肝経・胆経に対する経絡アプローチについて~イライラの解消に効果あり~

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東洋医学
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どうも!
KABOSUです!
今回は「東洋医学について」書いていきます。
最近、東洋医学の経絡アプローチシリーズを書いています。
これまで、以下の4種類の経絡アプローチについてまとめました。
今回は肝経・胆経の経絡アプローチについてまとめていきます。
東洋医学でいう「肝や胆」の機能としては、「血液の貯蔵」「血液循環」「自律神経の調整」の3点が挙げられます。
その他、精神活動の安定化、栄養素の代謝と解毒、骨格筋の調節、運動や平衡の制御など身体全体に関わる機能を持ちます。
このように多岐にわたる機能を有する臓腑へのコンディショニングとして経絡アプローチを紹介していきます。
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1.肝経・胆経について

まずは肝経と胆経について少し知識を整理していきましょう。

 

①肝経と胆経の関係性は?

肝経と胆経は「母子関係」にあります。

肝経が「母」・「親」になり、胆経が「子」になります。
陰陽の世界では、
「肝」⇒「陰」
「胆」⇒「陽」
とされています。

②肝経・胆経の経絡の走行は?

肝経・胆経の経絡の走行は以下の通りです。

図:肝経と胆経

 

肝経は、足の内側を走行していきます。

 

胆経は、逆に身体の外側を走行します。

 

 

③五行論からみた肝経・胆経

この肝経と胆経は、五行論では「木」であり、
「水(腎・膀胱経)」からのエネルギーをもらいます。
そして、「火(心経・小腸経)」にエネルギーを送る機能を持ちます。
※相性関係のことを言います

そして「木(肝・胆経)」は逆に、

 

「土(脾・胃経)」のエネルギーを抜く機能もあります。

(木は土からエネルギーを得て大きくなる作用があるのと同じで、肝は脾のエネルギーを抜いてしまう)

 

※これは相剋関係のことを言います。

 

 

相性・相剋関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

東洋医学の「五行論」の使い方~病気にならない身体を作ろう~
五行論は、”お互いを補い合う関係性”と、その逆で”お互いを抑制し合う関係性”の2つの側面を持ちます。このように、それぞれが助けたり抑制したりしてバランスをとっているわけです。このバランスが崩れた時に東洋医学の世界では「身体に不調をきたす」と言われています。その概念を利用して、逆に外部から刺激を入れて崩れたバランスを調整していく方法が五行論を利用したアプローチになります。

 

 

④五行色体表からみた「肝」とイライラの関係性

五行色体表は、五行それぞれの特徴をまとめたものです。

 

五行色体表についてまず知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

五行色体表(東洋医学)をリハビリ場面で活用する方法
五行色体表を理解すると”対象者の性格”や”対象者はこの症状をどう捉えているのか?”など対象者の背景の理解がしやすくなります。五行色体表を使っていくと、現れている症状がどの臓器に負担をかけているかなど深い部分まで知ることができます。 はっきりしない症状や原因がわからない問題の解決には効果的です。

 

この五行色体表の中で、「五情」というものがあります。

※五情とは、それぞれの五行に対応する感情のことを指す

□肝→怒り

□心→喜び

□脾→思い悩み

□肺→憂い、悲しみ

□腎→恐れ

 

このように振り分けられます。

この中で、「肝」に対応する感情は「怒り」となります。

 

つまり、「肝のエネルギー過多(実の状態)により怒りっぽくなる」という現象が起こるようになります。

 

東洋医学の「肝」の機能や症状について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

経絡アプローチに必要な知識~肝経・胆経の虚証と実証の判断と肝胆の症状~
肝はアルコールの処理など解毒のイメージが強いかと思います。身体を正常に保つために食事をとることが大事です。しかし現代の食事は人工物が多く、安全とは言い切れません。そのため毎回、肝臓が働く必要があるわけでフル稼働させられている臓器の一つになります。そんな肝ですが、東洋医学の中では自律神経系にも関わりがあり、精神的な問題にも深く関わってきます。

 

 

このことから、最近イライラしやすくなった、感情のコントロールが効きにくいと感じた場合は、肝経や胆経への経絡アプローチが有効である可能性があります。

 

 

 

2.肝経・胆経に対する経絡アプローチ

ここまでで、肝経・胆経の概要は理解できたと思います。

 

ここからは、実際の経絡アプローチについて紹介していきます。

 

経絡アプローチの説明に当たって、経絡上にある筋肉をイメージすることが重要になります。

筋肉も筋膜などを通して連鎖があり、経絡の走行と似ている部分があります。

 

肝経と胆経に関しては、以下のような連鎖があります。

図:肝経と胆経に関連した筋連鎖(アナトミートレインより引用)

アナトミー・トレイン  徒手運動療法のための筋筋膜経線より画像加工し引用

 

肝経に関しては類似する筋膜ラインはありませんが、胆経に関してはアナトミートレインでいうと「外側線(ラテラルライン)」と類似していることがわかります。

 

ラテラルラインについての記事はこちらにあります。

アナトミートレインのラテラルライン編~きれいな姿勢に関連あり!?~
今回は、外側線(ラテラルライン)についてまとめていきたいと思います。このラテラルラインですが、身体の両サイドを走行しています。故に身体の姿勢をコントロールする機能を有します。歩容や姿勢の改善、首の痛みの改善を図る時にラテラルラインを活用していきます。

 

上記のラインを意識してストレッチやトレーニングを行うと、より効果的になります。

では、以下に方法を紹介していきます。

 

 

 

①肝経・胆経の「井穴」を刺激する方法

まずはいつでもどこでも出来る経絡のセルフコンディショニングです。

 

井穴とは、身体のエネルギーの「出入口」とされています。

 

各経絡にこの「井穴」は存在しており、それぞれポイントが違います。

図:下肢を走行する経絡の井穴一覧

 

図:肝経と胆経の井穴周囲の刺激ポイント

図を見ると分かると思いますが、肝経と胆系の井穴は以下の通りです。

肝経→足の母趾の外側(母趾と示趾の間)

胆経→環趾の外側(環趾と小趾の間)

どちらも意外と痛みがあります。

特に胆経に関しては井穴の近くに臨泣というツボがあり激痛です。

是非皆さんも刺激してみてください!

 

【方法】

・各経絡の井穴を指で刺激(足趾をつまむようにして刺激する)

・その後、足趾間のくぼみを軽くこするように刺激していく(母趾と示趾の間・環趾と小趾の間依)

・各井穴を30秒~60秒程度、連続して刺激する

・刺激量は、痛みの程度で増減する(イタ気持ちいいレベルで刺激)

 

【注意点】

・「皮膚をこする」よりも少し深く、「筋肉を刺激する」より少し浅く刺激する感じで実施

・イタ気持ちいいレベルで刺激すること

 

 

②胆経のストレッチ

胆経は、身体の外側を走行する経絡です。

この経絡に異常が起こると、身体を側屈することが困難になります。

また、側屈と同時に回旋も制限されるようになり、柔軟な動きが阻害されロボットのような動きになってしまいます。

 

胆経の経絡ストレッチは単純に体幹の側屈運動を取り入れていきます。

今回はその方法をご紹介します。

 

その他、胆経のアプローチについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

アナトミートレインといって、筋膜の視点から経絡に対してアプローチを行っています。

アナトミートレインのラテラルライン編~きれいな姿勢に関連あり!?~
今回は、外側線(ラテラルライン)についてまとめていきたいと思います。このラテラルラインですが、身体の両サイドを走行しています。故に身体の姿勢をコントロールする機能を有します。歩容や姿勢の改善、首の痛みの改善を図る時にラテラルラインを活用していきます。

 

 

【方法】

・片方の膝を床について、もう一方の膝を立てて片膝立ち位になる

・床についた側の上肢を挙上し、膝を立てた側に上半身を倒していく

・上半身を倒していくことで脇腹を伸ばしていく

・肋骨の引き上げが出来ているかモニタリングするため、フリーになっている側の手で肋骨の引き上げを確認する

・息を吐きながらストレッチしていき、吐き終わったら元の位置に戻る

・これを片側3~5回程度実施し、その後反対側も行う

 

図:胆経の経絡ストレッチ

 

【注意点】

・楽な姿勢で行うこと(窮屈な姿勢ではストレッチ自体が上手くできない)

・呼吸を止めない

・肋骨と骨盤の間のスペースを広げるように行う

 

 

 

③肝経に対する経絡ストレッチ

肝経の走行上に内転筋があります。

この内転筋ですが、肝経の他に脾経・腎経が走行しており、経絡理論上、内転筋は非常に重要な筋になってきます。

 

また、肝経・脾経・腎経はともに婦人科系の問題と深く関わっているとされています。

実際に、生理不順や不正出血がある方の内転筋は非常に固くなっています。

 

このように、肝経だけに対してではないですが、内転筋へのアプローチは肝経に関する症状の改善だけに留まらず婦人科系の問題にも効果を及ぼします。

 

図:脾経・肝経・腎経の経絡の走行について

経絡の走行を見ていくとわかりますが、

3つの経絡の走行は少し違います。(「三陰交」で3つの経絡は交わりますが・・・)

 

大腿の前面からみると、まず初めに脾経の走行が確認されます。

そして、大腿を真横(内側)からみると、肝経の走行が正面に見られます。

で、後面からみると腎経の走行が確認されます。

 

この経絡の走行を内転筋の付け根(股関節)にフォーカスしてみると、肝経が内転筋の付け根に最も影響を及ぼす走行をしていることがわかります。

※股関節の後面に違和感などがある場合は、「腎経」が強く関わっている

 

なので、同じ内転筋への経絡アプローチでも内転筋の付け根にフォーカスしたアプローチを行うことで肝経への経絡アプローチが可能になるということになります。

 

 

【方法】

・足を肩幅以上に開く

・両膝付近に手をついて上半身を捻じっていく

・上半身の捻じりと共に股関節を開いていき、内転筋の付け根を伸長させていく

・持続的に伸長させていき、内転筋の付け根を緩めていく

図:肝経の経絡アプローチ(内転筋のストレッチ)

 

【注意点】

・上半身の捻じりが大切

・呼吸を止めずに一定時間、姿勢をキープする

・左右同じ程度ストレッチを行うようにする(片方だけで終わらない)

 

肝経・胆経は回旋系のトレーニングが有効とされている

※脾経・胃経は伸展系のトレーニングが効果的であり、逆に腎経・膀胱経は屈曲系のトレーニングが有効とされている

 

 

 

3.まとめ

今回は、肝経と胆系の経絡アプローチについてまとめていきました。

東洋医学は、人間の身体を包括的に診るためには、非常に有効な治療方法です。

 

西洋医学では、原因不明であったり、「気のせい」で済まされる問題も解決できる可能性があります。

今回紹介した肝経・胆経の問題でも、イライラについて取り上げていますが、他にも婦人科系などの問題とも深く関わっているとされています。

 

これからは、病気の治療だけでなく、予防医学の分野も伸びてくるとされています。

その時に、東洋医学の知識は役立つものと思われます!

 

 

自分自身の健康のためと、周りの健康を促すためにも東洋医学、経絡アプローチは一つの選択肢になると思います。

 

気になったら実践してみてください。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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