どうも。
KABOSUです。
今回は、
脊柱のことについて
記事をまとめていきます。
脊柱とは、頭部と骨盤の間にある背骨一つ一つが連なってできているものであり、通常S字に弯曲しています。
この脊柱ですが、人が生活していくうえで非常に重要な役割を果たしています。
脊柱がしっかり機能することで、腰痛や肩こり、頭痛など様々な症状が改善されます。
逆に現代人はこの脊柱の機能が十分に使えていないため様々な症状に悩まされているといえます。
今回は、この脊柱について少し掘り下げていきたいと思います。
同じ脊柱のことを書いた記事です。興味があればご覧ください。
学校では教えてくれない内臓と脊柱と筋肉の関連性について~内臓反射について~
1.脊柱とは?
脊柱は32~34個の椎骨が上下に連結して出来る骨格であり、椎骨は以下の5種類に分けられます。
□頸椎:7個
□胸椎:12個
□腰椎:5個
□仙椎:5個(仙骨1個)
□尾椎:3~5個(尾骨1個)
※、仙椎と尾椎は成長と共に癒合して、それぞれ仙骨、尾骨と呼ばれるようになる
脊柱は頭部と体幹を支持する骨格です。
体重を支えるため、椎骨、特に椎体は頸椎から仙椎に向かうにつれて次第に強大となります。また、脊柱には多数の筋が付着して体幹の運動を起こし、脊柱管には脊髄が通り手足の動きを引き起こすために必要な神経系の保護しています。
脊柱の大きな形態的特徴は弯曲していることです。
前方から見ればほぼ真っすぐではありますが、側方から見ると全体として緩やかなS字状の弯曲をしています。
□頸部と腰部は前方に凸の弯曲がみられる
□胸部と仙骨部では後方に凸の弯曲がみられる
胎児では、脊柱は全体として緩やかな後弯を示します。これを一次弯曲といいます。
※屈曲して丸まった状態でいる
これから生後から体重を支えるようになると、頸部と腰部における前弯が現れます。これを二次弯曲といいます。
頸部の二次弯曲は生後3~4か月ごろの、いわゆる”首が座る時期”に生じます。
そして、腰部の二次弯曲は生後1年前後の”歩行を始める時期”に生じるようになります。
図:脊柱の弯曲の年齢推移
このようにして、脊柱はS字状のカーブを構成するようになります。
2.脊柱の機能とは?
脊柱は、椎骨と椎間板、靱帯、筋により構成されます。
脊柱の基本的な動きは、屈曲(前屈)・伸展(後屈)・側屈・回旋となっており、運動の自由度は3で多方向への動きが可能です。
この脊柱の運動は、股関節の動きを伴うことが多く、個人差も大きいです。
そんな脊柱ですが、大きく2つの重要な機能があります。
その機能については以下に説明します。
衝撃吸収作用
脊柱がS字にカーブしていることで、長軸方向に加わる圧力に対する抵抗性がまっすぐな柱と比較して10倍に増すといわれています。
つまり、弯曲が形成されていることで歩くときや走る時に発生する足からの衝撃を脊柱が吸収し頭部を守っていると言えるわけです。
身体を多方向に動かす作用
脊柱の周りには多くの靱帯や筋が存在します。
それらの存在が脊柱に安定性を提供しています。
脊柱だけみれば、一つ一つの関節の可動性は低いものの、連続体で見れば比較的大きな可動性を要しています。
しかし、脊柱だけでは可動性は担保できても、安定性がありません。
そうなると「行ったっきり」的な運動になってしまい、常に不安定な動きになってしまいます。
これを周囲の筋や靱帯が調整しています。
このように、脊柱の構造と周囲の筋や靱帯により、身体を多方向に動かすことが出来、また微妙な身体操作を可能にしています。
3.脊柱に異常が生じるとどうなる?(機能不全を起こしやすい部位はどこ?)
脊柱は重心線との関係性が非常に密です。
これは、人間が二足歩行になり、重力に抗して姿勢を保持するためになります。
重心線に対して脊柱の位置がズレると、それだけ姿勢を保持するのに多大な力(無駄な力とも解釈できます・・・)を使うことになります。
つまり、脊柱の異常により、肩こりや腰痛、頭痛を引き起こしている場合は重心線に対して脊柱がどうなっているかを考えていく必要があるということですね。
で、重心線に対して脊柱のアライメントがどれだけ逸脱しているかを評価していくこと以外にも重要なポイントがあります。
それは、「脊柱のどの部分を重心線が通っているか?」です!
図:脊柱と重心線のライン
パリス・アプローチ 評価と適応 より引用
上の図をみてもらうとなんとなくわかるかと思いますが、
立った状態では、脊柱の中のそれぞれの移行部を重心線が通るようになります。
具体的に説明すると、
□頭部と頸椎の間の関節(上部頸椎)
□頸椎と胸椎の間の関節(頸胸椎移行部)
□胸椎と腰椎の間の関節(胸腰椎移行部)
□腰椎と仙椎の間の関節(腰仙椎移行部)
この4つの移行部を重心線は通ります。
このように、重心線が通る4つの移行部で機能不全が生じやすくなります。
重心が通るということが、様々が力がそこに集中するわけですから機能不全を起こしやすくなることは容易に予想できるかと思います。
さらに、「移行部」ということは、それぞれの関節の形態が急に変化する部位でもあり、そのことも機能不全を起こしやすい原因の一つに挙げられます。
※胸腰椎移行部では、胸椎の関節面から急に腰椎の関節面に変化するため、多少のズレが生じやすくなる(胸椎も上位から下位にかけて関節面の角度は変化してきているが・・・)
それでは、簡単にではありますが、それぞれの移行部の特徴を以下に説明します。
頭部と頸椎の間の関節(上部頸椎)
・後頭下から可動性のある上部頸椎への移行部
・水平である上部頸椎の椎間関節面が前額面上で45°の角度を頸椎椎間関節面へ移行
・上部頸椎(0-C1、C1-C2)には椎間板はない
・環軸椎関節関節面に共に凸
・後頭骨・環椎、環椎・軸椎間は多くの靱帯により支持されている
頸椎と胸椎の間の関節(頸胸椎移行部)
・可動性のある頸椎から可動性の少ない胸椎への移行部
・約45°の椎間関節面(頸椎)から約60°の椎間関節面(胸椎)へ移行する部位
・第1肋骨は第1胸椎のみと関節を形成(第2肋骨以下は2椎体と関節を形成)
・斜角筋群は第1肋骨の前内側面に付着し、第1肋骨を挙上する
胸椎と腰椎の間の関節(胸腰椎移行部)
・可動性の少ない胸椎から可動性のある腰椎への移行部
・椎間関節面60°(胸椎)からより矢状面(腰椎)へ移行する部位
・第10、11,12肋骨は第1肋骨同様の付着
・椎間関節非対称性が多い部位
※転倒により尻餅をついた場合は、胸腰椎移行部の圧迫骨折が非常に多い。これも重心線との関連性が考えられる。
腰椎と仙椎の間の関節(腰仙椎移行部)
・可動性のある腰椎から可動性の少ない骨盤への移行部
・椎間関節面が矢状面から前額面へ移行
・仙骨前屈運動とL5/S1椎間板形状によりL5/S1に大きな剪断力が加わる
・椎間関節非対称性が多い
・強く前傾した状態のままの仙骨の上に腰椎が乗る形となるため腰仙椎移行部には強いストレスがかかりやすい
・腰部の運動と安定において要となる部分となる
※L5/S1の重要性に関しては、様々な関節系の治療勉強会でも重要性が言われています。
4.まとめ
今回は、脊柱のことについてまとめていきました。
脊柱は一つ一つの椎体が連結して構成されています。
この連続性がスムーズに動いているか否かが、腰痛や肩こり、頭痛などの発生と関わってきます。
慢性的に腰痛や肩こり、頭痛に悩まされている人は一度、脊柱の硬さも見てみると良いかと思います。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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