椎間板ヘルニアが腰痛の原因ではない?多くの人が抱える腰痛は非特異性腰痛が原因であった。

皆さんは「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」と聞いたらどんな症状を想像しますか?

痛みでしょうか?

痺れでしょうか?

動けなくなるんじゃないかとか?

色々な想像を持たれるとは思います。

今回は、そういった”腰の痛み”について少しかみ砕いてまとめていきたいと思います。

腰痛=病気

ではないことをわかってもらえたらと思います。

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1.腰の痛みの定義

腰痛とは、以下のように定義づけられます。

腰仙部に局在する疼痛で、神経根に由来する下肢痛や馬尾由来の下肢症状を含む

引用:菊池臣一:腰痛 医学書院2003

腰痛は、腰だけでなく足まで含めた問題のことを指すようです。

※腰椎から出る神経が圧迫されて足に痺れを出しているものも腰痛として判断するということですね。

2.腰の痛みの種類(特異性腰痛と非特異性腰痛)

腰痛には、「特異性腰痛」と「非特異性腰痛」の2種類があります。

特異性腰痛:明らかな原因のある腰痛(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など)を指す

非特異性腰痛:原因のはっきりしない腰痛のことを指す

ちなみに、腰痛の訴える人の多くは「非特異性腰痛」であることが多いと言われています。

特異性疼痛の割合⇒15%

非特異性腰痛の割合85%

このように、非特異性腰痛の割合は8割以上を占めています。

どこまでを非特異性腰痛と判断するかにもよると思いますが、かなりの数が原因のはっきりしない腰痛に悩まされているということになりますね。

3.腰の痛みの一般的なイメージと実際

皆さんは、腰痛と聞くと悪い病気にでもかかったように捉えてしまいませんか?

病院で勤務していると「ヘルニアかな?狭窄症かな?」などを第一に思い浮かべます。

ただ、たとえ画像診断(レントゲン・CT・MRIなど)で”椎間板ヘルニアだ”、”脊柱管狭窄症だ”といっても軽快していく人はたくさんいます。

この場合は、画像上問題があっても起こっている症状はそこが原因でないことを示しているわけです。もしくは一時的に刺激されて生じているものと判断されます。

少しややこしく聞こえますが、

要は「椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されたからと言って一生治らないとか必ず手術しなければならないというわけではないですよ」ってことです。

椎間板ヘルニア=腰が痛くなる

脊柱管狭窄症=腰が痛くなる

と、全てが全てイコールで結ばれるわけでないということを理解する必要があると思います。

でないと、

本当は大きな問題(腰痛)ではないのに、慢性的な腰痛を作り出してしまう可能性が出てきます。

このように、先程説明したように腰痛には”特異性腰痛”と”非特異性腰痛”の2パターンがあり、世間のイメージとして強くついているのが特異性腰痛の方です。

ただ、何度も言いますが特異性腰痛の割合は1~2割程度です。

まずは残りの8割の腰痛の存在を認知していくことが大切になってくると思います。

で、特異性腰痛の方は早急に治療が必要な状態であるわけなのでこちらも曖昧に覚えるんじゃなくて判断できるようになっておいた方がいいです。

こちらの記事に特異性腰痛を判断する基準をまとめています。

特異性腰痛=レッドフラッグ

と思って読み進めてもらえると幸いです。

理学療法士が教える、腰痛で動けなくなった際の病院選びのポイント~レッドフラッグ~を理解しよう~

4、腰痛に年齢は関係ない

腰痛って、なんだか歳をとったら起こるもののような気がしませんか?

「歳をとって腰が曲がってきたから腰が痛いのだろう」と・・・

でもですね、皆さんも今まで生きてきた中で若い頃、腰痛を経験したことあると思うんですよね。でも肉体的にも精神的にも元気であるからすぐ治っちゃって忘れているような・・・なんて気がします。

以下のグラフは古い文献ですが、腰痛の経験時期と構造的な問題が出始める時期が示されています。

折れ線グラフの方が、

●腰痛の初発年齢

●腰痛の保有率

になります。

そして、棒グラフの方が、

●椎間狭小(椎間板の働きが落ちている)

●骨棘形成(骨が他の組織にあたり痛みを出しやすくなる)

になります。

引用:整形外科MOOK. 1979. 山口ら

このグラフからわかるように、

腰痛を経験するのは20~30歳にかけて急激に上昇します。その後、徐々に下行していきます。

それとは反対に、椎間が狭くなったり骨棘が形成されたりなど構造的な問題は年齢を重ねるほどに増えていきます。

この結果から、

「腰痛は構造的な問題が起こってなくても生じる」

ということがわかります。

②腰痛に職業は関係ない

今度は職業別に腰痛を診ています。

「この腰の痛みは職業病だからしょうがないんだよねー」

って言っている人多くないでしょうか?

確かに、重労働や長時間同じ姿勢でする作業を長年している人たちは構造的に支障をきたしやすいです。

ただ、こちらも古い文献ではありますが、職業別に腰痛の割合を調べた結果があります。

これをみると”無職”が一位になっているんですね・・・

肉体労働の人はかえって低い部類に入っていますもんね・・・

引用:整形外科MOOK. 1979. 山口ら

このことから、先程の年齢と腰痛の関係の所と同様に腰痛は、構造的な部分に負担がかからなくても生じるということがわかります。

結論を述べると、

腰痛は筋肉や関節といった構造の問題だけでなく心理面(メンタル)の影響が大きなウエイトを占めているということが予想されるわけです。

4.まとめ

今回は、腰痛についてまとめていきました。

腰痛=椎間板ヘルニアなどの病気ではなく、もっと広い意味で捉えたほうがいいという意味で記事を書いています。

「私ヘルニアをやっているから無理できないの」

「こんなに運動をすると後で腰が悪くなるから」

日常会話で上記のようなフレーズをよく聞きます。

腰痛は、”安静”にするよりも”活動”をしている方が改善度は高いと言われています。

動く量が減れば筋肉量も減ってより腰は不安定になり、構造的な問題が強くなってきます。

これだと悪循環となり軽い腰痛から重度の腰痛になってしまいかねません。

腰痛があっても動けるのなら動いた方が後々良いことがあるということです。

病院に依存的になりすぎずに自立してトレーニングを行っていくことが腰痛患者を減らす方法の一つだと思います。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました