腰痛と膝痛の関連性について~スクワットトレーニングの重要性~

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膝について
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こんばんは。

 KABOSUです!!

 

膝OAの患者さんを担当したとき、同時に腰痛を訴える方って意外と多くないでしょうか?

膝と腰は切っても切れない関係にあります。

 

今回は、そのような

膝と腰の関連性と膝痛や腰痛にはスクワットが有効な理由

について書いていきます。

 

 

 

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1.はじめに

皆さんは、”膝の痛み”というと、どんな状態をイメージするでしょうか?

 

医療機関で働いている人であれば、「変形性膝関節症(膝OA)」と関わることが多いと思うので一番に思い浮かべるかと思います。

スポーツをしている人やスポーツ現場で仕事をしている人であれば、「半月板損傷」・「前十字靭帯損傷(ACL損傷)」などがよく関わる疾患であり、思い浮かべる疾患ではないでしょうか。

※膝の靱帯損傷に関しては、前十字・後十字・内・外側副靱帯と4つあり、それぞれ損傷のリスクがあります。

 

前者の”膝OA”の場合は、生活の中で徐々に膝の変形が進み、徐々に痛みが増強していくといった経過を取ります。

後者の”靱帯損傷や半月板損傷”などの場合は、主に外部からの衝撃やストレスが原因で生じます。

 

このように例え同じ”膝の痛み”でも、詳しく考えていくと中身は全然違うものであることがわかりますよね。

 

膝の痛みに限らず、痛みの改善を考えていく上で大切なのは、

「原因と結果」をしっかり整理して問題点を捉えること

ではないかと思います。

要するに今回の場合で言えば、膝の痛みを起こしている原因はどこか?ってことです。

 

分かりにくいと思うので、先ほどの”膝OA”と”靱帯損傷”を例に挙げて説明します。

膝OAの場合・・・

膝の痛みの原因は変形により関節同士のぶつかり(簡単に書いています)です。

この関節のぶつかりが生じている”結果”が膝の痛みになっているわけです。

もっと掘り下げていけば、

なんで関節がぶつかっているのか?

関節がぶつかるような姿勢を長く取っていたためか?

それとも歩き方?

などなど・・・

疾患の経過が長いため考えられることが多くなります。

 

靱帯損傷の場合・・・

膝の痛みの原因はジャンプの着地した際に靱帯が切れたためです。

この靱帯が切れた”結果”が膝の痛みになっているわけです。

この場合は、”原因”は外傷で”結果”が膝の痛みとなりますね。

 

このように、結果は同じ”膝の痛み”でも、原因はさまざまということがわかります。

なので痛みを改善させていく上では、

”痛み”という”結果”ばかりに注目していたら治るものも治らない

ということです。

 

話の導入部分が少し長くなり、さらに話が逸れつつあるため元に戻しますと、

私が思う膝の痛みは、

案外”膝”だけが悪いわけではないのではないか?

他部位(腰部や足部や胸郭など)からのストレスや姿勢・歩き方などたくさんの要因が重なり、それが”結果”として膝の痛みを起こしているのではないか?

このように考えるわけです。

 

当然、膝由来の原因もあるでしょうし、スポーツ現場で起こっている膝の痛み(靱帯損傷など)なんかは上記のようなことが当てはまらない可能性もあります。

ただ考えようによっては、

ジャンプの着地で靱帯を切った場合でも、着地時に膝に頼るしかなかったのでは?と考えれます。

そうなると他の股関節や足関節の可動性や協調性はどうだったのか?などの問題点が考えられますし、

もし急な方向転換時に靱帯損傷が起こったなら、回旋系の問題と判断し、胸郭の動きはどうだったのか?胸郭が固くなっていたから膝だけにストレスがかかったのではないか?などど考えることができると思います。

 

このように膝の問題でも他関節からの影響や姿勢や動作の仕方など多くの現象が積み重なって膝の痛みは生じていると考えます。

 

そこで、今回は膝の痛みの原因を広く考えれるように、まずは膝と腰の関係性をまとめていきました。

臨床で膝の痛みの方を診るとき、問診をしていくと「腰の痛みもある人が多いなぁ」という印象があります。

膝と腰は動きの中で連動している部分があるため、今回はその辺を記事にまとめていきたいと思います。

 

2.腰と膝の関係性

膝の痛みは、腰の痛みに並んで痛みの訴えの多い部位になります。

多くは、腰痛を訴える人は膝の痛みも感じています。

膝と腰はお互いに代償し合う関係性にあります。

 

どういうことかといいますと、

床のものを取る動作を想像してもらえればわかりやすいかと思います。

通常皆さんが床のものを取る時は、どのようにして取りますか?

①前屈するような形で上半身を深く曲げて取る

②しゃがみこんで取る

大きく分けてこの2極に分かれると思います。(細かい動きは置いといて・・・)

 

この2つの動きは、それぞれ負担がかかる部位が変わってきます。

①の上半身を深く曲げるパターンは、一般的には”腰部”に負担がかかります。

②のしゃがみ込むパターンは、一般的に”膝”に負担がかかります。

このようにそれぞれの動作によって負担のかかる部位が変わってきます。

 

じゃあなぜ、膝と腰はお互いに代償し合うのか?ですが、

例えば

ぎっくり腰になった場合、どのような動きをして床のものを取りますか?

大体腰を動かさずにゆっくりしゃがみ込んで物を取りますよね。

 

じゃあ、膝が痛いときはどうでしょう?

膝を曲げたくないから膝を伸ばしたまま上半身を曲げて物を取りますよね。

 

 

そして、そのような動作を反復して続けていくとどうなるでしょうか。

そりゃ特定の部位に負担が増大してきますよね。

 

腰を固定した状態でのしゃがみ込みなんて、必然的に重心が後方に偏位するため通常のしゃがみ込み動作よりも膝に負担がかかります。

 

このように、腰が痛いから腰をかばって膝を使った動作を頻繁に行うことで膝の痛みが出現する。

膝が痛くなったから膝を伸ばしたまま動くので今度は腰に負担がかかって腰が再び痛くなる。

・・・・といった無限のループになってしまいます。

 

このように、膝と腰は密接な関係にあるということです。

なので、その間になる”股関節”が非常に重要な役割を果たすわけなんです。

 

このことから考えると、

膝や腰に効果的なトレーニング法として”スクワット”が最適になる

わけです。

 

スクワットは皆さん人生で一度はトレーニングとして行ったことはあると思います。

なのでスクワットとは?という説明は割愛します。

効果的なスクワットの方法は後で説明していきます・・・。

 

で、話を戻しますが、

正しくスクワットを行うことで、

それぞれの関節が正常な運動を行うようになるため、

各部位に過剰に負担がかかるというような現象が起こりにくくなります。

 

いやいや・・・

いくらスクワットしたからって日常生活に反映されないと意味ないんじゃありませんか?

・・・確かにそうですね。

感覚の良い人なんかは、スクワットにより股関節の動きを意識させればそれを日常生活に落とし込んで応用できる人はいます。

しかしそんな人は少ないですよね。(そういう時に理学療法士の指導なんかが役立つと思います・・・)

 

でもですね、思考を変えてみましょう。

人は移動するためには、まず立ち上がり、それから歩きます。

そして、目的の所にたどり着いたら座ります。

人は”歩く”という動作と同じくらいか、それ以上に”立ち座り動作”を行っているわけです。

立ち座り動作ってスクワットに似ていませんか?

 

このことから、

まぁ若干違いはありますが、毎日自然にスクワットと似たようなことを結構な回数行っていることになりますね。

 

この考え方からいくと、やはり正しくスクワットを行うことで、

日常生活にも反映させることが出来る可能性があるということになります。

 

 

上記のところまでが今回の話したかった内容になります。

 

こういう話は臨床で患者さんによく説明していることにこの記事を書きながら思い出しました。(話は出来るだけ簡単に説明しています。)

その時によくある反応なんですが、、、

ケース①「じゃあ毎日スクワットをすれば膝や腰の痛みはなくなるんですね!」

とか

ケース②「スクワットやったことあるけどなにも変わらなかったよ」

なんて事はよく言われます・・・。

 

ケース①の場合は、

スクワットをすればよくなるんじゃなくて、

スクワットをすることで身体の使い方を学習するのが目的なので、

スクワットが目的でないことを説明していきます。

スクワットはあくまで”手段”です。

 

そして、

ケース②の場合は、

まずやり方が間違っていることが多いです。

スクワットにも色々な方法はあります。

単に大腿四頭筋を鍛えたいだけならどんな方法でも構いません。

ただ、今回はスクワットを通して

「膝や腰の負担を軽減する動作を学習する」

ということが目的になるわけです。

なので、スクワットとしては上手くできていても膝や腰にかかる負担のバランスに差があるようなら修正をかけていきます

その修正をかけると今まで偏ったバランスでスクワットを行っていたため、大体上手くスクワットが出来なくなります。

ここで上手く身体が使えていないことを自覚してもらいます。

 

 

と、ここまで膝と腰の関係性について書いてきましたが、なんとなくわかってきたでしょうか?

そして、

膝と腰を互いにうまく機能させるには”スクワットをすること”が1つの有効な手段であることがご理解いただけたでしょうか?

 

とにかく、膝が痛いから膝だけを診る、腰が痛いから腰だけを診るというのは正解でありながらも不正解なのではないかと思います。

局所も非常に大切ですが、”身体の繋がり”という部分も視野に入れることも大事だと思います。

もっと広く言えば、キャラクター的な要素も含めて”その人について理解をしていく”ことが大事になるのではないかと思います。

 

こういった点に意識を向けることで、

私は、膝の痛みや腰の痛みの根本的な改善に繋がってくると思っています。

 

最後は正しいスクワットの方法を書いていきます。

 

3.正しいスクワットの方法

 

正しいスクワットの方法ですが、

先程も述べましたが、スクワットに”良い”・”悪い”はないと思います。

目的があれば基本的には悪い運動ではないからです。

ただ今回は、

□スクワットをすることで身体の使い方を学習する

□膝や腰の負担を軽減する動作を学習する

といった目的があるため、ある程度方法を具体的に記していきます。

 

とはいっても今回紹介するスクワットは以前も紹介したものになります。

椅子から楽に立つために必要な”4つの意識”と”4つのテクニック”
立ち上がり動作を楽に行うための動作指導・直接的な身体へのアプローチ法をまとめました。
仙腸関節が問題の腰痛の対処法
仙腸関節が原因で生じる腰痛は臨床で多く見かけます。ただ、その判断基準が明確でないことや他の腰痛疾患と合併していることもありはっきりとしたエビデンスがないのが現状です。しかし、仙腸関節に対してアプローチすることで改善する腰痛もあるわけなので、”仙腸関節”は腰痛にとって重要なポイントの一つになることがわかります。

 

この2記事でもスクワットについて書いています。

 

今回も方法について説明します。

とにかく何が大事かですが、

「股関節の動きを意識する」

ことが大事になります。

 

スクワットの方法についてはまずイラストをご覧ください。

 

こちらが座っている姿勢です。

この時は出来るだけ骨盤を立てるようにします。

少し腰を反るように意識すると骨盤は立ちやすくなります。

この状態からスクワットに移っていきます。

イラストはかなり極端な状態ですが、

このように上半身は出来るだけ前方に、そして殿部は出来るだけ後方に動かしていきます。

股関節を動きの軸にして上肢は出来るだけ前方に伸ばし、逆に殿部はお尻を突き出すように後方に移動させていきます。

このように前方・後方に相反する動きを出すことで股関節の動きをより出していきます。

この時意識してほしいのは、”太ももの裏の筋肉”になります。

このスクワットを実施した際に太ももの裏の筋肉のハリを感じれば、

今回でいう良いスクワットは上手く行えているということです。

スクワット時に注意すべき点

□手は出来るだけ遠くに伸ばす

□お尻は出来るだけ突き出すようにしていく

□腰は曲げないようにする

□骨盤は前傾させていく

□呼吸は止めないようにする

□太ももの裏の筋肉のハリを感じる

上記の点に意識し、スクワット姿勢を取っていきます。

頻度に関して

□上記のスクワット姿勢が取れたら約6秒程度その姿勢をキープする

□キープしている最中は呼吸を止めないようにする

□もしも太ももの裏にハリを感じない場合は上体を前後に動かしていく。

※上体の位置は変えずに手をさらに遠くに伸ばす、殿部はさらに遠くに動かすといった形で自身で修正を加えていく。(この動きがより股関節を意識するきっかけになる)

□スクワットの回数は6秒間キープを5~10回程度実施していく

このようにスクワットの運動を実施していきます。

上記ようなスクワットを実施していくことで股関節の動きが強調され膝や腰に負担のかからないスクワット動作が可能になります。

そしてこれを継続的におこなうことで動きの質が変わってくる可能性があります。

※どんなに感覚が鈍くても、上記の方法とハリを感じるべき所にしっかりハリを感じていれば動作の質は変わってきます。

 

まずは無理なく継続して実施することが大事になります。

もし膝や腰の痛みに悩んでいるなら、とにかく1か月程度は嫌でも実施してみることをおススメします。

 

4.まとめ

今回は、膝痛をテーマにして、

膝と腰の関連性について書いていきました。

 

もしも膝の痛みで困っている人やセラピストがいれば、一つの考えた方として、

「問題は他部位にあるかもしれない」

と考えるようにしてみてはどうかと思います。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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