どうも。
KABOSUです!!
今回は、
「東洋医学」
についてです。
リハビリでも対象者に介入するときは必ず「問診」を行います。
□どのような症状があるのか?
□何に困っているのか?
などなど、、、
問題点の抽出や治療方法の決定のためには「問診」は必須になります。
今回は、その「問診」時に東洋医学的視点を取り入れる方法を書いていきたいと思います。
どうしても、
ただただ問診を行っていくと、身体の所見など目に見える問題にばかり目がいってしまいます。
しかし、東洋医学的視点も取り入れることで、
”対象者の性格”や”対象者はこの症状をどう捉えているのか?”など対象者の背景の理解がしやすくなります。
「痛みの理解」なんて本当に難しいですよね?
そりゃ主観的な問題なので、完全に共有することなんて無理ですよね。
だから、痛みの問題に対するリハビリも中々大変です。
痛みは情動面も関わってきますから、患部の問題以外に心の問題も考えていかなければいけません。
そういった点でも五行色体表を理解しておくと治療の選択肢が広まります。
1.まずは五行色体表の内容から
東洋医学には
「五行色体表」
というものがあります。
五行色体表とは?
五行色体表とは、季節から人体まで、自然界のあらゆるものを五行に当てはめ、まとめたもの。
様々なものを5つの要素に当てはめているので、形骸化している部分もある。
東洋医学のきほん帳より引用
下の表は実際の五行色体表になります。
五行それぞれの特徴をまとめたものです。
図:五行色体表(一部)
みると漢字ばかりで
分かりづらいかと思います。
しかし、これを理解していくと
その人その人の性格や特徴を理解していくときに非常に役立ちます。
例えをあげると、
「五志・五情」
は
木 → 肝 → 「怒」
火 → 心 → 「喜」
土 → 脾 → 「思」
金 → 肺 → 「憂」
水 → 腎 → 「恐」
とこのように分類されます。
五志・五情はそれぞれの臓腑がどの「感情」と関連があるかを示しています。
肝であれば、怒り・イライラとか・・・
心であれば、喜びとか・・・
脾であれば、思い悩みとか・・・
肺であれば、憂いや悲しみとか・・・
腎であれば、恐れや恐怖とか・・・
になります。
この五行を判断するときには、
対象者が「いまどういう心理状態なのか」をみて判断します。
臓腑に当てはまる心理状態の時にその臓腑に負担がかかっていると判断していきます。
例えば、話しているときに
イライラしているとか、
いつも悩んでいるとか、
ビクビク怯えているとか、
こんな時に「あー今ここに負担がかかってそうだな」とか考えていきます。
このように五行色体表を理解していくと、相手のことを理解しやすくなります。
そうなると人間関係の構築なんかも今よりも良くなるかもしれませんね。
※ちなみに、東洋医学的に診断をするときは、 よく舌診や脈診などが有名かと思いますが、今回はそこをひとまず置いといて、問診のみに絞って説明します。
2.五行色体表はこのように解釈していく
ここからは五行色体表をどのように解釈していくかを説明していきます。
①五根(五官)~病気があらわれる部位~
●肝は「目」、視力の低下などは肝の疲れが考えられる
●心は「舌」、味覚障害や舌の炎症は心の疲れが考えられる
●脾は「口(口唇)」、口内炎などは脾の疲れが考えられる
●肺は「鼻」、嗅覚の異常や鼻の炎症は肺の疲れが考えられる
●腎は「耳」、耳が遠くなる、耳鳴りなどは腎の疲れが考えられる
※五官は、「見ること」・「話すこと」・「食べること」・「嗅ぐこと」・「聞くこと」とも考えられます。
※それぞれの臓に負担がかかると、対応する部位に症状が出ます。
②五主~関連のある部位~
●肝は「筋肉」と関連がある⇒悪くなると「こむら返り」などが起こりやすくなる
●心は「血脈(血液循環のようなもの)」⇒悪くなると血液がどろどろになる(動脈硬化)
●脾は「肌肉(脂肪など)」⇒悪くなると肌に弾力がなくなる
●肺は「皮膚」⇒悪くなると肌荒れが起きる
●腎は「骨や歯」⇒悪くなると骨がもろくなる(骨折しやすくなる)
※腎は先天の気であり、歳と共に弱ってくるものです。なので高齢になるのつれ腎が弱り、骨折も起きやすくなります。
③五華~体調の変化により起こる反応~
●肝に異常がある時は、「爪」に異常が出る(爪が割れるなど)
●心に異常がある時は、「顔面」に異常が出る(顔色など)
●脾に異常がある時は、「唇」に異常が出る(唇の端が裂けるなど)
●肺に異常がある時は、「体毛」に異常が出る(毛が濃くなったりなど)
●腎に異常がある時は、「髪」に異常が出る(きしむ・つやがなくなるなど)
※腎は先天の気で徐々に衰退していきます。だから高齢者は白髪や髪が薄くなったりします。
④五志・五情~感情~
●肝は「怒り」
●心は「喜び」
●脾は「思い悩み」
●肺は「憂・悲しみ」
●腎は「恐れ・恐怖」
※それぞれの臓の異常は人の性格や感情からも推測できます。
※どんな感情があるかを判断します。心と身体の関係は深く、感情によるストレスが身体に影響を及ぼします。
※悩みが多い人は食が細くなります(消化器系の問題 脾経)。
※びくびくしている人は常に腰が引けています(腰痛が起こりやすい 腰痛と腎の関係は深い)。
⑤五労~過労~
●肝は「久行」といい、「歩行」と関連する(歩きすぎ)
●心は「久視」といい、「目」と関連する(目の使い過ぎ)
●脾は「久坐」といい、「座ること」と関連する(長時間座りすぎ)
●肺は「久臥」といい、「寝ること」と関連する(長時間寝すぎ)
●腎は「久立」といい、「立つこと」と関連する(長時間立ちすぎ)
※肝が不調の場合は、「歩くのがきつくなってくる」、腎が不調の場合は、「長く立っていられなくなる」などの訴えが聞かれます。
※現代人は長く立つ機会が減っています。そのため腎が弱り、若い人でも腰痛など発症します。
⑥五香~口臭や体臭~
●肝の異常は「あぶら臭くなる」
●心の異常は「焦げ臭くなる」
●脾の異常は「かんばしくなる(香ばしい臭い)」
●肺の異常は「生臭くなる」
●腎の異常は「腐った臭い」
※どんな口臭、体臭がするかでどの臓器に問題があるか判断します。
⑦五季~季節~
●肝は「春」
●心は「夏」
●脾は「土用」
※“土用”というのは四季にそれぞれあります。夏だけでなく(土用のウナギの日はイメージしやすいと思います)、実は四立という立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間がそれぞれの季節の土用と言われています。
※「季節の変わり目」で覚えるとイメージしやすいかと思います。
●肺は「秋」
●腎は「冬」
※五季は「季節の移り変わりでどの経絡が活性化するか」で理解します。
※夏は「心」が活性化します。心が弱っていたら活性化すべき時に活性化できないので症状として現れます。
※季節の変わり目に体調を崩しやすい人は脾経が悪いかもしれないと判断します。
⑧五味~好む味~
●肝は「酸」、酸味が肝を栄養する
●心は「苦」、苦味が心を栄養する
●脾は「甘」、甘味が脾を栄養する
●肺は「辛」、辛味が肺を栄養する
●腎は「鹹(塩辛い)」、塩辛い味が腎を栄養する
※対象となる臓が不調であるとき、好む味。つまり積極的に摂取すべき味になります。
※逆に五禁というものもあり、摂取しすぎると対象となる臓に負担がかかります(相剋関係)。
※五禁:肝(辛いもの)・心(塩分が多いもの)・脾(酸っぱいもの)・肺(苦いもの)・腎(甘いもの)
⑨五色~顔色で判断する~
肝は「青」、神経質・怒りやすい人は、目のあたりに青すじができやすい
心は「赤」、気持ちが高ぶると赤ら顔になる(高血圧の人など)
脾は「黄」、消化器系の不調があると、顔色や手足が黄色っぽくなる
肺は「白」、肺に異常(呼吸器系)があると、かさついた色白の肌になる
腎は「黒」、排泄系の問題により顔色はどす黒くなる(腎臓の病気で透析など行っている人など)
※それぞれの臓の異常で顔色に変化が出ます。
※顔色をみる事で五臓のどこが疲れているのか(負担がかかっているのか)を判断します。
以上が五行色体表の内容の一部になります。
細かく見ていくと日常生活でも活用できそうな内容ではないでしょうか?
3.実際に五行色体表を使ってどのように解釈するか?
では次に、実際に五行色体表を使って問診を行ったとします。
その際に、私自身が五行色体表を通して意識していることは、
・声のトーン
・話の内容
・顔色
・どんな症状(何をするときつい(痛い)か) 負の反応の確認
・いつ体調が悪くなるのか(季節や時期)
などなど・・・
を確認しながら問診するようにしています。
そしてこの問診に合わせて、経絡の評価も合わせていくことで問題点をしぼっていきます。
例えば、
季節の変わり目に体調をくずしやすく、いつも悩みを抱えている人は、
「脾・胃」に異常がある可能性は高いわけです。
経絡に置き換えれば、「脾・胃」の経絡は身体の前面を通るので、身体の伸展運動を阻害するようになります。
これらを合わせて考えると、
「季節の変わり目の異常」・「悩みが多い」⇒「脾・胃」の異常が考えられる
「身体を反れない」⇒経絡の異常から「脾・胃」の異常が考えられる
つまり、1つの考え方として、
「季節の変わり目の異常」・「悩みが多い」人は、
「身体を反れない」ようになっている(伸展型の腰痛)
可能性が考えられるってことになります。
五行色体表の実際の例についてはこちらの記事でもまとめています。
↓↓
4.まとめ
以上のように五行色体表を使って考えていくと、
対象者の痛みや不調の訴えをより深く理解できるようになると思いませんか??
東洋医学を理解していくことに興味がわきますよね??
リハビリでは、一般的に「腰が痛い・身体が反れない」などの症状があれば、
筋をマッサージしたり、
筋力訓練したり、、、
と限局した介入になると思います。
そういう点では東洋医学的な視点を意識すれば、
ただ「身体が反れない」というワードからも色々問診する内容が広がりますし、
「脾・胃」の症状と当てはまれば
食事指導だってできるわけです。
(五味や五禁を利用すれば何を積極的に摂取して何を控えたほうがいいのかが指導できます)
(逆に何を過剰に摂取しているから、そのような症状が出ているのかがわかるため、相手の嗜好品など当てることも可能かと・・・)
このように東洋医学的な視点を理解していくと全身を総合的にみようとする力が身に付くと思います。
みなさんも興味があれば是非!東洋医学に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか・・・
それでは本日はこの辺で!
ありがとうございました。
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