どうも。KABOSUです。
あけましておめでとうございます。
本年も「身体のことについて」をテーマに記事を更新していきます。
本年最初の内容は
「膝の痛みについて」
となります。
膝の痛みは様々です。
変形性膝関節症や半月板損傷、靱帯損傷などなど・・・
様々な疾患によって膝の痛みは引き起こされます。
今回は、その膝の痛みの問題をもっと掘り下げて考えていきたいと思います。
「病院の先生から膝が変形しているから膝が痛いんだよって言われた」
などよくある一面かと思います。
確かに間違いではないですが、”変形”っていうと絶望的に感じられますよね。
変形してても膝が痛くない人もいます。
この変形と痛みをイコールで結んでしまうと治る痛みも治らなくなります。
こういった部分の問題を今回は記事にしていきたいと思います。
1.膝の痛みと大腿四頭筋の関係性
2015年に行われた研究で、”大腿四頭筋の筋力”と”膝の痛み”との関連を明らかにする研究がおこなわれています。
その研究により、
「大腿四頭筋筋力は肥満や変形性膝関節症の重症度と独立して膝の痛みに関与している」
という結果が出ました。
研究内容についてはこちらをご参照ください。
この結果から、膝の痛みと大腿四頭筋の筋力の関係性がはっきりしたことになります。
つまり「大腿四頭筋を鍛えていけば膝の痛みは抑えることが出来るよ」ってことです。
逆に言えば「大腿四頭筋の筋力が落ちると膝が痛くなってきますよ」ってことになります。
また、この研究では、
「大腿四頭筋の筋力と膝の痛みとの有意な関連は、X線撮影による膝のOAとは無関係であった」
とされています。
つまり、大腿四頭筋の筋力と膝の痛みの関連はあってもそこに膝の変形は関係がないってことになります。
要するに、「膝の変形があれば膝の痛みを必ず伴うわけではない」という意味にも取れることがわかります。
結局のところ、大腿四頭筋を鍛えることは膝の痛みを軽減させるし、長い目で見て膝の変形の有無にも好影響を与えるということになります。
かなり簡単に言うと、
「大腿四頭筋を鍛えることは、健康な日々を送るために非常に大切なことである」
ということです。
2.大腿四頭筋とは?
大腿四頭筋の筋力と膝の痛みの関係性は分かったと思いますが、
実際に「大腿四頭筋とはどんな筋肉なのか」を説明します。
3D解剖学を一部改変して引用
大腿四頭筋はどこにある?
大腿四頭筋は太ももの前にある筋肉です。
名前の通り、4つの筋肉で構成されています。
●大腿直筋
●内側広筋
●外側広筋
●中間広筋
この中で大腿直筋のみ”二関節筋”といい、骨盤に付着して股関節の動きにも関与します。
その他の3つの筋肉は膝関節の動きのみに関与します。
大腿四頭筋の働きは?
大腿四頭筋が収縮により、膝が伸びます。
「立っているときに膝折れが起きないように止めている筋肉」
でもあります。
また、大腿四頭筋はハムストリングス(太ももの裏の筋肉)と共同して膝のコントロールに関与しています。
ハムストリングスが膝を曲げる筋肉であるため、お互いが膝の曲げ伸ばしを微妙にコントロールし膝のバランスをとっています。
他にも、大腿四頭筋は「ブレーキの筋肉」であると言われており、”止まる”などの動きで働きます。
※対になっているハムストリングスが「アクセルの筋肉」と言われている
山登りなんかでは下りの方がきついといわれていますが、これは大腿四頭筋のブレーキの作用が強く働くためと言われています。
3.大腿四頭筋の筋力トレーニングについて
これまでの内容で「大腿四頭筋の筋力と膝の痛みの関連性」と「大腿四頭筋とはどんな筋肉」かをわかってきたでしょうか?
最期に大腿四頭筋の筋力トレーニングをいくつか紹介して終わろうと思います。
方法①スクワット
スクワットは大腿四頭筋の筋力を強化するための代表的なトレーニングになります。
スクワットによって鍛えられる筋肉は、大腿四頭筋以外にも多くの筋肉が挙げられます。
【トレーニング効果が期待できる筋肉】
●大腿四頭筋
●ハムストリングス
●大殿筋
●体幹筋
ただし、方法を間違えると膝の痛みや腰の痛みが出現し、かえって状態を悪化させてしまいます。
スクワットの具体的な方法についてはこちらをご覧ください。
~正しいスクワットで痛み改善~膝の痛みや腰の痛みにはスクワットが有効
方法②パテラセッティング
パテラセッティングは変形性膝関節症患者の方なんかに良く取り入れられるリハビリメニューになります。
大腿四頭筋の筋力トレーニングとなると、大きく膝の曲げ伸ばしを行うイメージがありますが、それでは粗大な筋しか働きません。
もちろん粗大な筋が働くことで膝の痛みも軽減するわけですが、同時に緻密な動き、つまりパワーではなくて安定性に関与する筋も働くことが重要になります。
そういった点では、
パテラセッティングは膝関節の最終伸展域でのトレーニングになり、膝の安定化に特に重要な内側広筋の収縮が得られるため膝を総合的に考えた時に必須なトレーニングメニューの一つになります。
ただし、過負荷をかけれないという点がデメリットになります。
それを補うためにもトレーニング方法としては、
等尺性収縮と言って、ある一定時間筋肉を収縮させるトレーニング方法を推奨します。
「膝下にあるボールを一定時間押し続ける」ということですね。
時間設定は様々ですが、最大収縮を5~10秒間持続的に行い、一度力を完全に抜いてから再び最大収縮を5~10秒間行うといった形が最適かと思います。
方法③レッグプレス
これは機械を用いた大腿四頭筋の筋力トレーニングになります。
たいていのスポーツジムなんかにも置いてます。
レッグプレスの方法に関しては、
こちらのPOWER-HACKSというブログを運営している斉藤さんという方が書かれている記事に詳しく書かれていますので引用させていただきます。
4.まとめ
今回は膝の痛みと大腿四頭筋の筋力の関係性についてふれていきました。
膝の痛みなんかは人生の中で何度も経験するものだと思います。
その度に大腿四頭筋の強化をしないといけない!と思い返すようにしていきたいと思います。
また、今回あえて書かなかったのですが、膝の痛みを考える際、短絡的に大腿四頭筋の問題だと決めつけるのは少し違うとは感じました。
膝の痛み=大腿四頭筋の筋力低下
から
膝の痛み=大腿四頭筋の筋力低下を起こしている原因
と考えたほうが根本的な解決になると思います。
大腿四頭筋が働きにくい環境にあるのにいつまでも大腿四頭筋の筋力トレーニングだけしてても非常に効率が悪いだけですもんね。
例えば拮抗筋であるハムストリングスの短縮があるとか姿勢の問題(上半身の位置関係)だとか・・・様々な事が身体には起きます。
なので、膝が痛いからといって大腿四頭筋のトレーニングをしても何ら変化がないときはもっと違う問題があると思って考え方を変える必要があると思います。
1つの考え方として、こういった関連性もありますので興味があればご覧ください。
【膝の痛みと胸郭の関係性】胸郭の可動性低下が膝の痛みを引き起こす
それでは本日はこの辺で。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント