どうも。
kabosuです。
今回は、
治療について書いていきたいと思います。
最近治療したことでシェアしたい内容であったり、
自分自身がためになったことを
自分自身の復習の意味も込めて書いていきます。
良い反応があったことや
逆に悪い反応、変わらなかったこと
など
あとはどういった解釈で状態を判断したのか
なども書いていきたいと思います!
では、よろしくお願いします。
1.はじめに
今回、頸部の可動域制限が主訴である症例について書いていきます。
主な制限動作は後屈動作です。
症例は後屈が出来ないことで、
「上を見れない」・「首そのものを動かすことが億劫になっている」
といった状態になっていました。
そんな症例に対し、頸部に対し介入を行い、変化が得られたので
その過程をまとめていきたいとおもいます。
2.症例紹介
性別:女性
年齢:20歳代
職業:事務関係(デスクワークがメイン)
3.評価
【痛み】
後屈時につまるような感じがする。
痛みの質は”鋭痛”である。
【可動域制限】
頚部後屈制限あり。
制限は骨性ではなく、軟部組織性である印象。
※後屈運動開始時は比較的スムーズであるが、ある一定の場所から鋭痛が出現し、可動域が制限されている状態。
【姿勢】
全体像としてはやや猫背。
頭頚部だけをみると、頭部前方位姿勢(Forward Head Posture)となっている。
※頭部前方位姿勢とは:不良姿勢としてよく見られるパターン。耳垂が肩峰より前方に突き出ている場合、頭部前方位姿勢と判断される。
【備考】
肩こりが慢性的にあり、頸部の痛みも出現したことから、終始、肩を動かしたり、首を回したり(若干恐る恐る)している。
4.治療アプローチ
①肩甲骨のアライメント修正
肩甲骨の内転・下制運動を実施しました。
具体的には僧帽筋中部・下部線維や菱形筋などのエクササイズを行っています。
②第一頸椎のアライメント修正
第一頸椎を触診し、左右のズレの確認を行い、修正をかけました。
※後頭下筋のリリースor頚部深層屈筋群のエクササイズでも効果ありかと思われます。
③肺・大腸の経絡のストレッチ&ツボ押し
経絡である、”肺・大腸経”は上半身でかつ、身体の前面を通ります。
その経絡に対してストレッチを行い、胸郭の開きを出していきました。
ツボについては、”合谷”を刺激し反応を見ました。
5.頸部の後屈制限は何が問題でどう解決したか
今回は、頚部の後屈制限が主訴で痛みが主原因で可動域制限をきたしていると判断しました。
まず、痛みの理解から
痛みの質としては”鋭痛”であったため、インピンジメント的な問題を考えました。
インピンジメントが起こる原因としては、
原因関節(インピンジメントが起こっている関節)が問題ではなくて、
その周囲の関節な組織が動かなくなっているから
代わりに過活動になる部分(今回の原因関節)にインピンジメントが生じる
または、
周囲の関節や組織が動かなくなり、原因関節を正常な位置から逸脱させてしまい、結果、原因関節が無理な動きで運動を起こさざるを得なくなりインピンジメントを生じている
と判断します。
今回は、頸部後屈時につまるような症状(痛み)がでて動きが制限されていたため、
□肩甲帯(胸椎を含め)の動きが悪いか
=肩甲骨のアライメント修正
□顎が出た姿勢となっているため後頭下関節の位置のズレが生じているか
=第一頸椎のアライメント修正
□猫背であるため腕の組織を含めた胸部前面の組織の短縮が問題か
=肺・大腸の経絡のストレッチ&ツボ押し
などを評価から問題点として挙げました。
※インピンジメントとは:インピンジメントとは、”衝突・挟まる”という意味です。関節の安定には筋や靱帯、腱などの組織が働いています。インピンジメントはこのような関節周囲の組織が”衝突したり挟まったり”することで生じるものです。
肩甲帯のアライメント修正
猫背の場合、背中が丸まったような姿勢をとなりそれに伴い、肩甲骨は外側に偏位します。
背中が丸まっている状態であるため、当然、頭部も下方に向くようになります。
その状態で前を向こうとしたら、その姿勢はすでに頚部を後屈した姿勢となります。
なので、この状態で後屈運動を行うということは、
「すでに後屈している状態からさらに後屈を行う」
ということになります。
視点を胸椎に切り替えますと、
頸部後屈時に胸椎は伸展方向に動くのが正常です。
しかし猫背であり、伸展方向よりもむしろ屈曲方向に優位に動いているわけです。
その状態で後屈をしたら、当然、過剰に動かないといけない関節が出てくるわけですよね。
それが頸椎になるわけですが、過剰に動けば”衝突”も当然起きやすくなります。
そうなってくるとインピンジメントを起こす可能性は十分に考えられますよね。
今回は、そのインピンジメントを胸椎(肩甲骨)の可動性をだして頸椎のストレスを軽減するというイメージで肩甲骨のアライメント修正を行いました。
運動のイメージとしては、
基本的に
□肩甲骨を内転方向に動かす
□肩の挙上が起こらないように下制運動も意識する
この2点のみです。
肩甲骨が影響で生じる頸部後屈制限がイメージしづらい場合は、
まず軽い検査を行ってみるといいです(これが治療の前後評価にもなります)。
検査方法は、
対象者を座らせて、頸部の後屈運動を行ってもらう
通常の頸部後屈時の可動域や痛みを確認しておく
次に、両側の肩甲骨を内転方向に他動的に誘導する
要は胸を張るように肩甲骨を内側に寄せるだけ
その状態で再び頸部後屈運動を行ってもらう
その時の可動域の変化や痛みの出るポイントに変化が出れば、
肩甲骨のアライメント異常(胸椎の可動性低下)が「首を反れない」原因の一つであると判断できます。
その時は、
僧帽筋中部繊維や下部線維、菱形筋のエクササイズを実施していくことで変化が出る可能性が高いわけです。
第一頸椎のアライメント修正
今度は頸部そのものに対するアプローチです。
先程の肩甲骨のアライメント異常からの続きになりますが、
猫背になると頭部を無理に挙げないと前が見れなくなると述べましたよね。
わかりやすい例で言うと、
「パソコンを食い入るように見るときの姿勢」
上記のような状態をいいます。(わかりにくいでしょうか、、、)
画像を載せます。
こんな感じですね。
要するに顎が出てしまっている状態というわけですね。
で、この「顎が出てしまっている」というのが非常に問題になるわけです。
顎が出ているということは、頸部周囲の筋の前後バランスが崩れていることを現します。
顎が出る
⇒後頭下筋群の短縮
⇒頸部深層屈筋群の弱化(頸長筋など)
⇒第一頸椎の可動域制限
などの弊害が考えられます。
ちなみに頸椎の可動性はほとんど上位頸椎によってまかなわれています。
なので第一頸椎の可動性が低下すれば頸椎の動きそのものが制限されるというわけです。
よって第一頸椎のアライメントを修正し可動性をだすことは、頸椎の正常な関節運動をだすために重要な課題の一つになります。
肺・大腸の経絡のストレッチ&ツボ押し
先程から何度もキーワードに出てくる”猫背”ですが、
猫背になると胸部前面の短縮が生じます。
同時に連鎖的に肩が内巻きになり、上肢も内旋していきます。
なので単純に、胸を開くようにストレッチしていけばいいわけです。
肩甲骨のアライメント修正も同様に胸の開きを出す運動ですね。
要は、
①ストレッチで組織を伸ばして胸を開くか
②トレーニングで組織を収縮させ、対になっている(拮抗している)組織を間接的に伸ばしてしまう
この違いなだけです。
人によってはストレッチが効果がある場合、トレーニングの方が効果がある場合
と差がありますので、どちらも覚えておいて損はないと思います。
で、今回は組織のストレッチを経絡を意識して行っていきました。
経絡の特性としては、「伸展制限が出ている経絡を異常と判断する」と言われています。
そのため今回、
猫背傾向にある症例は”肺・大腸経”が短縮し、伸展制限をきたしていることが考えられるため治療対象にしました。
経絡を意識してストレッチを行うことで、
”一つ一つの筋”に対してではなく、”一つのライン”に対してのストレッチとなるため、
ダイナミックかつ効果的にストレッチが可能になります。
一つ一つの筋で考えると動きが小さくなり、結局”胸を開く”という最もな課題を達成できないことになりかねないです。
以上のように頸部の後屈制限に対して介入することで、痛みが軽減し可動域の改善もみられ症例も喜ばれていました。
あとはセルフエクササイズを指導し経過をみる事としました。
6.まとめ
今回は、症例検討のような形で記事を書いていきました。
実際に自分自身がどのように考えてどうやって治療を行っていったかをまとめています。
画像や絵がないため、少しわかりにくい部分もあるかと思います。
画像や絵に関しては今後組み込んでいきたいと思います。
とはいえ、症例検討のような形で記事を書くとものすごく復習になっていいですね。
完全に自分本位です。笑
でも自分自身の勉強になるので、今後もこういった形式でも記事を書いていきたいと思います!!
それでは、本日はこの辺で!
ありがとうございました。
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