臨床でのアナトミートレインの使い方がよくわからない場合に参考にしてほしい記事

こんばんは。

kabosuです。

今回は

「アナトミートレイン」

についてです。

みなさんは、身体の繋がりを勉強するときに何から始めますか?

私はまず「運動連鎖」に興味を持って勉強していました。

そうすることでなんとなく痛みのある部分だけでなく、もっと広く身体を診るように意識できるようになりました。

いまも運動連鎖の考え方は、

”機能不全の方”を評価していくときに考え方の一つとして意識しています。

それとは別に、

”筋や筋膜の繋がり”についても興味を持っていました。

が、筋膜系の勉強会に行っても、

方法論がメインであり

「ここの筋膜はこうやってゆるめる」

といった形で結局のところ”全身の繋がり(関連性)”についてはボヤっとしたままでした。

そこで、出逢ったのが「アナトミートレイン」の理論です。

こちらは先輩から紹介してもらって参考書を購入し、知ることが出来ました。

このアナトミートレインは全身の繋がりを事細かく書いてくれていました。

私にとって「まさにこれだ!」的な、運命の出会い的なものでした。

興味のあるものはすぐに読み進むものですね。

あっという間に読み終わりました。

ただ、ここで難点が、、、

理論はわかったけど、

それぞれのラインの問題は

①どうやって評価して

②どうやってアプローチしたらいいのか?

この2点がまたもやボヤっとしており、モヤモヤした覚えがあります。

このモヤモヤを解決してくれたのが、

「経絡」の理論です。

「アナトミートレイン」と「経絡」は

それぞれの走行が類似しており、関連性があると言われています。

この話は以前も記事にしましたね。

よかったらご覧ください。

「経絡」と「アナトミートレイン」をリンクさせる

経絡治療は、

経絡の流れに沿って指圧や軽擦など刺激を入れていくものです。

(ものすごく簡単に書いているので明確ではありません!)

ただ、上記のように経絡に沿って、軽擦を行っていくことで身体の変化がしっかり出ることを自分自身の身体で体感できたので嘘ではないことは確実です。

このように経絡治療を体感できたことで、

”軽擦など軽い刺激でも変化を出せる”

という概念が私の中に深く刻み込まれました。

このことによって、アナトミートレインの理論を使った治療を上手く使えるようになってきました。

というか、アナトミートレインの理論を「経絡」に落とし込んで治療に繋げたという方が正確な表現ですね。

では、これからはアナトミートレインの概念やどのように治療に繋げるかをまとめていきたいと思います。

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1.アナトミートレインの概念を理解しよう

アナトミートレインは全部で7つのラインに分かれています。

(腕線をわけたら10本のライン)

それぞれのラインについては以下の通りです。

①浅後線(身体の後面を通るライン)

②浅前線(身体の前面を通るライン)

③外側線(身体の外側面を通るライン)

④ラセン線(身体を斜めに横切るライン)

⑤腕線(深前腕線・浅前腕線・深後腕線・浅後腕線)(腕のライン)

⑥機能線(上半身を斜めに横切るライン)

⑦深前線(身体の深層を通るライン)

アナトミートレインの参考書では、これらのラインについて、

それぞれ詳細に書かれています。

また、イラストも豊富であるためイメージはしやすくなります。

アナトミー・トレイン―徒手運動療法のための筋筋膜経線より引用

アナトミートレインの規則

①走行は一定方向

急激な方向転換はなく、一定方向に連鎖が続きます。

②深さの変化もない

急な深さの変化もなく、それぞれの層によってラインが分かれます。

③連鎖の接続は間に骨を挟むこともある

すべてが”筋から筋”ではなく、間に骨を挟むこともある。

例えば、ラセン線の内腹斜筋と大腿筋膜張筋は、寛骨の上前腸骨棘を介して間接的に接続が行われます。

テンセグリティ―構造と人体の関連性について

テンセグリティ―とは、

tension(張力)とintegrity(完全性)の語から造語したものであると言われています。

(デザイナーであるR.Buckminster Fullerや画家のKenneth Snelsonが造った独創的構造から考え出したもの(アナトミートレインより引用))

人体(構造物)は、

主に構造物を通る連続的張力のバランスによって、

構造物の完全性を維持するようにできています。

つまり、張力によって人体は「人体として」成り立っているのであるというわけですね。

以下はテンセグリティ―の詳細です。

テンセグリティ―構造の安定性は、一般に連続的圧縮構造ほど堅固ではなく、むしろ弾力性に富む。テンセグリティ―構造の”一角に”荷重をかけると、構造全体は、それに適合するために少したわむ。

荷重を掛け過ぎると最後は構造物が破壊されるが、必ずしもそれは荷重が加えられた近くとは限らない。

構造物は、張力線を通ってひずみを構造物全体に分散させるので、テンセグリティ―構造はひずみが加えられた領域から少し離れた所にある弱点で”たわむ”。

これは筋膜リリースの勉強会でもよく言われることですね。

「Tシャツのほつれ」なんかでよく説明されていますね。

Tシャツもある部分がほつれたら、それに伴って周囲もほつれた部分に少し引っ張られるようになります。

そのことによってTシャツの他部位に負荷がかかるり突っ張ったようになります。

少し説明がズレていますが、

”問題が起こっている部分から離れた部分に負担(弱点)が起こる”というイメージはアナトミートレインの理論を臨床で使用する際に重要になりますので頭の片隅に置くようにしてください。

ある部位の障害は、他の部位における長期のひずみによって引き起こされる。

損傷は、純粋に、また常に局所のひずみが原因で起こるのではなくて、

元来弱い所にあるいは過去の損傷が原因となって、起こるべき所に起こる。

これらの経路を見つけて、疼痛部位から離れた部位の慢性のひずみを取り除くことが全身の快適さと秩序を回復し、また将来の障害を防ごうとする自然の役割の一部を担うことになる。

結局、「これらの経路を見つけて、疼痛部位から離れた部位の慢性のひずみを取り除くことが全身の快適さと秩序を回復させる」ということが身体を診る際に重要なことではないかと思います。

2.アナトミートレインを治療に活かすいくつかの例

①ライン上にある筋をアプローチし、関連のある(繋がり)筋を間接的に緩めるor鍛える方法

例をいくつか紹介します。

□大腰筋を間接的に緩める

大腰筋は腹部の深層にあり、解剖学上コンタクトが困難な場所にあります。

大腰筋へのアプローチの方法はいくつかありますが、直接触ろうなんて思った際は、

腹部のしっかりとしたイメージが少なからず必要になってきます。

そこで、アナトミートレインのラインを使ってアプローチする方法をお伝えします。

ラインは”深前線(ディープフロントライン)”を使用します。

アナトミー・トレイン―徒手運動療法のための筋筋膜経線より引用

深前線(ディープフロントライン)の連鎖の中で、

内転筋⇒大腰筋⇒横隔膜といった連結があります。

なので、大腰筋を間接的に緩めたいときは”内転筋”へのアプローチを試みます。

大腰筋が上手く聞いていない人は大体、内転筋が固くなっていたり上手く機能していないことが多いです。

【方法】

①内転筋のエクササイズ

しっかり上げ下げを行うと内転筋に効いてきます。

内くるぶしを天井に向かって上げるのがポイントです!

※それがズレると他の筋が優位に働きます。

②内転筋のリリース

方法は単純に内転筋をダイレクトに緩めていきます。

ただ、内転筋」と「内側ハムストリングス」の間の癒着を剥がすイメージでほぐしていくと効果が高くなります。

□腹直筋に正確な収縮を入れる方法

腹直筋のトレーニングは一般的に”上体起こし”で効果が得られます。

この時、頸部への意識をおざなりにしていることがありますが、筋連鎖的にそれはNGです。

疲れてくると、頸部を反るようにして上体を起こすことありませんか?

そうなると、腹直筋に収縮は入っても、生活の中で必要な腹直筋の筋活動は得られておらず、必要のないエクササイズになってしまいます。

この理由としては、アナトミートレインの浅前線(スーパーフェイシャルフロントライン)や深前線(ディープフロントライン)の連鎖で説明できます。

図1.浅前線

図2.前線

アナトミー・トレイン―徒手運動療法のための筋筋膜経線より引用

これら二つのラインを見てわかる通り、筋の連鎖が、頸部-上半身の前面-下肢の前面を通っていると思います。(若干ずれはありますが)

特に浅前線に関しては、浅前線のライン上に”腹直筋”が通っています。

このラインが短縮すると身体全体が機能的に動いていると言えるわけですよね。

そうなると、上体起こしの運動で腹直筋に正確な収縮を入れるためには、

頸部の屈曲が初めに起こる必要があるわけです。

【方法】

筋連鎖を意識する場合、運動の順序として、

頸部の屈曲⇒肩甲骨が浮く⇒上体が起きる

といった流れが理想的です。

これに横隔膜を意識した呼吸法や骨盤の前後傾をフラットに自身で固定してエクササイズを行うことで、浅前線・深前線の両方が活動するようになってきます。

②経絡の理論を導入して考える方法

この内容に関しては、こちらの記事で詳しく書いておりますのでご覧ください。

「経絡」と「アナトミートレイン」をリンクさせる

また、経絡の理論と合わせて治療することで

身体機能のアプローチだけでなく、メンタル面への作用も期待できる可能性が出てきます。

これは、東洋医学の「五情」を利用します。

肝は「怒り」⇒肝(胆)の経絡

心は「喜び」⇒心(小腸)の経絡

脾は「思い悩み」⇒脾(胃)の経絡

肺は「憂・悲しみ」⇒肺(大腸)の経絡

腎は「恐れ・恐怖」⇒腎(膀胱)の経絡

心と身体の関係は深く、感情によるストレスが身体に影響を及ぼしますため、どんな感情があるかを判断します。

例① 人前で話すのが苦手なケース

アナトミートレインの「深前線」と経絡の「腎経」

【治療ポイント】

内転筋・大腰筋・横隔膜など、、、

【得られる効果】

□反れない腰が反れるようになる

□物怖じしなくなる(プレッシャーのかかる場面でも平静を保てるようになる)

※腎の感情は”恐怖・恐れ”であるため、この経絡の流れが改善されれば、必然的に”恐怖・恐れ”の感情が改善されていく可能性があるわけです。

例② いつも落ち着きがない(情緒が安定しない)ケース

アナトミートレインの「後腕線」と経絡の「心経」

【治療ポイント】

上腕三頭筋・僧帽筋など主に胸部背面筋

【得られる効果】

□反り腰の改善

□落ち着いて対応できるようになる

□感情が表に出にくくなる(普段が出やすくなっているため丁度良くなる)

心の感情は”喜”であり、精神を司る役割があるため、この経絡が改善されれば、精神が安定、つまり如緒も安定するわけです。

例③ いつもクヨクヨ悩んでばっかりのケース

アナトミートレインの「浅前線」と経絡の「胃経」

【治療ポイント】

腹直筋・大腿四頭筋・前脛骨筋など

【得られる効果】

□猫背の改善

□身体の伸びが良くなる(伸展型腰痛の改善)

□悩み事が減る

□悩みがあっても解決するように動ける

※胃の感情は”思い悩み”であり、この経絡が改善されれば、”悩みすぎる”ことが改善する可能性があります(悩みが全くなくなるわけではありません)。

※どちらかといえば、”悩みを解決するように動けるようになる”というニュアンスです。



3.まとめ

今回はアナトミートレインについての記事でした。

アナトミートレインの参考書を購入したが、どのようにアナトミートレインを理解してアプローチに展開していけばいいかわからない人のために少しまとめてみました。

アナトミートレイン一つとっても治療での使い方は様々はと思います。

今回は、私がどのように使っているかの例も挙げていきましたが、

あくまで”私が使っている方法”であるため他にもいい方法はあると思いますので一つの参考にと思ってみていただければと思います。

ただ、アナトミートレインを読んで、やっぱりどのように治療に活かしたらいいかわからないという場合は、私の実践している方法も参考にしてみてくださいね。

それでは、本日はこの辺で!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!