変形性膝関節症ってなに?治療の方法は?予防はできるのか?

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膝について
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人は生活する上で”膝を使う”頻度は非常に多いです。

床の物を取る・座るなど下方への動作をする際は膝の動きは必須になります。

逆に、ジャンプをするときなんかも予備動作で膝の屈伸を使います。

 

このように膝の正常な機能は人が生きていくうえで必須なものになります。

 

そんな膝の機能ですが、使い方が悪かったり過度に負担をかけてしまうと年齢を重ねるとともに膝が使えなくなってしまいます。

そして徐々にO脚やX脚に・・・と変形していきます。

 

この状態になって初めて”変形性膝関節症(膝OA)”と診断を受けます。

 

今回はこの変形性膝関節症について深く掘り下げてみたいと思います。

 

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1.変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(膝OA)は、関節軟骨の進行性の変性病変を主体とした骨の変形性変化として定義されます。

すなわち、非炎症性で、進行性の可動関節、特に荷重関節を侵す疾患で、病理学的には関節軟骨の変性・摩耗による荒廃と、関節炎の骨新生が見られ、摩耗相と増殖相が混在しています。

 

①変形性膝関節症の有病率

高齢者が要支援になる原因の1位、要介護になる原因の4位が関節疾患であり、運動器の障害が高齢者の生活の質(QOL)を著しく障害しているのが現状です。

 

また変形性膝関節症にスポットを当てると、

日本の変形性膝関節症(膝OA)患者数(40 歳以上)を推定すると、X線像により診断される患者数は 2530 万人(男性860万人、女性1670万人)となり、膝OAの有症状患者数は約800万人と推定されているそうです。

 

以上のことより、日本において膝OAの予防と進行防止を目的とした治療方法の確立は医療の世界において非常に重要なことになります。

 

②関節軟骨の構造

●関節軟骨は硝子軟骨からなり、弾性に富んでいる

●厚さは個体の体重に比例し、膝では一般に2~4㎜である

●関節軟骨の栄養は、滑膜付着部の血行とおもに滑液の拡散による。

●軟骨組織は、軟骨細胞が2%、水分が75%で、残りの主成分はプロテオグリカン(ムコ多糖蛋白複合体)とコラーゲン線維からなる基質で構成されている。

●軟骨細胞はプロテオグリカンとコラーゲン線維を合成・分泌する。

●コラーゲン線維は関節軟骨の強度および弾性に関与している。

●プロテオグリカンはコラーゲン線維と血どうして水分を豊富に保ち、滑動や衝撃吸収のための弾性能を有する。

●軟骨組織には荷重伝達、衝撃吸収、潤滑。栄養供給などの機能があるが、これには基質成分の三次元構造が重要な役割を果たしている。

 

③発生機序

変形性膝関節症は、先行する全身的、遺伝的あるいは内因性の軟骨の障害に加齢や機械的要因が加わり、コラーゲン線維の断裂や軟骨基質の破壊を生じ発症します。

これまでに、変形性膝関節症の発生や進展に関するいろいろなリスクファクターについて検討されてきましたが、年齢、女性、肥満、外傷も既往の4項目については各報告でほぼ一致しています。

 

また、変形性膝関節症の多くは内側大腿脛骨関節に発症します。

これは内反変形を伴い機能軸は内方に偏位し、体重と筋力の合力の作用点も内方に移動するためです。

上記の変化により、内側に過度のストレスが集中し、関節軟骨の変性が促進されていきます。

 

④原因と分類

変形性膝関節症は、明らかな原因がなく、加齢に慢性的な機械的刺激が加わって発症する一次性(原発性)と、外傷や半月板切除後、あるいは炎症性・代謝異常疾患に伴って生じる二次性(続発性)に分けられ、頻度としては一次性変形性膝関節症が多いとされています。

 

主な病変部位により、内側大腿脛骨関節が障害される内側型・外側大腿脛骨関節の外側型、膝蓋大腿関節の膝蓋型と、それぞれの混合型に分類されます。

 

一次性(原発性)変形性膝関節症では、O脚を伴う内側型が多いとされています。

 

⑤臨床症状と診断

●一次性(原発性)変形性膝関節症は、50~60歳代で初発し、女性に多く見られる。

●明らかな原因なしに発症し、初期には歩き始めや立ち上がりなどの動作初期に、特に膝関節内側に疼痛が生じ、しばらく歩くと軽快あるいは消失する。

●病状が進行するにつれて歩き始めだけでなく、歩行時の疼痛が伴うようになり、歩行距離も徐々に減少する。

●多くは内反膝変形を呈し、歩行時の外側方動揺性(ラテラルスラスト)を認める。

●内側膝関節裂隙に圧痛を認め、病状の進行とともに炎症を伴い、関節が主張し、関節液が貯留すると膝蓋跳動が陽性となる。

●大腿四頭筋は萎縮し、関節可動域が制限されるようになる。

●レントゲンでは、骨棘形成、関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像を認める。

 

 

2.変形性膝関節症は治るのか?

変形性膝関節症についてですが、現在のところ、

治るものではありません。

先程も述べましたが、変形性膝関節症は膝関節が変形し、痛みや腫れ、運動障害を起こす進行性の慢性関節疾患です。

 

当然といえば当然ですが、変形性膝関節症は関節組織の退行変性により生じるもので、年齢と共に発症する疾患です。

 

現在、変形性膝関節症に対して行う治療としては、

①生活指導

②薬物療法

③リハビリテーション

④装具療法

⑤手術療法

が挙げられます。

順を追って説明します。

①生活指導

普段の生活で気を付けることとして、無理な荷重を避ける、つまり膝への負担を減らすことが第一です。

外出するときは、杖やその他の歩行補助具を使用することも一つの手段です。

また、階段では手すりを使う、正座は避けて椅子に腰掛ける生活をするなどを意識すると膝の負担が軽くなります。

また、寒い日に痛みが出る人は、保温して血行を良くすることが有効です。

 

身体的な要素を言うと、体重を減らすことも非常に重要です。

体重を2kg減らすと、歩くときの負担が4~6kg、階段の上り下りでは10~14kg減ると言われてます。

体重が少し減るだけで非常に楽になるという例も多いため、日頃の運動や食事などで減らすように心がけることが大切です。

②薬物療法

薬物療法では病院で多く処方されており、多くの方が使っているのではないでしょうか。

具体的には、貼り薬・飲み薬・座薬などの鎮痛剤になります。

また、他に関節内注射でヒアルロン酸を打つこともあります。

ヒアルロン酸の注射と合わせて関節内に溜まった水を抜くこともしばしば見受けられます。

 

サプリメントも巷ではよく聞く手段ですが、これらは効果が実証されていなかったり、副作用が出たりすることもあるので、まずは担当医に相談してみることが一番です。

服薬している薬と飲み合わせが悪いなんてこともある可能性があります。

③リハビリテーション

リハビリテーションでは様々な手段がとられます。

物理療法として、温熱療法、寒冷療法、電気刺激療法などさまざまな方法があります。

運動療法としては、ストレッチや筋力を落とさないための筋力増強訓練、持久力運動などがあります。

その他、姿勢や動作の指導を行い、直接膝にかかる負担を軽減する手段を提供します。

④装具療法

足の裏に少し傾斜をつけた板(足底板)を入れ、膝のバランスをよくしたり、膝関節に装具をつけるなどの方法があります。

⑤手術療法

膝の変形がある一定の段階を超えた場合や痛みが強く生活に支障をきたすレベルになると手術療法が適応になります。

手術には、半月板の損傷や滑膜炎がある場合に行う関節鏡視下手術、変形した部分の骨を切って固定する骨切り手術、同様に変形した部分を完全に切除し代わりに人工の機械を入れる人工膝関節置換術などがあります。

人工膝関節は年々増加傾向にあり、比較的若い年代から高齢の方まで幅広く手術が適応されています。

また、膝の中に居れるインプラントも年々改良され、より正常膝に近い形で関節運動が行えるようになってきています。

そういった時代の変化により人工関節の術後は予後が良く、そのことも年々手術件数が上がっている要因の一つになっているものと思われます。

 

 

3.変形性膝関節症は予防できるのか?

変形性膝関節症になってしまっている方は興味がない所かもしれませんが、

ここでは「変形性膝関節症は予防できるのか?」というテーマで話していきます。

 

ズバリ、変形性膝関節症は予防できる可能性はあります。

ただし、100%の人が予防できるわけではなく、やはり生活習慣や体型の問題など、どうしようもないリスクファクター(体型はどうにかなる・・・)の場合は予防の使用がないこともあります。

 

それでも、明らかに膝に負担のかかる生活習慣を送っている人が膝痛が全くなかったり、肥満気味の体型の人は膝の痛みがなくても痩せ型の人は膝が痛いなどのイレギュラーは多々見られます。

 

この辺の話になるとややこしくなってきますが、生活背景や運動歴、年齢などの影響は確実にあるとされています。

 

つまり、変形性膝関節症は確実に予防できるわけではないということになります。

ただ、それでも先程の「生活指導」の項でも挙げたように、「膝に負担のかからない生活を意識する」「体重コントロール」は少なからず変形性膝関節症の予防に影響してくる要素になります。

 

「膝に負担のかからない生活を意識する」ということで一つだけポイントをお伝えします。

そのポイントですが、

「股関節を使うことを心掛ける」

ということです。

 

”膝よりもまず股関節を動かすようにする”

 

例えば、立ち座り動作一つとっても膝が悪くなる人は必ずといっていいほど膝を優位に動かしています。

膝の負担を減らすためには、股関節を使っていくようにしましょう。

 

この股関節を使うためのトレーニング方法は別記事にまとめていますのでご覧ください。

~正しいスクワットで痛み改善~膝の痛みや腰の痛みにはスクワットが有効

 

 

4.まとめ

今回は、変形性膝関節症について少し専門的な要素も入れつつまとめていきました。

リハビリの現場でも変形性膝関節症について理解はしているものの漫然とストレッチや筋力訓練を繰り返している場面を見かけます。

 

変形性膝関節症になった背景は何なのか?どうしたら症状が軽減するのかなどをしっかり評価しながらリハビリを進めていけるといいですね。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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