仙腸関節が問題の腰痛の対処法

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腰について
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どうも。
KABOSUです!!

 

 

 

今回は

前回の引き続きで

腰痛シリーズになります。

 

 

 

前回の記事はこちらです。

日本人は仙腸関節性の疼痛が多い!?

仙腸関節の特徴や、なぜ日本人に仙腸関節性の腰痛が多いのかを書いていきました。

今回はその続きで、

仙腸関節性の腰痛の評価方法やエクササイズなどまとめていきたいと思います。

 

 

 

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1.仙腸関節性腰痛かな?と思ったら(評価)

今回、評価方法を2つ紹介します。

1つは、理学的な検査になります。

2つ目は、仙腸関節の支配神経から考えた評価方法になります。

他にも評価方法はありますが今回は割愛します。

 

 

①仙腸関節の理学的検査

 

仙腸関節の理学的検査として、以下の評価項目が挙げられています。

①長後仙腸靭帯部の圧痛

②PSIS可動性の左右非対称性

③機能的下肢伸展挙上テスト陽性(ASLRテスト)

④仙腸関節離開テスト陽性

※上記の4項目の内、3項目以上に陽性徴候が認められた場合に仙腸関節性疼痛と判断する。

引用:荒木秀明:腰痛症の理学療法のための検査・測定のポイントとその実際

 

①長後仙腸靱帯部の圧痛

長後仙腸靱帯部の圧痛に関しては、下の絵の黄色の丸の部分を確認していきます。

※左右どちらに圧痛があるか確認していきます。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 より引用

 

②PSIS可動性の左右非対称性

②に関しては、骨盤の後面にある骨隆起(PSIS)の左右差を確認していきます。

※殿部の筋組織や脂肪組織が大きいのでややわかりづらいです。

※PSISが下側にある側(後傾)が不安定性をきたしている可能性が高いです。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 より引用

 

③機能的下肢伸展挙上テスト陽性(ASLRテスト)

③に関しては、ASLR(アクティブSLR)という評価方法になります。

これは荷重伝達を評価する方法の一つです。

荷重伝達テストとは、立った状態でどこが荷重の伝達を阻害しているか(弱化している)を探す評価方法です。

腰痛や骨盤の不安定性などスムーズな荷重伝達が行えていないから起こっている問題であるため、この評価方法は非常にわかりやすく問題点の明確化と効果判定に役立ちます。

 

方法は、以下の通りです。

 

1.仰向けになる

2.片足を膝を伸ばしたまま数センチ持ち上げる

3.左右確認し、持ち上げにくい側や代償の出る側を問題とする

4.検査者が個々の筋の収縮を誘導し、その都度ASLRを実施させる。その際に足が軽くなるor代償が減るか同化を確認していく。この時動作が楽になる筋があれば、そこが弱化している筋と判断できる

 

※例えば、腹筋の弱化を疑う場合、ASLRを行う際に腹部を圧迫(腹筋を横からつかむように)します。その際に足が軽くなるなどの反応があれば腹筋のエクササイズを実施していきます。

※このASLRではSLRを行った際に、上がりにくい側or代償動作の出る側が荷重伝達不良と判断します。

※他の検査と同じ側に陽性が出ているか確認します。

 

 

アクティブSLR(ASLR)についての詳細はこちらをご覧ください。

ASLRテスト(アクティブSLR)の評価方法【体幹機能の検査方法】

 

④仙腸関節離開テスト陽性

④に関しては、徒手で仙腸関節を離開させていきます。

方法は、以下の通りです。

 

骨盤前方の骨隆起であるASISを外から内に押す

(両側から骨盤を包み込むように)

 

それだけです。

 

※この時に仙腸関節部分に違和感とか痛みがあればこのテストは陽性になります。

 

以上の4つの検査を合わせて仙腸関節性の腰痛の評価を行っていきます。

 

 

まぁ実際の所、わかりづらいですよね・・・

 

文献の一部やセミナーでは、

「仙腸関節性の腰痛は、一側のPSIS付近に限局した痛みを出す」

と言われています。

 

なので、実際に腰痛がある人が

「ここが痛いんです!」

って言って「一側のPSIS付近を指差して痛がる場合」は仙腸関節性の腰痛を疑っていいのではと思います。

 

②仙腸関節の支配神経から考えた評価方法

 

こちらは精度そのものは低いですが、①の理学的評価に比べると格段に簡単な評価方法となります。

 

それが、

「片脚立位+つま先立ちテスト」

「Trendelenburg and S1 nerve root test」

です。

 

前回の記事で

「仙腸関節の支配神経」を説明しました。

その際、「仙腸関節は支配神経が多く、そのために複数の場所に症状を出す」と言いました。

 

で、仙腸関節の支配神経に関わる筋として、下腿から下肢後面が挙げられます。

これを「片脚立位+つま先立ちテスト」で使用する筋と合わせると、

●中殿筋(上殿神経:L4~S1)

●下腿三頭筋(S1)

となります。

 

要するに仙腸関節性の腰痛がある場合、支配している筋にも影響が出てくるため、

このテストが上手く行えなくなるというわけです。

 

方法自体は、評価者が居なくても1人で可能です。

出来れば姿鏡はあったほうがわかりやすいですが・・・

 

片足立ちをして、その状態からつま先立ちを4~5回行います。

 

この時、

●ふらつきがあって安定しない

●トレンデレンブルグ(足を上げた側の骨盤が落ち込む)が出る

 

などの反応があれば、反応が出た側は「仙腸関節性の問題がある可能性」が考えられます。

 

以上が評価方法になります。

 

2.仙腸関節性腰痛かな?と思ったら(アプローチ編)

次はアプローチに関してです。

仙腸関節性の問題に対しては、

”骨盤調整”とか”アジャスト”とか聞くことがあります。

上記のアプローチは確かに効果はあるのかもしれないです。

ただ誰にもできるわけではありません。

ここでは、骨盤を不安定にさせアンロックさせてしまう原因に対するアプローチ方法を示していきます。

 

①ストレッチ

仙腸関節の不安定性、つまり仙腸関節のアンロック(仙骨が起き上がっている状態)になっていることが問題な訳です。

なので、まずは「仙腸関節のアンロックを助長してしまう組織」のストレッチを行います。

 

該当する組織として、

●ハムストリングス

●大殿筋

●腹筋群

●梨状筋

などなど・・・

イメージとしては

「骨盤後傾を誘導する組織」に対してストレッチしていきます。

 

骨盤が後傾すると仙骨がニュートラルな位置から逸脱してしまいます。

極端な骨盤前傾も同様にはなりますが、、、

一般的に仙腸関節性の腰痛で多いのは「骨盤後傾タイプ」になります。

 

②筋のバランスの改善(弱化している筋の収縮を出していく)

これに関しては、評価でもあったASLR(アクティブSLR)から判断していきます。

 

アクティブSLRは、弱化している筋(荷重伝達不良を起こしている筋)を特定する評価法でしたね。

 

この評価により、

●多裂筋

●腹筋

●腹横筋

●横隔膜

●骨盤底筋群

●腹斜筋群(弱化している場合と、過緊張になっている場合がある)

などの筋の弱化の有無を確認します。

 

弱化している筋がわかれば、その対象となる筋に対してエクササイズを実施していきます。

 

仙腸関節性の腰痛で高確率で弱化している筋は、

”多裂筋”ではないかと思います。

 

多裂筋は、

主に”腰椎の安定化”に寄与しています。

※脊柱の分節ごとに付着があるので主に姿勢保持に働きます。

ただ多裂筋全体の収縮を見れば”体幹の伸展”や”骨盤の前傾”といった運動を起こします。

 

先程も

「仙腸関節性の腰痛は骨盤後傾している人に多い」といいましたよね。

骨盤後傾しているということは多裂筋の収縮力は落ちていることが考えられます。

 

このことから多裂筋の弱化は高確率で起こっていると思われます。

 

 

③スクワット

 

スクワットは、下肢の筋力訓練でおススメのトレーニングの一つです。

 

スクワットは主に太もものトレーニングとして使用されることが多いと思いますが、

実際は、体幹~下肢の筋が総合的にトレーニングされます。

 

今回は、仙腸関節性の腰痛に対してですので、

あるポイントだけ意識して実施します。

 

それは、

太ももの裏の筋(ハムストリングス)のハリを意識して実施する」

という一点になります。

 

方法に関しては下の絵をご覧ください。

 

上手くハムストリングスを効かせる為には、

どれだけ「上半身を前方に移動させ、お尻を後方に移動させれるか」がポイントになります。

 

よくわからない場合は、

「スクワットした状態でお尻を突き上げるような動き」をすると、

ハムストリングスのハリを感じるかと思います。

 

このハムストリングスのハリを感じながらのスクワットは、

骨盤を後傾させる組織のストレッチを行いつつ、

骨盤前傾位での筋力訓練ができるので

姿勢改善にも繋がってきます。

 

骨盤が後傾している場合、ハムストリングスの機能も同時に落ちていることが予想されます。

ハムストリングスの本来の筋の長さと機能が改善しなければ”良い姿勢”はとれません。

 

このスクワットはヒップアップにも効いてきますので女性にもおススメになります!!

 

④四股踏み

 

最後は、”四股踏み”です。

 

四股踏みというば、”お相撲さん”ですよね。

今や”四股踏み”は有名になりましたが、やはり効果的なトレーニング方法なんですよね。

四股踏みに関する本も多く見受けられます。

 

興味がある方は是非3か月程継続してみてください!!

いや、一週間でもいいですよ!!

 

スクワット同様、体幹・下肢をバランスよく鍛えることができます。

 

で、この四股踏みなんですが、

理学療法的視点から言うと、

「仙骨のうなずき(ニューテーション)を促す」

という効果がおススメする大きな理由です。

 

先程から何回も言い回しを変えたりしながら言っていますが、

仙骨が起き上がる(カウンターニューテーション)と骨盤そのものは不安定になります。

つまり仙腸関節がアンロックした状態になると言えます。

 

四股踏みは、この仙骨のうなずき(ニューテーション)を促すことができます。

要するに骨盤を安定(ロック)する方へ誘導する運動であるということです。

 

四股踏み⇒仙骨のうなずきを促す⇒骨盤が安定(ロック)する⇒仙腸関節性の腰痛が軽減

 

という関係性になります。

 

ただ、四股踏みもやり方を間違えれば

「ただ腰を丸めてしゃがんでるだけの運動」

になってしまいます

 

しっかり骨盤を締めて仙骨を立てるように上体を落とし込んでいきます。

 

 

3.まとめ

今回は、仙腸関節性の腰痛に対するアプローチ法をご紹介しました。

当然これがすべてではないし、他にも効果のある方法なんていくらでもあると思います。

今回はその一部をご紹介したような形です。

 

私自身もまた勉強を進めていきますのでその都度更新していきたいと思います。

 

 

とにかく、

現在腰痛のある方や未来の腰痛を予想している方は

一日一回でもいいのでスクワットや四股踏みを始めましょう!!

 

継続は力なりで、下半身に力がつけば頭で考えすぎることが減るので毎日がすっきりしてきますよ。

 

そのためにはしっかりとした方法は知っておいたほうがいいと思います。

今後、トレーニング法なども更新していく予定ですので、その時は参考にしてください。

 

それでは本日はこの辺で!

ありがとうございました!!

 

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