して~

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1.捻挫とは?

捻挫とは、靱帯を過伸長することによる損傷のことである。

靱帯は、コラーゲンを主成分とした、強靭かつ柔軟な線維束である。その働きは、関節を安定させ、過剰な動きを抑制し、損傷を来すような方向へ関節が動くのを妨げることである。

靱帯そのものは、ゆっくり伸長し、負荷が靱帯の能力を超えなければ、靱帯は不可に適応できるが、早くて強い衝撃や、持続性または反復性の張力に対しては、靱帯はその負荷に適応できなくなる。そして、張力が靱帯の許容範囲を超えると、靱帯が伸びきって損傷してしまう。

その状態を捻挫という。

多くの場合、靱帯が重度の、または何度も、捻挫を起こすと、構造的または機能的な強度は完全に回復できなくなる。

しかし、その靱帯がまたいでいる関節においてその他の組織が正常ならば、関節自体の機能は完全に回復する。

持続性あるいは反復性に靱帯を伸長させると、靱帯は変形し、動きが弱くなって傷害を引き起こしてしまう。同じように身体が上手く反応できずに関節の位置が繰り返しずれたり、筋の柔軟性が無くなって関節をあるべき位置に維持できないために関節の位置が常にずれたりするような場合、そのずれた姿勢に適応するために靱帯が変形してしまう。

膠原繊維は再生するので、十分な時間さえあれば靱帯の張力は修復される。

変形が重度であればあるほど、修復に時間がかかる。持続的または反復的なずれは、靱帯を弛緩させてしまい、捻挫のリスクを高め、同じ関節内の他の組織を損傷させるリスクも高めてしまう。

多くの場合、靱帯損傷は炎症反応を引き起こす。急性炎症の治癒過程では、安静にすれば強度と正常な機能の回復は促進される。

安静と治癒が十分でなければ、炎症は慢性化してしまう。

慢性炎症はいずれ委縮を起こし、靱帯を永久に脆弱化するかもしれない。

靱帯損傷の治癒過程において瘢痕組織も形成されるが、正常な靱帯に比べ、瘢痕組織は生体力学的機能や安定性に劣る。

瘢痕組織は張力が加わると容易に変形し、その耐えうる荷重は、健常な靱帯組織が耐えうる荷重のごく一部となる。

靱帯が損傷を受けると、神経シグナルが反射的に筋の活動を活性化し、関節を安定させようとする。

この反射性の筋収縮は、損傷した靱帯によって損なわれた関節の安定性を保とうとして、関節の片側だけに起こることがある。

一方で、反対側の筋には、反射性の収縮抑制がかかり、関節の位置がズレてさらに損傷がひどくなることを防いでいる。

さらに間接的に関節の安定性を確保しようとして、損傷した関節に直接接していない筋にも筋収縮の活性化や抑制が起こることがある。

靱帯の損傷は、固有感覚に関わる機械的受容器や神経終末にも影響を及ぼし、患者のもつ、関節の正常な位置と機能の感覚を変化させる。

治癒過程において、この代償性機能は、再損傷の危険性を最小限にするために不可欠である。

いったん瘢痕組織が形成され、膠原繊維が再生し、その靱帯の相対的強度が回復すれば、損傷した関節をまたぐ筋を安静時の正常な緊張度に戻していくことや、固有感覚を正常化させるメニューを、リハビリテーションに取り入れていく。

エビデンスに基づく疾患別クリニカルマッサージ 評価と治療より一部抜粋

捻挫とは、簡単に言うと

「関節をくじくこと」

です。

関節をくじけばどの関節でも捻挫といえます。

足首、膝、手根、指に起こりやすいとされています。

その中でも、皆さんが”捻挫”と聞くとイメージするところは、

大体”足首”ではないでしょうか?

足首の捻挫は、

主に「内反捻挫」と「外反捻挫」、「脛腓靭帯損傷」のの3 種類に大別できます。

足首の捻挫におけるこれら 3 種類の発生頻度は、

「内反捻挫」が 77~79%

「外反捻挫」が 4~14%

「脛腓靭帯損傷」が 3~15%

と足首の捻挫の中で「内反捻挫」の発生頻度は他の2つの外傷に比べて高いことが分かります。

内反捻挫とは?

「内反捻挫」は足首が外側に倒れるタイプの捻挫です。

外側に倒れる=土踏まずが浮き上がる(母指側が浮き上がる)

といった感じです。

スポーツ場面などでよく見る捻挫はこの「内反捻挫」が多いです。

先程も述べましたが、内反捻挫は、足関節の障害の内、約80%を占めるといわれています。

内反捻挫の発生が多い理由は、

①解剖学的に”内反可動域が大きい”こと

②足部外側靱帯が内側の靱帯に比べ、細く脆弱であること

などが挙げられます。

外反捻挫とは?

「外反捻挫」は足首が内側に倒れるタイプの捻挫です。

内側に倒れる=土踏まずが地面にぶつかる(小指側が浮き上がる)

といった感じになります。

外反捻挫は、内反捻挫に比べて発生頻度は低いものの、骨折や靭帯断裂を伴うケースが多く、重症化するケースがあります。

脛腓靭帯損傷とは?

脛腓靱帯は、脛の骨と外くるぶしの間を補強している靭帯です。

脛腓靭帯は、内返しの捻挫、前距腓靭帯損傷時に附随して痛める場合がほとんどです。

捻挫の発生頻度はかなり低く、単独での損傷はあまりないとのことです。

足関節捻挫の主な発生例

□着地の際、他の選手の足に乗った時

□着地の際、つま先を伸ばした形に強制された時

□靴の先端が床にひっかかったり、床で滑ったりした時

□しばらくしてこなかった動作を何の予備運動もせずに急に始めるとき

などが挙げられます。

捻挫の合併症

捻挫を生じた際に合わせて生じる可能性のある合併症です。

※ATF(Anterior talofibular ligament):前距腓靭帯⇒腓骨外果前縁~距骨頚の外側部

※PTF(Posterior talofibular ligament):後距腓靱帯⇒外果前下縁内側~距骨後突起外側結節

※CF(Calcaneofibular ligament):踵腓靱帯⇒腓骨外果前縁・下縁~踵骨外側面

靱帯の損傷程度

靱帯損傷の程度です。

3段階に分かれています。

2.足部の機能解剖

①足部内側部の靱帯(三角靱帯など)

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

②足部外側部の靱帯(前距腓靭帯など)

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

③前方から見た足部

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

④後方から見た足部

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用

3.靱帯組織について・捻挫の治癒過程

靱帯組織の治癒過程

①早期(急性炎症期:0~72h)

②中期(修復及び再生期:3~42day(6週まで))

③後期(再構築及び成熟期:7~52週)

靱帯完全断裂後の関節固定期間

□非荷重関節:約3~4週間

□荷重関節:約6週間

靱帯の修復の4段階

①断裂靱帯に血液の流入

②血餅の完成

③瘢痕組織が次第に強力な組織に成熟

④靱帯中の損傷神経終末の再生

診断と復帰に要する期間

※RICE処置:R(Rest:安静)、I(Icing:冷却)、C(Compression:圧迫)、E(Elevation:挙上)

※足首を捻挫したら、足を高く上げて包帯などで圧迫し、アイシングして安静にすることが勧められる

4.捻挫後の足部の機能評価

姿勢評価

姿勢や歩行を評価し、代償性のアンバランス、あるいはパターンがないかを探ります。

損傷した靱帯が接している関節の動きに不安定なところがないか、あるいは損傷を受けた構造をかばうために起こっている代償パターンなどを見つけます。

関節可動域評価

基本的に、”自動運動”と”他動運動”にて可動域を評価します。

Ⅰ度の捻挫では急性期にわずかに可動域制限がみられることがあり、同時に損傷した靱帯を伸ばすときに痛みを伴う場合があります。

※ステージⅡ度やⅢ度の捻挫の急性期・亜急性期の初期段階では、靱帯の負荷を抑えるため自動運動検査のみ行う。慢性期の場合、代償パターンが形成され、他の関節に痛みが出ていることもあるためその関節も検査する。

靱帯のストレス・テスト

ストレス・テストの方法は、

単純に「靱帯を伸ばす方向に他動的に関節を動かすこと」で評価できます。

要するに

「捻挫したときのように徒手的に動かして靱帯にストレスをかけていく」

ということです。

内反捻挫であれば、足首を内反方向に徒手的に動かし、前距腓靭帯などの伸長を行い、痛みやエンドフィールを伺います。

※どの靱帯が捻挫したかを調べるためには、各靱帯が伸びる方向に正確に関節を動かす必要があるため、関節をまたぐ各靱帯の付着部位を知っておく必要がある。

捻挫の亜急性期後期や慢性期では、損傷や不必要な痛みを起こさないように、靱帯に対して最小限のストレスになるように関節可動域の終わりにごく軽めの圧を注意深くかけるようにします。

Ⅰ度の捻挫では、損傷を受けた靱帯に圧をかけると局所痛が認められます。

関節の弛緩は見られず、柔らかい関節包性のエンドフィールが感じられます。

Ⅱ度の捻挫では、損傷した靱帯に圧をかけていくと強い局所痛が認められます。

この場合、緩い靱帯性のエンドフィールがあり、関節が弛緩している可能性があります。

Ⅲ度の捻挫では、靱帯が完全に断裂しているので、関節可動域検査で損傷した靱帯をストレッチしません。

圧を掛けた時にみられるどのような痛みも、傷害を受けた靱帯に特有のものではありません。

※Ⅲ度の捻挫の関節可動域測定でよく知られている痛みから、その捻挫部位に他の靱帯よりも低グレードの損傷、筋挫傷、腱損傷があることがわかる。また患者はその痛みによって反対側の筋を収縮し、さらに関節を可動しないようにしようとする。関節の弛緩に伴って、エンドフィールは認められなくなる。

5.捻挫後の足部のリハビリ

一般的には、

Ⅰ度またはⅡ度の捻挫では、受傷後に自然治癒過程が開始する24~48時間後までは待つことが望ましいです。

これ以降は、捻挫の重症度に応じて治療を決めることになります。

Ⅰ度の捻挫では、先の待機期間後すぐに徒手療法を開始することが可能です。

Ⅱ度の捻挫では、初期治療は丁寧なモビライゼーションに集中して短時間のみ行い、とくに浮腫が続き触ると痛みがある場合にはなおさら注意して行います。

Ⅲ度の捻挫に対するマッサージは、医療機関の指導の下で亜急性期に行うか、関節が安定化していれば慢性期に行うのが最良であり、長期間にわたって行うことも可能です。

以下に詳細をまとめます。

□治療する部位に応じて患者を適切な姿勢にし、補助のクッションなどを用いて支えます。

損傷した靱帯が過伸長しないように、関節は楽な状態にします。

□局所の炎症をみつけた場合は、可能ならばその部位を補助クッションなどで持ち上げ、リンパ液が近くのリンパ節に流れやすくし、さらに廃液を促すように表層を軽擦します。

□局所の炎症が軽度であるかまたはみられず、皮下出血が十分に消えたら、瘢痕組織と癒着を軟らかくし、同時に温熱療法などで、血液循環を増加させます。

再傷害を防ぐための防御的筋スパズムが有効に機能していなければ、過緊張状態の代償性の筋にも温熱療法を試みます。

□まず初めにウォーミングアップ・ストロークを行い、表層の血液循環を増加させ、組織を軟らかくさせた後、損傷部位の周囲及び損傷した関節を代償している組織を評価します。

まず、癒着・筋緊張・防御性筋スパズム・伸長ストレスなどがないかを評価します。

□これらの所見を基に、損傷部位よりも近位の代償を行っている筋に見られる筋膜の制限・癒着・短縮・筋緊張を施術します

□治癒過程の防御期に起きた代償性の筋中に発生し、傷害部位全体に痛みを起こしているトリガーポイントの有無を評価し施術します。

□傷害を受けた靱帯の周囲にある筋膜の制限部位を評価し治療します。

□触診を集中的に行い、捻挫の正確な位置を特定し、可能であれば断裂の方向も調べます。

患者の痛みの許容範囲内で、短くゆっくりとした動作で、傷害部位の癒着と瘢痕組織を軽減するために、クロスファイバー・フリクションを行います。

次に、形成されつつある瘢痕組織を再編成するために、線維方向に沿ってマッサージする。質感の変化を感じるまで、筋線維に直角方向および線維方向のマッサージを交互に行います。

□痛みが伴わないように関節可動域運動を行います。

これは筋線維の再配列を促すために、靱帯を優しくストレッチすることです。

靱帯に優しくストレスをかけることは重要ではありますが、再損傷を避けるためにも過剰に伸ばさないように注意します。

□傷害部位より遠位の組織に見られる代償性パターンを治療し、必要ならば血液循環を増加させるための処置も行います。

□必要に応じて患者の痛みの許容範囲内で、局所の代償性の筋に、他動的ストレッチまたはポスト・アイソメトリック・リラクゼーションを行います。

6.まとめ

今回は、捻挫についての復習ということでまとめていきました。

教科書から引用した部分などあるので用語がわかりにくい部分もあるかと思いますがご了承ください、、、

捻挫にもいくつかの種類があったり、グレードやステージがあることなどまとめていく中で為になることがたくさんありました。

また今後も疾患の復習や用語の復習などを書いていきたいと思います。

それでは今回はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました!!