上腕筋のトリガーポイントは肘の伸展制限や親指の痛みの原因となる

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どうも。

今回もトリガーポイントシリーズです。

上腕筋は、上腕二頭筋の裏に存在しており、少し影の薄い存在になります。

作用としては、肘の屈曲に働きます。

尺骨に付着を持つため、前腕の回内外の動きに左右されずに、前腕回内外に関わらず肘の屈曲に作用することになります。

この上腕筋ですが、トリガーポイントが形成されると肘の伸展制限を来したり、母指に痛みを送ることになります。

今回はそんな上腕筋のトリガーポイントについて紹介していきます。

1.上腕筋について

上腕筋は上腕二頭筋とともに”肘を屈曲する筋肉”になります。

逆にいうと、上腕筋の機能障害により、肘の伸展制限を引き起こす可能性も出てきます。

上腕筋は上腕二頭筋よりも深層にある筋肉であり、上腕二頭筋の後ろに重なるように存在します。

上腕筋の走行ですが、上腕骨の遠位1/3から起こり尺骨粗面に付着します。

神経支配も上腕二頭筋と同じく筋皮神経です。

ほとんどの機能が上腕二頭筋と類似していますが、唯一付着部が違ってきます。

上腕二頭筋は、橈骨に付着部を持つのに対し、上腕筋は尺骨に付着を持ちます。

そのため、上腕二頭筋は前腕の回内外によって収縮力に差が出てきます

※前腕の回内外は橈骨の動きによって起こるため

そのため、上腕二頭筋と上腕筋の収縮を区別したい場合は、前腕回内位で肘屈曲させることで上腕筋が優位に収縮することになり、触知しやすくなります。

※上腕二頭筋は前腕回外で収縮力が上がり、回内位で収縮力が低下するため

図:上腕筋の解剖

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 を一部改変し引用

2.上腕筋のトリガーポイントにより起こり得る「症状」

上腕筋のトリガーポイントは、手や前腕の痺れや痛みの原因になるといわれています。

上腕二頭筋に隠れるようにして存在しているため、問題が表在化しにくく、原因のわからない痛みに長年悩まされる可能性があります。

上腕筋のトリガーポイントに該当する領域の痛みが長く続いている場合は、上腕筋への介入を検討してみるのも一つかと思います。

図:上腕筋にトリガーポイントについて

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 を一部改変し引用

①母指付け根の痛み

上腕筋のトリガーポイントは、主に母指付け根の痛みの原因になります。

母指周囲が痛いのに、揉んでも押しても痛みの部位が特定できない場合や、あまり痛みに変化がない場合は、上腕筋のトリガーポイントが形成され、母指に痛みを送っている可能性があります。

②肘伸展制限

上腕筋は肘の屈筋になります。

つまり、上腕筋にトリガーポイントが形成され、機能障害を引き起こすと肘の伸展制限が生じる可能性があります。

また、肘を真っすぐにすることが困難になることで、肩前面と肘窩の屈曲線において何らかの痛みを感じる可能性も出てきます。

③上腕外側に痛みやハリ感が生じる

上腕筋のトリガーポイントは、母指周囲の痛みだけでなく、肘付近の上腕外側に、圧迫感のある疼きか張りを感じることがあります。

④橈骨神経様の症状

先述しましたが、

上腕筋を通る橈骨神経の圧迫によって、母指と前腕背側に疼きまたは痺れを生じることがあります。

つまり上腕筋のトリガーポイントが形成されることで、橈骨神経にも支障をきたし、橈骨神経領域に神経症状を引き起こす可能性があるということです。

このように、母指領域の関連痛を認める場合は、母指周囲に痛みを送る上腕筋と斜角筋のトリガーポイントを疑うべき筋としてピックアップする必要があります。

3.上腕筋のトリガーポイントが形成される「原因」について

上腕筋は肘の屈筋であり、日常生活で肘を屈曲することは思っているよりも多いものです。

特に前腕回内位で肘を屈曲するような動作を頻繁に行う場合、上腕筋にトリガーポイントが形成されやすい傾向と言えます。

※上腕二頭筋は回外位で収縮力が高まるため、反対の回内位では収縮力が低下する。そのため、上腕筋への負担が増大するため。

①重いものや子供を抱っこする

上腕筋には、重い袋や赤ん坊を運ぶ、子供を持ち上げる、またはバックを腕にかけて運ぶなどで、過度の負担がかかります。

常に収縮させておくことが非常にネックになり、トリガーポイントが形成を助長する行為になります。

子供を抱っこするなどは、一定時間上腕筋を収縮させてしまう事が予想され、子供を抱っこしてから母指が痛くなることや肘に違和感が生じる場合は、上腕筋のトリガーポイントが形成されている可能性があります。

②デスクワーク

コンピューターのキーボードを1日中使用するような仕事は、両腕の上腕筋を持続的に収縮させます。

そのため、コンピューターユーザーのほとんどが、上腕筋にトリガーポイントが形成されています。

③音楽関係の活動をされている場合

楽器の重さを常に支えて演奏するオーボエやクラリネット、サックスの奏者は、右母指の慢性痛と痺れが出現しやすいです。

母指に痛みを感じるため、母指に問題があると考えがちだが、実際は演奏中、楽器の重さをずっと支え、短縮している上腕筋に問題があるということになります。

4.まとめ

今回は、上腕筋のトリガーポイントについてまとめていきました。

上腕筋は母指や肘の痛みの原因として隠れたポイントになると思います。

上腕二頭筋の外側のエッジから指を滑り込ませ、軽度肘屈曲位にして前腕の回内外運動を行わせることで、滑り込ませた指で上腕筋を触知することが出来ます。

この前腕の回内外を行うたびに、滑り込ませた指の部分が痛くなるないし、放散痛を認める場合は上腕筋にトリガーポイントが形成されていることを示唆します。

これはセルフでも十分可能なポイントになるため、セルフトレーニングの指導などにも活用できますよ。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!