どうも。
kabosuです。
今回は
アナトミートレインについて
書いていきます。
今回は、少し深く掘り下げて各ラインの詳細な内容をまとめていきたいと思います。
まず始めに第一弾として、
深前線(ディープフロントライン)
から書いていきたいと思います。
この深前線ですが、
俗に言う”インナーマッスル”と同じような働きをするラインになります。
腰痛や肩こりなどの症状がある方のほとんどはこの深前線のラインが上手く機能していないように思います。
特に現代のような
「ストレスの多い社会」や「偏ったライフスタイル」
をとってしまっている、もしくは取らざるを得ない環境にいる方々は、
深前線の働きを意識してみると腰痛や肩こりの軽減だけでなく、仕事の効率化なんかも図れるかもしれませんよ!
以下の症状がある方は最後まで読んでみることをおススメします。
□腰痛がある
□肩こりがある
□ストレスが溜まりやすい体質だ
□呼吸が浅いと感じる
□姿勢が悪いといわれたことがある(自覚している)
□夕方にかけて疲労がドッと来る
□足がむくむ
□老けて見られる
まずはアナトミートレインの基礎から知りたいと思った方はこちらの記事から読み進めてください。
1.深前線の概要
深前線(ディープフロントライン)は、人体の筋筋膜線の”中心軸”をなします。
前額面では左右の外側線(ラテラルライン)の間にあり、矢状面では浅前線(フェイシャルフロントライン)と浅後線(フェイシャルバックライン)に挟まれ、そしてラセン線(スパイラルライン)と機能線(ファンクショナルライン)に囲まれています。
深前線は足底深部から起こり、下腿骨の後面と膝の後ろを上り、大腿内側面へ回って、股関節、骨盤、腰椎の前面に行きます。
深前線は、さらに胸部内臓の周囲や内部を通るいくつかの経路を上行して神経頭蓋と内臓頭蓋の下面に終わります。
深前線は、単線としてよりも三次元空間として定義したほうがイメージしやすく、他の経線と比べると、深前線は明らかに空間を占めています。
下肢では、深前線は基本的には筋膜性であるが、その中には深層で不明瞭な多くの支持筋が含まれます。
体幹では、深前線は交感神経節とともに、神経-運動の”シャーシ”と腹腔内にある内臓との間を迷走します。
頸部では、深前線は浅前線と浅後線の牽引に対抗する引き上げ作用をしています。
対象となる筋肉
□後脛骨筋・長趾屈筋・長母指屈筋
□膝窩筋
□後大腿筋間中隔・内転筋群
□骨盤底筋膜・肛門挙筋・前仙骨筋膜
□腸腰筋・腰方形筋
□横隔膜
□胸横筋
□頚長筋・頭長筋
□舌骨下筋・舌骨上筋
※神経頭蓋:頭蓋のうち、脳や嗅覚器官・視覚器官・聴覚器官などを覆う部分。前頭骨・頭頂骨・側頭骨・後頭骨・蝶形骨・鼻骨・篩骨などからなる。
※内臓頭蓋:脊椎動物の頭蓋のうちで、口の周辺や耳などを構成する部分。上顎骨・頰骨・口蓋骨・下顎骨・舌骨・耳小骨からなる。
2.深前線の機能
深前線は、骨盤を介して股関節と深く関わり、呼吸の動きと歩行リズムとを互いに連動させています。
また、身体の支持に大きく関わり、インナーマッスルのような働きをしています。
※深前線の筋筋膜は、遅収縮性、持続性の筋線維を含むため、姿勢の安定性などに寄与し、瞬発的な働きの必要な運動には向かない筋筋膜であります。
具体的な機能
□足部の内側縦アーチの引き上げを行う⇒主に後脛骨筋の働き
□下肢の各部分を安定化させる
□腰椎を前方から支える⇒主に大腰筋の働き
□胸郭を安定化させて、呼息と吸息を行わせる⇒主に横隔膜の働き
□虚弱な頚部とその上にある思い頭部の両方のバランスを保つ
※深前線における支持、バランス、および適度な緊張がなくなると、身体全体の短縮が起こり、骨盤と脊柱の中心部の虚脱が起こり、他のすべての筋筋膜線において良くない代償的調整の基盤が作られます。
3.深前線と関連のある経絡は”腎経”
深前線は、東洋医学である”経絡”の中の”腎経”と走行が似ていると言われています。
腎経と関係のある感情は”恐怖”であると言われています。
「高い所では怖くて腰が引ける」
「恐怖で腰が抜ける」
なんて用語はよく聞かれるかと思います。
そうなんです!
腎経は腰痛など腰に関わる症状と関わりが強いんです。
つまり、
腎経の異常は腰に何らかの異常をきたしやすい
腰の異常は腎経に異常をきたしやすい
と言えますね。
アナトミートレインの深前線に置き換えると、
深前線は身体の中心軸を支える機能があります。
要するに体幹を支えるインナーマッスルの役割があります。
で、この「深前線=インナーマッスル」の機能不全が起こると何が起こるか、、、
腰痛や肩こりですよ。
この深前線の筋筋膜の連結の中に”大腰筋”があります。
この大腰筋は腰椎を前方から支え、腰椎前弯をキープします。
この大腰筋が効かなくなると、腰椎前弯が弱まり、
俗に言う”腰が引けた状態”になってしまいます。
深前線が機能不全になると”腰が引けた状態”となる。
腎経の感情は”恐怖”であり、”恐怖により腰が引ける”や”腰が抜ける”などの状態になる。
両者とも異常をきたすと同じような現象が起こります。
このことから、”腎経”と”深前線”は走行だけでなく、機能も同じようなものであることがわかります。
腎経、深前線の機能がしっかりしていれば、
見た目から違ってきます。
胸を張って堂々とした姿勢で精気に満ち溢れているように見えます。
こんな人は腰痛や肩こりなどの症状は出にくいでしょうし、
実際にそんな人は腰痛などでリハビリに来る例は見たことありません。
4.深前線へのアプローチ方法
では、実際にこの深前線へのアプローチはどのようにしていくのか?
その辺をここでまとめていきます。
①まずは浅層のラインをゆるめる
アナトミートレインに限らず、身体へのアプローチを行う際には、
基本的に「浅層⇒深層」の流れでアプローチを進めていきます。
深前線のように深層の機能はとても重要ですが、働きたくても働けない状態にあることが多いんです。
その原因が浅後線や浅前線のような浅層の機能が頑張りすぎているからになります。
”相反神経抑制”という用語を聞いたことがあるでしょうか?
屈筋と伸筋のように相対する働きのある線維があるとします。
この相対する線維が同時に働いたらどうなるでしょうか?
拮抗して動かなくなりますよね。
なので基本的には、
”屈筋が働く時は伸筋はゆるむ”、”伸筋が働くときは屈筋がゆるむ”
といった働きになり関節運動をスムーズに行わせます。
これが相反神経抑制の働きで、ストレッチなどでも活用されます。
で、この原理は
アウターマッスルとインナーマッスルでも同じようなことが言えます。
つまり浅層と深層の関係性も同じということです。
すなわち、浅層のラインが頑張りすぎていたら、深層の働きは低下していくということです。
理想は、
「深層のライン(深前線)がしっかり機能した中で浅層のラインが適切な緊張で機能する」
という形になります。
逆に、「浅層のラインでガチガチに固めてしまって深層のラインが働けない」という状態では腰痛などの症状が出やすくなります。
以上の事から、
深前線へのアプローチを考える際、
まずは浅層のラインの異常な緊張や短縮を探していきます。
※相反神経抑制:相互神経支配ともいいます。たとえば、屈筋の張力が増すときには伸筋の張力が減退するというように、ある関節を動かす拮抗筋 (相反する働きをする筋) の一組については、協調的な神経支配が行われています。これを相反神経支配といいます。脊髄反射の場合だけでなく、交感神経と副交感神経についても、両者が同一の器官を支配している場合は、一方が興奮しているときに他方が抑制されるという相反神経支配がみられます。
②呼吸から判断しアプローチする
次は、深前線のラインの中の”横隔膜”にフォーカスを当てていきます。
呼吸パターンを評価し、深前線の機能不全を診ていきます。
横隔膜がしっかり働いていれば、呼吸時に腹部が動きます。
要するに腹式呼吸ですね。
しかし、横隔膜が固くなって動きにくくなっている場合(深前線の機能不全)、
腹部は動かず胸(胸郭)が動きます。そして肩が上下する呼吸になります。
これは胸式呼吸ですね。
この胸式呼吸になっている場合でさらに身体に異常がある(腰痛など)時の多くは
仰向けで寝た時に肋骨の下端が浮き上がっているような状態になっています。
この呼吸パターンを評価し、まずは横隔膜が機能しているか判断していきます。
呼吸パターンが胸式呼吸の場合、深前線の機能不全も可能性として考えていきます。
※胸式呼吸だからと言って全て深前線の機能不全であるとは言えませんので注意。
このように深前線の機能不全は呼吸機能にも影響を及ぼすことが考えられます。
詳しいアプローチ方法に関してはこちらをご参照ください。
他に横隔膜は肺経とも関連がありますので、
そちらを意識したアプローチ法も記載しておきます。
③姿勢から判断しアプローチする
次は、姿勢から深前線の異常を判断し、アプローチしていきます。
先程も深前線と腎経の関係性のお話をしましたが、
深前線や腎経の異常があると、腰が引けてきます。
この腰が引けているかどうかを姿勢や動作から評価していきます。
姿勢でいえば、”骨盤の後退や後傾しているかどうか”で判断します。
動作でいえば、”動く中で腰が入っているかどうか”で判断します。
骨盤の後傾や後退や動作の中で腰が入っていないということは、
骨盤の前傾や前方移動が行えていないわけですから、大腰筋や内転筋の機能が著しく低下していることが考えられます。
そのため、内転筋のエクササイズや大腰筋のエクササイズを検討していきます。
※上半身の影響も考えられる場合は横隔膜や頸部の評価も行います。
内転筋のエクササイズに関しては、
以前、書いた記事に載せましたが、下図のような方法でエクササイズしていきます。
上記のように、下側になった足を上げ下げしていく運動になります。
この上げ下げをしっかり行うと内転筋に効いてきます。
ポイントとしては”内くるぶしを天井に向かって上げること”が重要になってきます!
大腰筋のエクササイズに関してはこちらをご覧ください。
④メンタル面からのアプローチ方法
深前線は”腎経”と走行が似ています。
そのため、深前線の異常は、同じ走行をしている腎経にも異常をきたしている可能性があるわけです。
そして、その腎経に関係のあるメンタルストレスが”恐れ”になります。
これは五行色体表の”五志・五情”で確認するとわかります。
そのため、深前線に対してメンタル面からのアプローチを考える場合は、
「”恐れや恐怖”に対するメンタルストレスの解消方法を探していく」という形になります。
このメンタルストレスに対する対処法としては、
①何にストレスを感じているのかを知る(受け入れる)
②ストレスに抗して活動できる身体をつくる
この2パターンがあると思います。
①何にストレスを感じているのかを知る(受け入れる)に関しては、
まずは何がメンタル的にストレスになっているのかを自覚してもらう(何が恐怖なのか)ということになります。
そのストレスをストレスがかかっているんだということを受け入れるだけで身体への反応は変わってきます。
要するに”開き直る”ような状態でしょうか。
「いつまでもウジウジ悩んでいるより開き直ったほうが案外いい結果が出る」
なんてことは世の中たくさんありますよね。
なので、
ストレスの原因をつきとめて向き合っていく
ということも1つの方法かと思います。
次に、②ストレスに抗して活動できる身体をつくるですが、
極端な例を挙げますと、
「人前での発表(会社のプレゼンなど)がとにかく緊張して出来ない」
という人がいたとします。
そんな人は発表前になると恐怖で腰が引けてしまい発表どころじゃなくなってしまうという問題が出てしまいます。
そういう場合は、
□誰かに代役を頼む
□思い切って職を変える
となります。
この例は極端な話ですので、まぁどちらも普通しないし出来ないですよね。
ただ、そうやって出来ないからと言って無理をして過ごしていくうちに身体に不調が出てくる訳なんですよね。
そうならないように「ストレスに抗して活動できる身体をつくる」ことが肝心なのではないでしょうか。
自分自身がストレスを抱えていることを受け入れれば(ストレスに気付く)、あとはどうやってそのストレスに打ち勝って生活が出来るかを考えていくだけです。
その方法の一つに腎経を鍛えていくということになります。
腎経を鍛えるには上記でも述べましたが、
おススメは大腰筋のエクササイズかと思います。
メンタルの不調は身体に現れます。
恐怖があれば(腎経の異常)、腰が引けます。
大腰筋は腰を前方に突き出す働きがあります(メインは腰椎の安定化)。
※大腰筋の収縮により腰椎前弯が増強しますからね。
なので、エクササイズとしては、大腰筋にフォーカスすることをおススメします。
話を戻します。
メンタル面の問題も身体が整えば解消できることはたくさんあります。
身体を”器”と考えればイメージしやすいですね。
身体が整えば整うほど、自身の”器”が深くなり、ストレスがかかっても溢れる(ストレスに負けない)ことがないという状態になります。
まとめ
・深前線は腎経と関わりがある
・腎経の異常で”恐怖”というメンタルストレスを感じやすくなる
・”恐怖”というストレスに打ち勝つには、まずはそのストレスと向き合うこと
・さらにトレーニングにて腎経の流れを改善し、”恐怖”というストレスそのものを感じにくくしていく
5.まとめ
今回は、アナトミートレインの”深前線”についてまとめていきました。
冒頭でも挙げましたが、以下の症状がある方は、深前線の機能不全が考えられます。
これを機に自身の身体を見直してみるのもいいのではないでしょうか?
□腰痛がある
□肩こりがある
□ストレスが溜まりやすい体質だ
□呼吸が浅いと感じる
□姿勢が悪いといわれたことがある(自覚している)
□夕方にかけて疲労がドッと来る
□足がむくむ
□老けて見られる
それでは今回はこの辺で!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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