斜角筋のトリガーポイントは肩関節周囲炎の症状と類似し胸郭出口症候群を助長する

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どうも。

今回もトリガーポイントシリーズです。

斜角筋は頸部に存在する筋であり、前中後の3つの斜角筋に分けられます。

この斜角筋ですが、トリガーポイントが形成されると腕や背中など広範囲に痛みを引き起こします。

「この小さな筋なのにっ!?」と思いがちですが、比較的重要な筋になるため、しっかり理解しチェックできるようになっておきたいですね。

1.斜角筋とは?

斜角筋は首の両側に存在する3つの小さな筋群です。

胸鎖乳突筋の後方から、走行の順番で前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3つに分けられており、主に呼吸補助筋としての機能があります。

これらの筋は、不等辺三角形のように全て長さが違っていて、それぞれの筋は分岐していくつかの椎骨に付着し、その結果、筋線維は様々な長さになります。

トリガーポイントは、通常筋線維の途中に形成されるので、斜角筋には様々な部位に多くのトリガーポイントが存在することになります。

この斜角筋ですが、呼吸筋として機能しますが、あくまで”補助筋”でありメインで働くわけではありません。

精神的な緊張や呼吸器疾患では呼吸が浅くなることから、この斜角筋が過剰に機能してしまうことがあり、それがトリガーポイントの形成と関わってくることがあります。

また斜角筋が過剰に収縮してしまうと、付着部である肋骨を引き上げてしまう事もあります。

この場合、いくら腹式呼吸など呼吸パターンを変えようとしても、肋骨が引き下がらなくなりいつまでたっても呼吸が浅いままとなってしまいます。

斜角筋のトリガーポイントの治療を行うなどして肋骨の引き上げを解除してあげることが楽な呼吸を誘導してあげる効果的なアプローチになることも理解しておく必要があります。

2.斜角筋のトリガーポイントが形成されることで「起こり得る症状」について

斜角筋のトリガーポイントは、斜角筋自体に痛みを感じることはごくまれですが、関連部位の痛みの主要な原因となります。

大まかに、胸部・上背部・肩・腕・手と驚くほど広い範囲に痛みや痺れをはじめとする異常な感覚を引き起こします

また、時には首の後ろに痛みが生じることもあります。

図:斜角筋のトリガーポイントの場所について

図:斜角筋のトリガーポイントにより痛む部位について

斜角筋のトリガーポイントは関連するあらゆる部位に症状を引き起こすが、トリガーポイントによっては、影響を与える部位がある程度決まっています。

【例】

中斜角筋、後斜角筋の下部のトリガーポイント⇒⇒胸の痛みの原因となる

中斜角筋、前斜角筋の上部のトリガーポイント⇒⇒上腕と肩の痛みの原因となる

斜角筋は胸鎖乳突筋の奥に隠れているため、痛みの原因であるとは気づかれにくいのが特徴です。

そして、その可能性に思い至らないことが、治療に失敗する重要な要因となっています。

斜角筋による症状は誤診されやすい

●斜角筋のトリガーポイントによる上背部の痛み

⇒⇒菱形筋に原因があると誤診される

●斜角筋のトリガーポイントによる首や肩の不具合

⇒⇒神経性痙攣と誤診される

●斜角筋から胸部へと送られた関連痛

⇒⇒狭心症と誤診される

●斜角筋のトリガーポイントにより肩へと送られた痛み

⇒⇒滑液包炎や上腕二頭筋長頭腱炎と誤診される

●上腕前部および後部へと送られた関連痛

⇒⇒筋緊張の問題として判断される

●肩・腕・手に送られた痛み

⇒⇒椎骨あるいは椎間板の異常により頸部の神経根が圧迫されたために起こる問題と判断されてします

●斜角筋のトリガーポイントにより第一肋骨が鎖骨側に引き上げられ、神経や血管が圧迫される

⇒⇒胸郭出口症候群の原因となる+広範囲に症状を引き起こし手根管症候群とも誤診される可能性がある

●腕を切断した際の「幻肢痛」

⇒⇒斜角筋のトリガーポイントに起因している可能性もある

斜角筋のトリガーポイントは胸郭出口症候群の発生を助長する

斜角筋のトリガーポイントが形成されることにより、斜角筋が短縮します。

このように斜角筋が短縮すると、当然付着部である”第一肋骨”が鎖骨側に引き上げられます。

そうなると、斜角筋や鎖骨の下を走行する血管と神経が圧迫されます。

これはいわゆる、絞扼性神経障害(血流および神経の伝達の阻害)を起こす引き金となり、腕や手の痛み、腫れ、痺れ、チクチクした痛み、灼熱感を引き起こす原因となるわけです。

これは胸郭出口症候群を助長しているといえ、胸郭出口症候群に対する理学療法の一つのアプローチポイントになります。

特に肩関節周囲炎の症状と類似し誤診される

また、斜角筋のトリガーポイントによる放散痛は、肩の外側から上腕外側にかけて出現し、肩関節周囲炎の症状と類似してきます。

肩関節周囲炎と診断されてきた患者の多くは、斜角筋のトリガーポイントもしくは棘下筋のトリガーポイントが影響していることが多いです。

こちらにも肩関節周囲炎と斜角筋・棘下筋トリガーポイントの関連性について記事にしています。

今回は、四十肩や五十肩についてまとめていきます。□手が上がらない□肩が痛い□下着を後ろで止めれないなど、このような症状がある方は必見です。今回は、その肩関節周囲炎の痛みについて、効果のあるポイントを書いていきたいと思います。

3.斜角筋のトリガーポイントが形成される「原因」について

斜角筋は、頸椎と上位二肋骨に付着しています。

斜角筋は頸部を安定させたり動かしたりするが、主な働きは、息を吸ったときに両側の上位二肋骨を引き上げること(第一肋骨と第二肋骨)にあります。

斜角筋のトリガーポイントが形成される原因①「極度に激しい運動」

息を吸うときにはもちろんですが、激しい動きをして呼吸が荒くなった場合には、極度に激しく動きます。

横隔膜ではなく胸で呼吸するのが習慣になっていると、斜角筋に負担がかかります。

常に100m走を行った後のような呼吸パターンや常に過呼吸のように呼吸頻度が多く、呼吸が浅い人は、高確率で斜角筋のトリガーポイントが形成されているということになります。

斜角筋のトリガーポイントが形成される原因②「精神的緊張」

精神的に緊張しやすい人は、斜角筋にトリガーポイントがあることが多い傾向にあります。

これも同じような内容になりますが、基本的には「呼吸」と関連があります。

精神的緊張が強い=呼吸が浅くなる

わけですから、以下のような方程式が成り立ちます。

精神的なストレスが強い場合は呼吸が浅くなる

=斜角筋が過度に働く

=斜角筋のトリガーポイントが形成される

斜角筋のトリガーポイントが形成される原因③「呼吸器疾患」

喘息や肺気腫の患者は呼吸が容易に出来ず、斜角筋のトリガーポイントを悪化させます。

肺炎、気管支炎、アレルギー、一般的な風邪などによる悪質の咳も同様です。

呼吸器系の疾患を引き起こすと、ほぼ確実に「咳症状」を併発します。

咳は「瞬時に呼吸を吐き出し、続いて瞬時に息を大きく吸い込む運動」になります。

つまり咳が慢性的に続けば呼吸補助筋である斜角筋が過度に緊張することに繋がってくる訳ですね。

4.まとめ

今回は、斜角筋のトリガーポイントについてまとめていきました。

斜角筋のトリガーポイントの症状から、トリガーポイントが形成される原因について網羅することで斜角筋の問題点が理解できたと思います。

斜角筋は呼吸補助筋であり、解剖学上存在が小さくても、人が生活を送る上では非常に重要な役割を果たす筋であることがわかりました。

肩関節周囲炎や胸郭出口症候群のリハビリにはこの斜角筋の問題を一つの評価項目に取り入れてみると思っているよりも、この斜角筋の問題がひっかっかってくると思われます。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!