どうも。
今回もトリガーポイントシリーズです。
今回紹介するトリガーポイントは「三角筋」になります。
三角筋は肩関節を覆う表層の筋になります。
この三角筋のトリガーポイントが形成されると、肩周囲に痛みを生じるようになります。
トリガーポイントは基本的に離れた場所に痛みを引き起こすものですが、この三角筋の場合は、三角筋上に痛みを引き起こすことが特徴的です。
それでは以下に説明していきます。
1.三角筋について
三角筋は、肩をキャップのように包む筋になります。
三角筋は1つの筋ですが、部位により三角筋前部・三角筋中部・三角筋後部と3つの線維に分けられます。
三角筋は、鎖骨、肩甲棘、肩峰、肩甲棘下縁、上腕骨の三角筋粗面に付着しており、棘上筋と共に、腕をあらゆる方向に(前・後ろ・横)に動かす機能を果たしています。
図:三角筋の解剖について
三角筋の機能は、下肢でいう中殿筋と同じような作用になります。
中殿筋も前部・中部・後部の3つの線維に分かれています。
2.三角筋のトリガーポイント症状により起こり得る症状について
三角筋のトリガーポイントにより症状についてです。
症状と特徴について述べていきます。
三角筋のトリガーポイントに放散痛はない
三角筋のトリガーポイントの症状は特徴的で、痛みを離れた場所ではなく、トリガーポイントのある部位あるいはその付近に発症させるのが特徴になります。
三角筋のトリガーポイントは「動作時痛」がメインで安静時は特に症状は認めない
三角筋が原因となって生じる痛みは、主に腕を休ませているときよりも動かしたときに感じられます。
対照的に、他の場所から三角筋に送られた痛みは、常時、あるいは他の筋の動きと連動して発現するようになります。
三角筋のトリガーポイントは背景にメインのトリガーポイントが他に形成されていることがほとんど
三角筋のトリガーポイントは自発的に形成されることがなく、また、ほとんどの場合、肩の痛みの元凶になることもありません。
大抵は、斜角筋・大胸筋・回旋筋腱板のサテライトトリガーポイントとして形成され、これらの筋から三角筋(前・中・後部)へと痛みが送られます。
三角筋のトリガーポイントの症状その①「肩関節周囲筋の筋力低下」
三角筋に形成されるトリガーポイントの影響で肩を弱化させ、腕を上げる能力にダメージを与えます。
つまり、筋力・筋出力低下による肩関節の可動範囲の低下をきたすわけです。
三角筋のトリガーポイントの症状その②「肩の痛み」
前述しましたが、三角筋のトリガーポイントは他の部位に痛みを送るわけではなく、三角筋上に痛みを引き起こします。
つまり「肩が痛くなる」わけです。
図:三角筋のトリガーポイントについて
3.三角筋のトリガーポイントが形成される「原因」について
三角筋が単体で生じるトリガーポイントはさほど多くはありません。
他の筋からのトリガーポイントが三角筋のトリガーポイント形成を助長します。
三角筋のトリガーポイントが形成される原因①「繰り返す肩の屈曲運動」
肩関節に屈曲を要する運動は、三角筋に過剰な負担をかけます。
水泳、スキー、ウェイトリフティング、ボールを使ったスポーツなどが顕著な例となります。
職場では、重いものを持ち上げる作業や、背伸び、手を伸ばす、身体を反らすなどの行動の繰り返しが三角筋の疲労の原因となります。
重いものを持ち上げたり運んだりする作業の際、腕を関節窩から脱臼しないようにするために、三角筋に過剰な負担がかかっている。
また、乳児や小さな子供を抱き上げる動作は、三角筋およびほかの肩の筋にダメージを与えます。
三角筋のトリガーポイントが形成される原因②「デスクワーク」
キーボードの位置が高すぎると三角筋に負荷がかかります。
人間工学的に言えば、肘を脇に付けキーボードを肘と同じ高さに保つのが望ましいです。
できる限り肘を支え、ひじ掛けのない椅子は避けることが肝要になります。
三角筋のトリガーポイントが形成される原因③「外傷」
三角筋は捻挫、衝突、腕を引っ張るなどの事故によってもダメージを受けます。
肩に衝撃を与える損傷は、三角筋のトリガーポイントを活性化する可能性があるため注意が必要です。
仮に、外傷後になかなか肩の痛みが取れない場合は、三角筋や腱板筋(ローテーターカフ)のトリガーポイントを疑います。
4.まとめ
今回は三角筋のトリガーポイントについてまとめていきました。
三角筋のトリガーポイントは他の筋のトリガーポイントのように遠く離れた部位に痛みを引き起こすわけではなく、三角筋そのものに痛みを引き起こします。
また、三角筋単体でのトリガーポイント形成の可能性は低く、かりに三角筋のトリガーポイントが発見された場合は、メインのキートリガーが形成され、そこからの影響で三角筋にトリガーポイントが発現している可能性が非常に高くなります。
基本的には、肩周囲のキートリガーは斜角筋や棘下筋などが挙げられます。
三角筋と合わせて棘下筋を含むローテーターカフや斜角筋のチェックも行うとしっかり痛みのチェックが行えるようになってきます。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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