肩甲下筋のトリガーポイントにより肩が挙がらなくなったり肩の後ろが痛くなる

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トリガーポイント
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どうも。

今回もトリガーポイントシリーズです。

肩甲下筋にトリガーポイントが形成されると、肩の挙上制限や肩後部の痛みを引き起こします。

 

肩甲下筋そのものは、肩甲骨の前面に広く存在しています。

肩甲骨の前面といっても、肩甲骨自体が生体の背部に存在するため実際には肩甲骨と胸郭(肋骨)の間に存在しているといった感じになります。

 

肩甲下筋も棘上筋や棘下筋と同様にローテーターカフのうちの一つであり肩関節の安定化に寄与しています。

 

今回はそんな肩甲下筋のトリガーポイントについて紹介していきます。

 

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1.肩甲下筋とは?

肩甲下筋は力の強い筋で、肩甲骨の前面に位置します。

実際には、肩甲骨と肋骨の間に挟まれているような位置関係になります。

 

肩甲下筋の機能としては、上腕上端に付着し、腕を内旋させるのを補助します。

また、棘上筋や棘下筋と協働して、肩関節を安定させ、上骨頭を関節窩中央に収める働きもしています。

図:肩甲下筋の解剖

 

肩甲下筋は肩の痛みの問題の原因であることが非常に多く、また広背筋と並んで肩関節の挙上制限の一因子に挙げられます。

特に、肩関節周囲炎の場合、肩甲下筋のトリガーポイントの処置が回復のカギとなってきます。

 

ちなみに、肩甲下筋は、肩甲骨と肋骨の間に存在し、肩甲骨の内側深くに埋もれているため、触知することは困難に感じると思います。

しかし、肩甲骨の動きさえ引き出せれば、肩甲下筋の外側部に関しては触知可能です。

 

 

2.肩甲下筋のトリガーポイントにより起こり得る「症状」について

肩甲下筋にトリガーポイントが形成されると、肩の痛みや可動域制限を引き起こします。

 

また、肩甲下筋のトリガーポイントに起因する「疼痛」や「可動域制限」は、

滑液包炎、関節炎、上腕二頭筋腱炎、腱板損傷、癒着性関節包炎などと間違えらえることがあります。

 

症状その①「肩関節後部の深部痛」

肩甲下筋のトリガーポイントの主な症状は、肩の後ろの深部痛が挙げられます。

この痛みは、上腕まで波及することもあります。

 

症状その②「手首の痛み」

肩甲下筋のトリガーポイントによる症状として、手首の後ろに痛みが発現することもあります。

肩関節周囲炎と診断がおり、介入した際に、手首の痛みも訴えている場合は、肩甲下筋のトリガーポイントを疑います。

 

 

症状その③「肩関節の轢音」

肩関節をスムーズに自由に動かすためには、ローテーターカフがしっかり機能しなければなりません。

肩甲下筋がトリガーポイントによって機能不全を引き起こせば、棘上筋が上腕骨を引き上げてしまい関節の適合性が低下します。

 

結果的に、関節の適合性が低下した状態で関節を動かすために轢音が生じやすくなります

※この関節の轢音の話は以前の「棘上筋のトリガーポイント」の記事でも紹介しています。

棘上筋のトリガーポイントは肩関節周囲炎と関連している可能性がある
棘上筋は片のインナーマッスルとして機能しており、肩の安定化に寄与しています。この棘上筋にトリガーポイントが形成されると、肩外側の痛みや肘まで痛みが波及します。また肩の安定化に寄与する筋であることから、トリガーポイントが形成され筋機能不全を引き起こされると肩の運動時に轢音が生じる原因になることもあります。「肩がしっかりはまっていない感じ」などの訴えがある場合、棘上筋にトリガーポイントが形成されている可能性があります。

 

このように、肩を回したときに轢音がする場合は、肩甲下筋か棘上筋、もしくはその両方にトリガーポイントがある可能性があります。

 

症状その④「肩関節の可動域制限」

トリガーポイントによって肩甲下筋が弱くなると、棘上筋が上腕骨から引き上げられて肩峰につかえてしまいます。

つまり、肩甲上腕関節の正常な動きが阻害されるということです。

 

このように、肩甲下筋にトリガーポイントが形成されると、関節運動が正常に行われなくなり、結果的に肩の可動範囲や腕の回旋が制限されることになります。

 

具体的には、腕を頭上に上げたり(挙上制限)、交差させたり(回旋制限)、背中に回してみたり(結帯動作)することが困難になるわけです。

 

 

 

3.肩甲下筋のトリガーポイントが形成される「原因」について

肩甲下筋のトリガーポイントが形成される原因については、基本的に外傷や不動、過活動の3つに分けられます。

どれも基本的なことですが、肩の安定化に寄与している筋だからこそ、こういった積み重ねの刺激でトリガーポイントが形成されるということですね。

 

原因①「転倒などの肩に強い負荷がかかること」

肩甲下筋のトラブルの原因として最も多いのが、

転倒などにより、急激な負荷が肩にかかることで生じます。

 

原因②「長期間の固定などによる不動」

「骨折の治療のために長時間肩を動かせない」といった不動の状態を長い間続けていると、肩甲下筋のトリガーポイントを助長させます。

 

例えば、脳卒中で腕が動かせなくなった場合にも、肩甲骨周囲の動きが制限され、徐々に肩甲下筋にトリガーポイントが形成されることになります。

 

原因③「過剰な関節運動」

エクササイズやスポーツで無理をしてしまうのも肩甲下筋のトリガーポイントを形成する原因となります。

水泳やテニス、野球など上肢を酷使するようなスポーツでは特に肩甲下筋に負担をかけていることが予想されます。

 

 

4.肩甲下筋のトリガーポイントに対する「治療」について

肩甲下筋のトリガーポイントに対する治療法ですが、肩甲下筋に直接コンタクトしてリリースを行っていきます。

良く起こる肩甲下筋のトリガーポイントは、肩甲骨の外縁付近に形成されているため、直接コンタクト可能になります。

 

図:肩甲下筋のトリガーポイントの位置と症状について

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 を一部改変し引用

 

 

ポイントは、肩甲骨を上方回旋および外転させることにあります。

肩甲骨が外側に移動することで、肩甲骨の前面に存在する「肩甲下筋」を触れやすくなるためです。

普段は肋骨と肩甲骨の間に隠れている肩甲下筋は、このように肩甲骨を外側に移動させることで触れるようになります。

 

そのためのポイントは、「上肢の挙上」「上肢の内転」の動きを入れることになります。

 

具体的な治療方法は以下の記事で以前紹介しているため良ければご覧ください。

肩関節周囲炎の可動域制限~この筋肉をチェックしよう~
今回は、四十肩や五十肩(肩関節周囲炎)の可動域制限についてまとめていきます。上記の症状としては、□手が上がらない□肩が痛い□下着を後ろで止めれないなどが挙げられます。前回の記事でも書いた肩の痛みと同じかそれ以上に肩の可動域制限は訴えの多い症状になります。今回は、その肩関節周囲炎の可動域制限について効果のあるポイントを書いていきたいと思います。

 

5.まとめ

今回は肩甲下筋のトリガーポイントについて紹介していきました。

肩甲下筋は一見触れない筋と思いがちですが、ポイントさえつかめば触知することが可能です。

そして、意外と触れることがないため、結構な確率でトリガーポイントが形成されています。

肩甲下筋を触知して肩の後部に効く感じがするとか、手首まで痛みが波及する場合は、しっかり肩甲下筋をほぐしていきましょう。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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