腎経・膀胱経の虚証と実証の判断と腎・膀胱の症状~経絡アプローチに必要な知識~

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東洋医学
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どうも!

KABOSUです。

 

今回も東洋医学シリーズです!

経絡アプローチに必要な知識ということで、それぞれの臓腑の詳細をまとめていきたいと思います。

前回は、肝・胆についてまとめていきました。

肝経・胆経の虚証と実証の判断と肝胆の症状について

 

経絡アプローチの概要については、「経絡アプローチを行う上で覚えておくべき各経絡の異常」をご覧ください!

 

今回は”腎・膀胱”についてまとめていきます。

 

腎や膀胱は、排泄の役割が主であり身体にとって重要な役割を果たします。

(どの臓器も重要ですが・・・)

東洋医学の中でも腎は重要であり、特に高齢者にとってはどれだけ”腎の機能を維持できるか”が元気に長生きするポイントになります。

経絡でもアナトミートレインの深前線と関わりが深く、身体の深部を流れる経絡に当たるため腎に異常が起こると腰痛などの症状が出現してきます。

 

以上の点を踏まえて腎・膀胱の知識はしっかりとつけておきましょう!

それではよろしくお願いします。

 

 

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1.腎・膀胱は東洋医学ではどんな立ち位置なのか?

西洋医学では、”腎や膀胱”というと、腎臓や膀胱をイメージするかと思います。

東洋医学でも実際の臓器と働きは似てくるのですが、多少違ってきます。

腎の役割について

腎は「生命活動を担い、水分代謝を調節」する働きがあります。

腎は単に腎臓の機能だけでなく、成長、発育、生殖機能、骨・歯の形成や維持などの機能を持ちます。

また、水分代謝の調節も腎の機能で、血液から老廃物を取り除く泌尿の機能、体液の保持、呼吸機能の維持、思考力の維持などの機能も含まれます。

感情面では「恐れ」、精神面では抑制的、恐怖、強迫観念、本能などと関連があるとされています。

故に腎・膀胱に異常が起こると「オドオドする・人前に過剰に緊張する」などの問題が出てきます。

逆に言えば、腎を鍛えれば「人前に出ても緊張しなくなる」ということですね。

膀胱の役割について

膀胱は、腎による体液調節の結果、生成された尿を貯留、排泄する作用を持ちます。

また、裏の腎の機能と連動することがあります。

気血水のさまざまな障害とともに、膀胱の機能の障害が現れます。

 

 

2.腎経・大腸経の虚証と実証の症状

ここでは、虚証・実証の場合に起こりうる症状の例をいくつか挙げていきます。

経絡アプローチを行う際に、下記のように虚実を判断できると、

「エネルギーを抜く」or「エネルギーを注入する」

がわかるようになり効果的な治療が可能になります。

なぜ、それぞれの臓腑の”虚実”を知る必要があるのかは、経絡アプローチで大切なのは”虚実の判断”が出来るかどうかをご覧ください。

虚の症状

●息切れ、喘鳴

●頻尿

●遺精・滑精・早漏

●足腰のだるさ

●精神疲労

●冷え性になる

●足腰の冷え

●尿量の減少

●むくみ

●腰痛

●生殖機能減衰によるインポテンツ

●発育・成長不良

●生殖機能低下による不妊症

●難聴・耳鳴り

●歯が抜けやすくなる

●脱毛・若白髪

実の症状

●過成長

●不眠

●体重減少

●月経過少、閉経

 

 

3.腎の異常

ここでは、気血水の異常をまとめています。

少し専門的な用語が多いためわかりにくいですが、それぞれの異常が起こった際に生じる症状だけでも知っておくと良いと思います。その部分だけ色付けをしていますんので参考にして下さい。

腎気虚

≪腎不納気≫

腎が気を収めることのできない状態です。

病因としては、先天性のもの、慢性疾患、老化などがあります。

症状としては、

①呼吸促進

②息切れ

③呼気の時間延長・呼気の時間短縮

④喘息

などが挙げられます。

≪腎気不固≫

腎気虚で、気の固摂作用失調によるものです。

病因は、老化、先天不足、慢性疾患、肉体疲労などです。

症状としては、

①固摂作用失調をもとにした”膀胱機能障害による頻尿”

②蔵精機能低下による”遺精、滑精、早漏”

③腎虚状態である”足腰のだるさ、精神疲労”

などが挙げられます。

腎陽虚

腎陽が不足すると、温煦機能失調・生殖機能失調が発生します。

病因としては、冷え性体質、慢性疾患、老化、性生活の不摂生などです。

症状としては、

①温煦作用失調による”手足足腰の冷え・腰痛”

②生殖機能減衰による”インポテンツ”

などが挙げられます。

腎気帯

気滞により生じる気虚、血虚などの症状として現れます。

腎気逆

納気が行われないため、肺の症状として咳嗽が現れます。

腎気が亢進することにより、性早熟症、過成長などをきたす可能性が考えられます。

腎血虚

精が不足する腎精不足と同義です。

病因としては、精の先天不足、慢性疾患、後天失養、老化、肉体疲労などです。

症状としては、

①発育・成長不良、生殖機能不足による”不妊症”

②髄海不足による”めまい、健忘”

③耳に開竅する腎精の不足による”難聴、耳鳴り”

④骨が養われずに生じる”腰・膝の脱力や歯が抜けやすくなること”

脱毛と若白髪

などが挙げられます。

腎瘀血

典型例としては、腎梗塞に伴う血尿、腎機能低下症状が認められますが、通常は腎の血行障害に伴う気虚、あるいは血虚などの症状が現れることが多いです。

腎津液不足

腎の津液不足によるものです。

症状としては、

①骨・髄・脳の滋養不良による”めまい、耳鳴り、健忘”

②骨格の滋養不良による”足腰のだるさ”

③体や口が陰液で滋養されないことによる”体重減少、咽乾”

④衝脈あるいは任脈の失調による”月経過少、閉経”

などが挙げられます。

腎陰虚

腎陰虚は腎陰が不足することであり、主に滋養失調と虚熱内生を特徴とします。

病因としては、精の消耗過多、熱性の慢性疾患、温燥薬物の使用過多です。

症状としては、

①骨・髄・脳の滋養不良による”めまい、耳鳴り、健忘”

②骨格の滋養不良による”足腰のだるさ”

③体や口が陰液で滋養されないことによる”体重減少、咽乾”

④衝脈あるいは任脈の失調による”月経過少、閉経”

⑤虚火が精神や性器を乱すことによる”不眠・遺精”

などが挙げられます。

腎水滞

腎の水を主る機能が低下し、腎陽不足による津液代謝失調の状態です。

典型的なものとして水腎症の病態が挙げられます。

症状としては、

①温煦作用失調による”足腰の冷え”

②膀胱の気化失調による”尿量減少”

③膵液の貯留による”下肢の浮腫”

④水邪の上逆による”動悸、息切れ、喘鳴”

などが挙げられます。

 

 

4.五行色体表から”腎と膀胱”の異常を理解する

東洋医学には”五行色体表”というものもあります。

五行色体表とは「季節から人体まで自然界のあらゆるものを五行に当てはめ、まとめたもの」とされています。

※赤枠で囲った部分が、腎と膀胱の関連する部分

この中で、膀胱の異常をご紹介していきます。

まず”五行色体表”について詳しく知りたい方は五行色体表の使い方についてをご覧ください!

腎・膀胱の異常があると起こりうる症状

①腎の問題は「耳」に現れます。(耳が遠くなる、耳鳴りなど)

②腎は「骨や歯」と関連があります。(骨がもろくなる(骨折しやすくなる))

③腎に異常がある時は、「髪」に異常が出ます。(”きしむ・ツヤが無くなる”など)

④腎の異常は、「恐れ」と関連します。(ビクビクしたり、引っ込み思案になる)

⑤腎は「久立」といい、「立つこと」と関連します。(長時間の立ち仕事などで腎に負担がかかる)

⑥腎の異常で「腐った臭い」がするようになります。(腐敗臭が身体からするようになる)

⑦腎が最も活動する時期は「冬」になります。(腎に異常があると冬に問題が出やすくなる)

⑧腎は「鹹(塩辛い)」と関係があります。(腎が弱っているときは”塩辛い食べ物”が良い)

⑨腎が関連する色は「黒」です。(腎臓の病気で透析を行っている人など顔色はどす黒くなる)

 

 

5.まとめ

今回は、腎・膀胱についてまとめていきました。

経絡アプローチを行う上で必要な知識として、虚実の判断とアプローチする臓腑を決めるための判断基準を知らなければなりません。

そのために今回は、

●各臓腑の虚実の症状

●各臓腑に異常が起こった際に生じる症状

の2点を説明していきました。

 

それでは今回はこの辺で!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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