椎間関節の制限パターンを理解しよう!頸椎と腰椎でパターンが違う!?

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理学療法
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どうも。

KABOSUです。

 

今回は先日の脊柱の話から続いて、

椎間関節について

まとめていきたいと思います。

 

まず脊柱の話に興味がある方はこちらからどうぞ。

脊柱の問題を評価するときに知っておきたい知識(肩こりや腰痛の治療に繋がる知識)

 

それでは本題ですが、

椎間関節は、椎体の後方に位置しています。

前方は椎体、後方は椎間関節で関節面を構成しています。

 

腰痛を治療する場合、関節が問題なのか?筋が問題なのか?を判断していきます。

この判断をまず行っていかなければ、椎間関節の硬さがあるのに筋のストレッチをしても十分な効果は見込めませんよね。

 

まずは「どの組織に制限をきたしているのか」を判断する必要があります。

そのためには椎間関節の制限パターンを理解しておくと簡単に筋性なのか、関節性なのかの判別がつくようになりますよ。

 

 

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1.椎間関節とは?

椎間関節は、椎体の後方に位置し、後方の支持を行っている関節です。

一般に起立時には、上半身の体重は8割は椎間板に、2割が椎間関節を介して下位椎体に伝えられるとされています。

そして、腰椎伸展時には椎間関節にかかる割合が増加します。

腰椎組織の受容器の機械的閾値(どれだけ痛みを感じやすいか)に関してですが、

椎間板は241g(164~279g)

椎間関節は6.0g(0.8~32.5g)

このようになっています。

つまり、椎間関節は侵害受容器に対して比較的高い感受性を有し、ADLや不良動作等に起因する非特異的急性腰痛に主体的に関与することになります。

簡単に言い換えると、

椎間板に比べ、椎間関節はかなり弱い刺激に対しても反応してしまうということです。

つまり椎間関節は痛みに弱いってことですね。

 

 

2.体幹の可動時、椎間関節はどう動く?

体幹の動きの中で、関節は様々な動きをして細かい動きを引き出しています。

ここでは、動きを単独の動きに落とし込んで椎間関節がどう動いているかを見ていきます。

体幹の前屈・後屈・側屈・回旋の4つのパターンを説明していきます。

ただし、下記に示す椎間関節の動きは「腰椎の動き」となります。

後で説明していきますが、頸椎は胸腰椎と少し動きが違ってきますので注意が必要です。

 

前屈の動き

図:前屈時の椎間関節の動き

前屈運動に際して、椎体に重心が移動します。

それに伴い、椎間関節は離開していきます。

つまり、上下の椎間関節同士が離れていくわけなので、もし椎間関節の関節包などに制限をきたしている場合は椎間関節の離開が上手く行われないため前屈制限を生じます

 

前屈時に、腰椎部がフラットになっている場合は、腰部の椎間関節の制限が考えれます。

※本来は前屈時に腰椎は後弯します

 

後屈の動き

図:後屈時の椎間関節の動き

後屈運動に際して、椎間関節へ荷重が移動します。

それに伴い、椎間関節同士は衝突していきます

つまり椎間関節同士の距離は縮まるわけです。

もし、後屈運動時に鋭い痛みが生じる場合は関節包の挟み込みが生じている可能性があります。

 

側屈の動き

図:椎間関節の側屈の動き

体幹の側屈運動に際し、椎間関節は側屈した側と反対側の椎間関節が離開します。

右側屈であれば、左の椎間関節が離れていきます。

側屈運動時に、腰椎の側方へのカーブが生じず、側屈時も腰椎がフラットになっている場合は椎間関節の制限が考えれます。

※右側屈時に腰椎フラットが確認される場合、左の椎間関節の制限が考えられます。

 

回旋の動き

図:椎間関節の回旋の動き

体幹の回旋運動時、同側の椎間関節の離開が生じます

右回旋であれば、右側の椎間関節の離開が生じるということですね。

そして、回旋運動時には、回旋に伴って脊柱も緩やかに弯曲してきます

椎間関節に制限がある場合、緩やかな弯曲が急になくなり、制限された椎間関節レベルから下位が急にフラットになります。

例えば、L1の右側の椎間関節に制限がある場合、右回旋の評価でL1以降の脊柱がフラットになってきます。

このような動きがみられる場合は椎間関節の制限を疑います。

 

 

3.椎間関節の制限パターン

上述した椎間関節の動きをイメージしつつ、椎間関節の制限パターンを理解していきます。

腰椎の場合は、上述した通りの制限パターンとなります。

しかし頸椎の場合は、回旋の制限パターンが逆になりますので注意して覚えましょう!

腰椎の場合(左椎間関節が制限されている例)

●前屈⇒左へ変位

●右側屈⇒制限される

●左回旋⇒制限される

●左側屈⇒制限なし

●右回旋⇒制限なし

腰椎の場合は、側屈と反対方向の回旋制限が生じる

 

例えば、腰痛がある方で、椎間関節性の問題なのか、筋の問題なのかを判断する際に、脊柱の自動運動テストを行います。

この時に、体幹の前後屈・側屈・回旋運動を評価し、椎間関節の制限パターン通りに体幹の可動域制限が生じるかをみていきます。

≪椎間関節の制限がある場合≫

●前屈・・・制限あり⇒筋性か、椎間関節性か?

●側屈・・・右側屈に制限あり⇒左の筋の硬さか、左の椎間関節の制限か?

●回旋・・・左回旋に制限あり⇒回旋筋の制限か、左椎間関節の離開が生じていない?

上記の場合、左の椎間関節の制限が疑われます。

このように、椎間関節の制限パターンと同じように体幹の可動域制限が見られた場合、椎間関節の制限であると考えます。

 

≪筋の制限がある場合≫

●前屈・・・制限あり

●側屈・・・右側屈に制限あり

●回旋・・・右回旋に制限あり

上記の場合、左側腹部および左背部の筋組織の制限を疑います。

このように椎間関節の制限パターンを理解していると、そこから逸脱した制限を見ていけば、簡単に筋性の制限なのか、関節性の制限なのかを評価することができます。

 

頸椎の場合(左椎間関節が制限されている例)

ちなみに、頸椎の場合は、以下の通りになります。

●前屈⇒左へ軽度変位

●右側屈⇒制限される

●右回旋⇒制限される

●左側屈⇒制限なし

●左回旋⇒制限なし

頸椎の場合は、側屈と同側の回旋が制限される

腰椎のパターンと異なるのは、回旋の制限になります。

頸椎の場合は、側屈時の制限パターンは腰椎と同じですが、回旋の制限パターンは腰椎と異なります。

つまり、頸椎の場合は右回旋で左の椎間関節が離開し、右の椎間関節は衝突していく動きを取るということになります。

逆に、左回旋では、左の椎間関節が衝突する動きを見せ、右の椎間関節が離開していくようになります。

少しイメージしながらなのでわかりにくいと思いますが、とにかく腰椎と頸椎では回旋の制限パターンだけ反対になるということは覚えておくと、さっきも言いましたが「筋性なのか、関節性なのか」の判別がつきやすくなります。

 

 

4.まとめ

今回は、椎間関節の制限パターンについてまとめていきました。

体幹の動きに対して関節がどう動くか?はなかなかわかりにくいですよね。

しかし、今回紹介した椎間関節の制限パターンを理解すれば、ただ体幹の自動運動でこの辺が固そう・・・など単純な評価ではなくしっかりどこが問題になるのかがわかるようになります。

制限パターンを理解しても実際に評価しながらだと、分からなくなります。

まずは健常者で覚えながら評価していくと理解が進むと思います。

 

それでは本日はこの辺で。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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