こんばんは。
kabosuです。
今回は
婦人科系のことについて
トリガーポイント療法の視点で
書いていきます。
女性のみなさんは、
人生で少なからず一度は生理痛など女性特有の問題に悩まされたことがあるのではないでしょうか?
今回は、その女性特有の症状である
婦人科系の問題に対し、
トリガーポイントの視点から問題点を挙げ、改善する方法をまとめていきます。
1.婦人科系の問題に関わると考えられている”腹筋”
婦人科系の問題には、腹筋群が関わるとされています。
腹筋群、特に下部腹筋にトリガーポイントが出来ると、婦人科系の問題を助長すると言われています。
つまり腹筋にトリガーポイントがあると本来、痛みがないはずの”生理”でも、深刻な”生理痛”を引き起こしてしまうということですね。
もちろん生理痛の原因は子宮そのものの問題などトリガーポイント以外にも散在します。
しかし「腹筋のトリガーポイントが生理痛を助長している」という可能性も十分に考えられます。
もしひどい生理痛に悩まされていて、様々な対処法を実践してもなかなか改善の兆しがない場合は、「腹筋のトリガーポイント」のほぐしを行ってみてはいかがでしょうか。
2.まずは腹筋について理解しよう
腹筋の構成
①腹直筋
【腹直筋は垂直で中央にある厚板状の筋で、下部の肋骨と恥骨に付着する】
②腹横筋
【腹横筋は腹部を広く覆う筋でコルセット筋ともいわれる】
③内腹斜筋
【腹斜筋の一つ。捩り運動で機能する筋】
④外腹斜筋
【腹斜筋の一つ。捩り運動で機能する筋】
3D解剖学より引用
腹筋は腹部の前面と側面を覆っています。
この腹筋ですが、大きく3つの層に分けられます。
●腹直筋
●腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋の2つ)
●腹横筋
これら3つの層の腹筋の順番ですが、以下のようになっています。
腹直筋:一番表層
腹斜筋:間の層
腹横筋:一番深層
腹筋そのものの構成はこのようになっています。
腹筋といえども様々な種類がありますね。
腹筋の機能
腹筋群は身体を曲げる、ひねる、横に曲げるなど一体となって機能します。
また後方に反りかえる際に、過度に身体を反らないよう防いだり、背骨を安定させ、あらゆる種類の活動中に身体を支える役割を担います。
さらに細かく言うと、正常な呼吸及び努力呼吸において、腹筋は肺から空気を出すのを助けたり、出産、嘔吐、排尿および排便のための圧力を提供したりします。
腹筋とトリガーポイントの関係
自然分娩の過度の力みは、女性の腹部に多くのトリガーポイントを残すことがあります。
つまり腹筋を緊張させ過ぎてトリガーポイントが形成されるということですね。
このように出産以外にも、
普段から不用意に腹筋に力を入れているとトリガーポイントが形成される可能性がある
ってことですね。
またこのトリガーポイントですが、腹筋のトリガーポイントが背部へ痛みを送ることがあります。
その痛みは広範囲にわたって水平な帯状に出現します。
深呼吸すると痛みが増す背部痛は、腹部トリガーポイントの兆候の可能性があります。
これらのことから、腹筋にトリガーポイントが形成されると、生理痛以外にも多くの症状を引き起こしてしまうということがわかりますね。
3.腹筋のトリガーポイント症状
腹筋のトリガーポイントは、外部と内部両方の腹痛の原因となります。
通常、腹筋の痛みと症状は内臓に原因があると推定されますが、誤診であることが多いと言われています。
腹部上部のトリガーポイント
3D解剖学より引用
【誤診されやすい病気など】
●胸やけ・胃酸の逆流
●食道炎
●裂孔ヘルニア
●胆石
●胃潰瘍、十二指腸潰瘍
●心臓病
など・・・
また、腹部上部のトリガーポイントが形成されることにより、
●吐き気
●噴出嘔吐
●食欲不振、および摂食障害
を生じます。
上部の腹筋のトリガーポイントの好発部位は以下の図の”黒い点”になります。
この辺りを指圧して、普段感じる痛みや症状が再現されればトリガーポイントが原因である可能性が高くなります。
その際はその部位を持続的に圧迫してほぐすようにすることで症状が軽減する事が考えられます。
腹部中央部のトリガーポイント
3D解剖学より引用
【誤診されやすい病気など】
●過敏性腸症候群
●大腸炎または子宮内膜症
などなど・・・
また、腹部中央部のトリガーポイントが形成されることにより、
●疝痛
●胃痙攣
●慢性下痢
●お腹にガスがたまるおよび膨張感を感じるなど
を生じます。
腹部中央のトリガーポイントは以下の”黒い点”になります。
下腹部筋のトリガーポイント
3D解剖学より引用
【誤診されやすい病気など】
●鼠径ヘルニア
●虫垂炎(右下腹部の虫垂の領域で起きている場合)
また、腹部中央部のトリガーポイントが形成されることにより、
●下腹部や卵巣、子宮、膣で感じる月経痛
●陰茎や睾丸の痛み
●夜尿症(年長の子供にみられる治りにくい症状)
※おねしょで子供を叱ることで与えられたストレスは、腹筋トリガーポイントを増悪させる
※成人が不意に夜尿症を経験する場合もトリガーポイントが問題に関与していることがある
などの症状を引き起こします。
下部腹部のトリガーポイントは以下の”黒い点”の部分に好発します。
①下部腹筋のトリガーポイント
右:腹筋の背部への関連通パターン
4.腹筋のトリガーポイントが形成される原因
腹筋のトリガーポイントが形成される最もな原因は、
「仕事や運動におけるオーバーユース(使い過ぎ)」
になります。
つまり姿勢の維持などで必要以上に腹筋が頑張ってしまっているということですね。
【腹筋のトリガーポイント形成の主な原因】
●身体を捻じった状態で座る
●長時間の座位姿勢
●長期間続く咳(慢性の呼吸器疾患など)
●感情的ストレス
●過度な腹筋のトレーニング
●腹部の手術(開腹術など)
上記の項目が主に腹筋のトリガーポイントを引き起こします。
腹筋のオーバーユースがトリガーポイント形成に重要な原因として挙げられますが、
心配事や長時間の座位も腹筋にトリガーポイントを生じやすくなる原因であるとされます。
感情も腹筋のトリガーポイント形成に関わっているなんて意外ですよね!?
また、スタイルを良くするために腹筋を鍛えるオーバーユースもトリガーポイントの発生を保証するようなものです。
美容や見た目を気にして運動をするときに手軽に行えるのが腹筋運動です。
しかし過度に腹筋を鍛えすぎることでトリガーポイントが形成され不要な痛みを出してしまう可能性があります。
強く、柔軟な腹筋は、腰部を補助し健康向上に役立ちますが、トリガーポイントを残したままトレーニングを行うことは全くの間違いです。
他にも、腹筋のトリガーポイントは”内臓疾患”でも発生し、疾患が回復した後も痛みが継続する理由となります。
例えば、
胆嚢障害は、腹筋と脊柱起立筋にトリガーポイントを生じさせ、永続させると言われています。
不調な胆嚢は腹部と肩甲骨領域まで関連通を送り、逆に腹筋のトリガーポイントからの痛みは、胆嚢痛のように感じられます。
腹部手術のかなり後まで続く痛みは、手術自体が引き起こしたトリガーポイント由来だと考えれます。
このような内臓との関わりもトリガーポイントにはあるということです。
5.腹筋のトリガーポイントに対する治療方法
腹筋の上部、中央、下部の3つの部位で症状が違ってきます。
治療ポイントも腹筋の上部・中部・下部それぞれで分かれています。
上部腹筋のトリガーポイント
上部腹筋のトリガーポイントは、普通の部位とは異なる方法で補助を添えた指を使い、深い軽擦マッサージを行います。
肋骨に沿って中央から側方に向かって全体を探します。
トリガーポイントは肋骨の上またはすぐ下に見つかる可能性があります。
中部腹筋のトリガーポイント
腹部中央のトリガーポイントは、爪と爪を背中合わせにした状態でマッサージします。
この方法は、腹部全体において非常によく作用するが、仰向けで行うのが最も効果的です。
一般的な腹痛は、たいてい「腹部しぼり」によく反応します。
優しく行えば、子供に対しても処置することが可能であるとされています。
図:腹部しぼり
下部腹筋のトリガーポイント
下腹部筋のトリガーポイントは、全てベルト位置から下周囲で見つかります。
恥骨周辺や下腹部全体をまんべんなく指で横断的にマッサージしていきます。
これは仰向けで行うのが最適になります。
最も安全で効果的なマッサージを行うには、指の平らな部分ではなく、素早く使える指の先端で行うことです。
腹筋自体は表層にある筋肉ですが、しっかりとトリガーポイントをほぐすため、
ある程度ゆっくりとした深いストロークで一定の方向に向かって行います。
Travellは、女性は生理期間以外に下腹部を定期的か、または必要に応じて毎日マッサージすることで、月経痛を最小限にできると言及している。
上記のことから、生理痛に最も関係のある部分は下腹部のトリガーポイントであることがわかります。
この下腹部のトリガーポイントをしっかりほぐすことで生理痛の軽減が図れる可能性があります。
就寝前に1分、朝に1分の下部の腹筋マッサージを習慣にするだけでいいので実践してみてはと思います。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は婦人科系の問題に対して考えていきました。
トリガーポイントの理論では、腹筋が婦人科系と深いかかわりがあるようです。
特に下部腹筋ですね。下腹部の筋肉ですよ!
腹筋は腹部組織を守る大事な筋になりますから、内臓を保護するために緊張しやすいですよね。
なので、婦人科系に限らず内臓に不調がある場合は、腹筋を硬さをチェックしてみるといいかと思います。
腹筋をチェックする際は、
腹部上部:吐き気、噴出嘔吐、食欲不振、および摂食障害
腹部中央部:過度のガス、膨張感、腫脹、または灼熱感、慢性の下痢
腹部下部:夜尿症や婦人科系(生理痛)
このように上部・中部・下部の3つに分けて評価してみるとより詳細に問題がわかってくると思います。
それでは、本日はこの辺で失礼します。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の参考文献です。
これまで何度か紹介しています。
参考書の内容を、手頃にかつ簡単に実践できるのはこの参考書くらいでしょうか?というくらい見やすいです。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!
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