腰部脊柱管狭窄症患者の腰痛や痺れは”中殿筋のトリガーポイント”に原因があった

どうも。

kabosuです。

今回は久しぶりに

腰痛について症例検討形式で

書いていきます。

今回の例は、

腰部脊柱管狭窄症と診断された方です。

腰部脊柱管狭窄症といえば、

下肢の痺れや間欠性跛行など様々な症状を出します。

また、体幹の伸展動作にて症状の増悪(痺れや痛み)を認めることが多いため、患者の多くは前かがみの姿勢をとる傾向にあります。

今回はそういった症状+強い腰痛を訴える方の症状やアプローチ内容を検討していきます。

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1.はじめに

今回は腰部脊柱管狭窄症と診断された症例の内容になります。

症例は、強い腰痛の訴えがあり、大きく身体を動かすのが困難な状態でした。

腰部脊柱管狭窄症様の症状も確認され、機能不全由来の腰痛に加え、疾患由来の症状が合わさっている状態でした。

そのため、何が一次性の問題で、何が二次性の問題なのかが混在してわかりにくくなっていました。

今回は、様々な症状がある中で何に着目すべきかを考え、そこに対しアプローチしたことで状態の変化が見られたため詳細をまとめていきたいと思います。

2.症例紹介

年齢:60歳代

性別:男性

職業:無職

趣味:庭いじり

運動習慣:継続的に行っているものはなし

週2~3回程度はウォーキングを行っている

3.腰痛の評価

【痛み】

●肋骨の下部と骨盤の間の筋組織全体に強い痛みあり

●筋緊張も亢進しており、圧痛所見も明確にあり

●痛みの度合いは、右>左となっており、右優位である

【可動域】

●股関節伸展制限あり(左右共に)

●胸椎の可動性低下見られる

【筋力(MMT)】

●中殿筋(右/左):3/4

※代償動作見られる(伸展域での出力弱く、屈曲位にもっていこうとする)

●腹筋:2

※脊柱の硬さからか、上体起こしが困難

【立位姿勢】

矢状面から見て、やや前傾姿勢

前額面からみて、右下肢支持となっており、両肩の高さにも差がある状態

【歩行】

前かがみでの歩行になっている

姿勢を起こして歩くとすぐに腰痛が出現する

股関節屈曲位で歩くため股関節の伸展がほぼでていない

4.腰痛の問題点抽出

何が問題?

一次性の問題が「単関節筋の機能低下による中殿筋の弱化」が考えられます。

これには”立ち方”の問題が1つの要因として考えられます。

姿勢の異常により本来働くはずの中殿筋が働かず、大腿筋膜張筋が代償して働いていることが考えられました。

そして、

二次性の問題が「腰部脊柱管狭窄症の症状(痺れや間欠性跛行)」です。

症例は、腰部脊柱管狭窄症と診断されたことで、すべて腰部脊柱管狭窄症からくるものであると思っていました。

ただ、上記の内容的に、根本の問題は、中殿筋の機能不全であり、立ち方などが原因であるわけです。

なので、腰部脊柱管狭窄症様の症状に対しては二の次になるわけですが、

実際に、表面化している問題(症例が訴える症状)は、腰痛に加えて二次性の問題(痺れや間欠性跛行など)が主になります。

なので、二次性に対してアプローチしがちになりますが、

上記の内容的には介入ポイントは一次性の問題に対してとなるため、今回は中殿筋に対するアプローチを中心におこないました。

歩行や姿勢から得られる問題点

立位姿勢や歩行時は”前傾姿勢”となっています。

このことから股関節は屈曲位であることが予想されます。

そのため、大腿筋膜張筋優位の活動により中殿筋の機能低下が生じていることが考えられます。

支配神経の関係から、

中殿筋機能低下=仙腸関節機能異常

が考えられます。

※仙腸関節性の問題であれば、下肢への広範囲の痛みも考えられる

症例は、

□右下肢支持での立位保持がクセとなっている

□右側の骨盤が後傾していることが考えられる

□右骨盤の側方へのスウェーが考えられる

(中殿筋の遠心性活動が生じている)

□右スウェーが継続的に起こることで中殿筋のトリガーポイント形成される

(中殿筋が常に引き伸ばされた状態で負荷がかかっているため)

□中殿筋トリガーポイント由来の強い腰痛を引き起こしているのではないか?

といった形で、中殿筋の問題が大きいのではないかと考えられました。

5.治療アプローチ

①中殿筋のトリガーポイントをリリースしていく

まずは、本当に中殿筋が、しつこい腰痛を引き起こしているのかを確認していきます。

確認には、中殿筋の刺激により腰痛が再現されるか?(放散痛がみられるか?)を評価していきます。

実際に、中殿筋に対し指圧したところ、腰部に放散痛がみられ普段の腰痛と同様の痛みが再現されました。

そのため、中殿筋のトリガーポイントの治療を実施していきました。

アプローチは虚血性圧迫にて改善を促しました。

②大腿筋膜張筋の硬さをとり、二関節筋の影響を軽減させる

中殿筋の機能不全を改善させるために、中殿筋のトリガーポイントに対し介入を行いましたが、そもそも、中殿筋が機能不全に陥っている間はどこで代償して姿勢を保持し、活動を維持していたのかを考えていくと、同じ外転作用を持つ”大腿筋膜張筋”が浮かび上がってきます。

大腿筋膜張筋は二関節筋であるため運動には適していますが、姿勢の保持など持続的な活動には不向きです。

その大腿筋膜張筋が中殿筋の代わりに姿勢にも関与していたことが考えられるわけなので、大腿筋膜張筋の過緊張が生じていることが考えられます。

そのため、中殿筋が機能を取り戻すには、中殿筋が機能しやすい環境を作る必要があります。

なので、大腿筋膜張筋の過緊張を取り除き、それぞれが本来の役割を果たすようにしていく必要があります。

実際に、大腿筋膜張筋と中殿筋の前部繊維の過緊張が(ASIS付近がカッチカチ)見られ、指圧にて強い圧痛が認められました。

この大腿筋膜張筋に対しては、緊張が強いため普通に刺激したら表臓部分しか刺激が入らず、しかも不要な痛みを引き起こす恐れがあったため、

大腿筋膜張筋を最大短縮位に誘導し、その状態で大腿筋膜張筋をダイレクトに緩めていきました。

筋を短縮位に誘導することで過緊張は必然的にゆるむため、深層まで刺激が入りしっかりほぐれました。

③中殿筋後部線維の直接的なエクササイズ

中殿筋の機能を取り戻し、中殿筋が働きやすい環境調整を行った後は、

中殿筋を活性化(運動の再学習)を行う必要があります。

方法は、

側臥位になり、股関節の伸展を極力だした状態での空間保持を行うといった形になります。

この時、無駄に外転運動をせずに外転0°~5°程度にとどめ、代わりに代償が出ないように注意してもらいながら空間保持をしてもらいます。

ありがちが代償動作は、

□骨盤を後退させ、大腿直筋にて外転動作を代償する

□股関節の内旋運動を入れハムストを使って外転動作を代償する

□股関節屈曲位となり大腿筋膜張筋を使って外転動作を代償する

□骨盤を引き上げて腰方形筋を使って外転動作を代償する

などがあります。

それぞれの代償動作は全体をよく観察していればすぐにわかりますので、代償が出る度に修正を図っていきます。

今回の症例の場合は、大腿筋膜張筋を習慣的に使う代償パターンになっていたため、中殿筋のトレーニング中に股関節屈曲位を取りやすかったです。

6.まとめ

今回は、腰部脊柱管狭窄症の症例検討を行ってきました。

今回の症例は中殿筋の問題が強かったのではないかと思います。

実際にリハビリを進める中で症状は軽減してきましたが、完全に0になったわけではありません。

他にも問題はあると思うので再評価を行いながら違う問題も見つけていかなければなりません。

ただ、今回の症例を通して、トリガーポイントに対するアプローチは効果があることが自身の中で検証できたことは大きかったです。

今後はトリガーポイント療法も含めて評価から治療を行っていきたいと思った次第です。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!