膝内側部痛と縫工筋のトリガーポイントとの関連性について

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トリガーポイント
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今回は縫工筋のトリガーポイントについてです。

 

縫工筋は骨盤の前面に付着しており、大腿の前面を通り、膝の内下方に付着します。

この縫工筋ですが、身体で最も長い筋肉と言われています。

「仕立て屋」というラテン語源であり、昔、仕立て屋がしばしば足を組んで仕事をしていたことからきているようですね。

 

この縫工筋ですが、トリガーポイントとしては認知度はさほど高いようにないと思います。

ですが、膝の痛みや大腿内側部の感覚障害などど関わりがあり、臨床でよく経験する症状と関連している可能性があります。

 

今回はそんな縫工筋のトリガーポイントについてまとめていきます。

 

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1.縫工筋について

●縫工筋は骨盤の前面にある”上前腸骨棘”に付着して下行し、大腿の前面で交差して内側に向かい、膝内下方(脛骨で鵞足)に付く

●足を組む姿勢には、縫工筋の強い作用が必要となる

●縫工筋の走行上、”股関節屈曲・外転・外旋および膝関節屈曲・内旋”の作用がある

●縫工筋は、結合組織の帯により数か所で分割されているため、筋組織が短くなっている

●各部位の筋には独自のふくらみがあり、筋のどの位置でもトリガーポイントを形成する可能性がある

●縫工筋は、薄筋や半膜様筋と同様に鵞足に付着し、これらの筋にストレスがかかると鵞足炎となる

●また縫工筋は伏在神経の絞扼部位の一つとされており、膝内側や下腿内側の感覚障害の原因となり得る

図:伏在神経と縫工筋の関係性

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 [ 坂井 建雄 ]一部改変し より引用

 

2.縫工筋のトリガーポイントによる症状について

図:縫工筋のトリガーポイントについて

誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方 筋の基礎からセルフトリートメントまでより一部改変し引用

 

●縫工筋のトリガーポイントは、局所的な痛みを起こします

※痛みは上前腸骨棘から大腿前面に向かい膝内側に回り込む軌道上のどこでも起きる可能性がある

●筋膜痛を代表するような深い痛みではなく灼熱感またはヒリヒリする感覚が感じられる

※深層組織よりも表層に症状があるように感じる

●座位で症状が寛解し、立位で症状の悪化を招く

※立位では筋緊張を維持するため、トリガーポイントの症状を悪化させる

●膝内側は圧に対して過敏になるため、膝を重ねて横になると不快感を覚え、膝関節に何か問題があるのではないかという誤解に繋がる

●縫工筋による知覚神経の圧迫は、大腿外側の前面の皮膚に、表層の灼熱痛、痺れ、かゆみ、ヒリヒリ感を生じる

※伏在神経由来の症状や、閉鎖神経領域の感覚障害と類似した症状を引き起こす可能性あり

 

3.縫工筋のトリガーポイントを作り出す”原因”について

縫工筋は股関節の運動および膝の運動と関連します。

つまり下肢の動きに伴って縫工筋は大体連動して収縮ないし伸長されています。

ということは、単純な動きでも縫工筋にトリガーポイント形成が起こっている可能性が考えられるわけですね。

 

●足を地につけて突然、勢いよく捻る動きをすると、縫工筋のトリガーポイントが生じる

※”急に”とか”捻り”などがキーポイントで、縫工筋にストレスがかかるわけですね

※転倒も縫工筋のトリガーポイント形成に関連します(足を捻じりながらの転倒など…)

●あぐらや割座などを長時間維持したり、座位または睡眠中に足を上げ続けることは、縫工筋のトリガーポイントを発達させる恐れがある

●筋が緊張したり冷えているときに、極端な股関節の伸展を引き出す運動を行うと縫工筋のトリガーポイントが活性化する可能性がある

※冬の時期に準備運動もせずに急にスポーツを行うなど

※また急に大股で歩いたり走ったりするなども縫工筋のトリガーポイント活性化を助長しますね…

 

 

実際にトリガーポイントに対してアプローチする場合はこれらのような器具を用いると楽にかつ深く刺激することが可能です。

 

 

4.まとめ

今回は縫工筋のトリガーポイントについてまとめていきました。

縫工筋と言えば、鵞足炎をイメージすると思います。

が、トリガーポイントの世界では大腿前面や内側面の感覚障害との関連性も指摘されており、縫工筋に対する視点が大きくなりました。

 

膝の内側部痛や大腿内側部の違和感などを訴える場合、初見では閉鎖神経の問題や伏在神経内氏大腿神経の問題を考えていきがちですが、

意外と縫工筋のトリガーポイントが関与していることもあるわけですね。

トリガーポイントの場合は、直接筋に対し圧刺激を加えていき、放散痛や疼痛の再現が得られるかが評価のポイントになります。

つまり、比較的容易に取り入れることが出来るというわけです。

 

今後、上記症状がある場合は、縫工筋のトリガーポイントもチェックしていきたいですね。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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