どうも。
kabosuです。
今回は
アナトミートレインについて
書いていきます。
今回は、外側線(ラテラルライン)についてまとめていきたいと思います。
まずアナトミートレインについてよくわからない方はこちらの記事をご覧ください。
さて、このラテラルラインですが、身体の両サイドを走行しています。
故に身体の姿勢をコントロールする機能を有します。
以下の症状がある方は最後まで読んでみることをおススメします。
□姿勢が悪い
□身体がゆがんでいる?
□膝や腰が痛い
□首や肩が痛い
1.ラテラルラインの概要
ラテラルライン(外側線)は、身体の両側を走るラインです。
足の内側部と外側部のそれぞれの中点から起こります。
足根関節の外側面を回り、下肢の外側面を上行します。
体幹では、”編み籠”状のパタンを示し、耳のレベルで頭蓋にいきます。
【対象となる筋】
□腓骨筋、外側下腿区画
□前腓骨頭靱帯
□腸脛靭帯
□大腿筋膜張筋、中殿筋、大殿筋
□腹斜筋の外側部
□肋間筋(内・外)
□頭板状筋、胸鎖乳突筋
2.ラテラルラインの機能
外側線は姿勢では前後のバランスを取ります。
両側が働くと、左右のバランスを取る作用をします。
その他、浅前線・浅後線・腕線・ラセン線の間で力の伝達を行います。
運動機能としては、
ラテラルラインの働きにより、体幹の側屈・股関節の外転・足部の外反など、身体の側屈を起こすことに関与しています。
また、体幹の横振り運動と回旋運動を調整する”ブレーキ機能”も果たしています。
3.ラテラルラインと関連のある経絡は”胆経”
アナトミートレインは東洋医学の「経絡」と走行が似ていると言われています。
そして、今回紹介するラテラルラインと関連のある経絡は「胆経」になります。
図:ラテラルラインと胆経
この胆経ですが、”肝経”と関連しています。
胆経は肝経とセットであり、東洋医学では胆経と肝経は”木”で表されます。
経絡との関わりがあるということは、胆経の不調によっても、このラテラルラインに異常をきたす可能性があるってことです。
つまり、内臓からの影響も考えられるってことですね。
アナトミートレインと経絡の関連について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
4.ラテラルラインに対するアプローチ方法
では、実際にこの深前線へのアプローチはどのようにしていくのか?
その辺をここでまとめていきます。
①首や肩の痛みに対する考え方
ラテラルラインは頸部では、
胸鎖乳突筋と頭板状筋が胸郭からの連結で走行します。
図:ラテラルライン(胸鎖乳突筋と頭板状筋の走行)
アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線より引用
この両筋は、X字のパターンを示します。
要するに胸鎖乳突筋と頭板状筋が交差するということです。
X字に交差して走行しているということは、頭部と胸郭の関係性はこのX字のバランスによって安定化が図れているとも言えます。
このX字のバランスが崩れた状態の代表例として、
頭部前方突出姿勢(Forward Head Posture)
が挙げられます。
要は”顎が出た姿勢”ですね。
姿勢が悪い人の典型です。
この頭部前方突出姿勢の場合、
胸鎖乳突筋が短縮位となり、板状筋が伸長位となり筋活動の不均衡が生じます。
この不均衡が生じた時、後方の線維である”肩甲挙筋”も頭板状筋と協同して本来のラテラルラインに入っていないにもかかわらず働いてしまうようです。
確かに頭板状筋だけでは前方にずれてしまった頭部を支える力はないですよね。
そして、この不均衡によって肩甲挙筋の遠心性収縮が生じ肩甲骨付着部に痛みを訴えるようになるといった悪循環を起こします。
さらに肩甲挙筋はアームライン(深後腕線)の一部であるため、この不均衡が慢性的に続けば上肢への影響も十分に考えられるわけですね。
ここまでで、
ラテラルラインからみた”頭部前方突出姿勢”に対するアプローチに関しては、
X字のバランスを改善するため、胸鎖乳突筋のストレッチ及びリリースが第一優先になってきます。
当然、そのほか後頭下筋群のリリースや頸部の屈筋(深層)のエクササイズも必須になってきます。
②歩行に対する考え方
ラテラルラインは腓骨筋-腸脛靭帯-中殿筋(大腿筋膜張筋・大殿筋)といった連結です。
大腿筋膜張筋は置いといて、
中殿筋や大殿筋は歩行時に重要な働きをします。
大殿筋は立脚初期に筋活動があります(踵接地から足底接地)。
中殿筋は立脚中期に筋活動があります(足底接地から踵離地)。
そして、腓骨筋は主に足部外反の運動を起こします。
ここで考えないといけないのが、
片麻痺の方など、足部内反が強調してしまう人はラテラルラインの機能低下が起きやすいのではないか?
ということです。
この仮説で考えていくと、
歩行中、踵接地時に足部の外反が出なければ立脚初期から中期にかけて骨盤のスウェーが起こることが予想されます。
そのため、骨盤がぶれているからといって中殿筋のトレーニングなどといった
イコールで結ぶことが安易な考えになることが考えられます。
もしも、歩行中に「中殿筋が効いていないなー」と思ったら
足部の外反運動も評価してみると意外と関連性があるかもしれません。
そこで腓骨筋の弱化もあるのであれば、足部のアライメント修正からアプローチしたほうが効果は高くなる可能性が出てきますよね。
③姿勢に対する考え方
ラテラルラインは姿勢に大きく関与するラインです。
冒頭の方でも書きましたが、
ラテラルラインは姿勢では前後のバランスを取る。
両側が働くと左右のバランスを取る作用をする。
というように前後左右のバランスをとっていることがわかります。
私が姿勢をみるときラテラルラインが効いていないなと判断する要素としては、
骨盤のスウェーです。
歩行に関する所でも書きましたが、立位姿勢でも骨盤がスウェーというか片側にシフトしてしまっている状態が見られます。
よく、片方の足に荷重をかけてだらしなく立っているような人なんかはその典型ですね。
このように側方にシフトしてしまっている方の骨盤-下肢は、
相対的に”股関節は内転位”になっています。
そうなると、股関節外転筋である中殿筋は常に遠心性収縮をする羽目になり収縮能力を失います。
そして、ラテラルライン自体も機能しなくなってしまいます。
上記の内容から、立位姿勢でラテラルラインを評価する際は、
「立ち方(側方シフトがないか)」
を見るべきです。
そして、問題があるのであれば、中殿筋のみならずラテラルライン全体を評価し、弱化しているもしくは固くなっている組織に対しアプローチをしていきます。
姿勢の維持にはこのラインも関わってきます。
5.まとめ
今回は、ラテラルライン(外側線)についてまとめていきました。
見直して分かったんですが、
ラテラルラインはX字を形成している部分が多いですね。
腹部:内腹斜筋と外腹斜筋の交差
胸郭:内肋間筋と外肋間筋の交差
頸部:胸鎖乳突筋と頭板状筋の交差
このように交差し、編み籠状の構造をしているために、
回旋運動を変調し、また”ブレーキ”をかけるのに完全に適しているというわけですね。
なので姿勢に関わってくるのでしょうね。
また、X字の構造は、バネやショックアブソーバーのように用いられるラセンの一部ともみなすことができ、歩行など複雑な動きをする動作を円滑にするように働いています。
例として以下のような機能があります。
肋間筋は胸郭が一方に捻じれるとそのポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)を蓄積し、胸郭が反対方向へ回旋するとそれを運動エネルギーとして放出する働きがある
肋間筋は紛れもなく呼吸筋ではありますが、X字の構造をしているため、こういった歩行などにも機能するということがわかります。
このように、ラインで捉えていくと本当に色々な見方が出来るようになってきますね。
呼吸筋は呼吸筋、この姿勢ではこの筋が弱い、歩行時の崩れはここが問題
などなど、、、
今までイコールで結んでいた事象も、ラインで捉えていくことによりもっと違う見方があるということがわかります。
イコールで結べなくなるということは、またわからないことが増えていくというわけですが、逆に言えばイコールで結んでいたことが上手くいかなかった(改善されなかった)ときに他の選択肢をすぐに考えることが出来るということです。
要するにまだまだ勉強不足ということですね。
これからも広く深く勉強していきたいものです。
それでは今回はこの辺で。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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