どうも。
KABOSUです!!
本日は
腰痛について
書いていきます。
前回
という内容で疾患についても少し紹介しました。
今回はその中でも
仙腸関節
について書いていこうと思います。
日本人は欧米人と比べて仙腸関節性の腰痛が多いと言われています。
その理由や対処法について書いていきたいと思います。
1.仙腸関節とは?
①仙腸関節の特徴
仙腸関節と聞くと、「不動の関節??」なんてイメージがあると思います。
確かに、構造的に安定している部位なので動きそのものは非常に少ないです。
しかし、この微妙な動きが非常に大切であると言われています。
仙腸関節の構造としては、
生まれたての頃は、「関節面が平らな関節」です。
そして、
生活により不規則に変化し、年齢とともに「安定した関節」となる
といった経過をとります。
次に仙腸関節の機能としては、
「可動性」よりも「荷重支持」
がメインとなります。
そして、
運動神経に乏しく、疼痛に敏感である
とされています。
これは、仙腸関節には侵害受容器が多く存在するためと言われております。
仙腸関節に存在する固有感覚受容器と侵害受容器の比率を調べた研究では、
●固有感覚受容器が1つ
●侵害受容器が28個
と侵害受容器が圧倒的に存在していることが示されてる
※機械的閾値が7g以上の受容器を「侵害受容器」、7g以下の受容器を「固有感覚受容器」としている
なので、仙腸関節性の疼痛は生じやすいんでしょうね。(侵害受容器が多いから)
そして、仙腸関節の存在を意識して生活している人も少ないですもんね。(固有感覚受容器が少ないから)
また、仙腸関節は「靱帯による制動」が強い関節でありますが、
妊娠~出産時には恥骨結合と共に仙腸関節も開きます。
これは、「靱帯のゆるみ」により生じるものであり、
この靱帯のゆるみは「ホルモンの影響」であるとされています。
ゆえに、仙腸関節性の疼痛は”女性に多い”とも言われています。
簡単に仙腸関節性の疼痛が女性に多い理由を書きます。
●関節面が男性に比べ小さい(男性は仙骨に対し腸骨が覆いかぶさっている)
●関節面が滑らか(平面)
●股関節から遠い
●ホルモンの変化(靱帯が緩む)
●習慣的な一側下肢での立位
●出産と出産時のストレス
●性交
などが挙げられます。
②仙腸関節の動き
仙腸関節の動きには、
主に「前傾・後傾」が挙げられます。
これは、
仙骨に対して腸骨がどう動くかで判断されます。
前傾:仙骨に対して腸骨が前方に回旋する
後傾:仙骨に対して腸骨が後方に回旋する
そして、反対に
腸骨に対して仙骨の動き
も理解しておく必要があります。
仙骨の動きに関しては、
腸骨に対して仙骨が前傾する「うなずき運動(ニューテーション)」
と
腸骨に対して仙骨が後傾する「起き上がり運動(カウンターニューテーション)」
の2種類があります。
仙腸関節を理解する上では「腸骨に対しての仙骨の動き」を理解しておくことが大事になります。
で、
仙骨のうなずき運動と・起き上がり運動ですが、
簡単に言えば、
うなずき運動:仙腸関節は安定(ロック状態)
起き上がり運動:仙腸関節が不安定(アンロック状態)
となります。
なので、仙腸関節性の疼痛が生じるときは、
仙腸関節のアンロック(起き上がり運動)が起こっている状態
のことを言います。
③仙腸関節を制動する靱帯
②の仙腸関節の動きで”うなずき運動”と”起き上がり運動”の説明をしましたが、
この2つの運動は靱帯の制御が大きく関わっています。
うなずき運動:仙結節靱帯とその他の靱帯が緊張する
起き上がり運動:長後仙腸靱帯のみが緊張する
プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用
ここでわかるように、”起き上がり運動”に関しては緊張する靱帯が一つしかありません。
そのため
仙骨の起き上がり運動時に靱帯の制動が弱まり、結果仙腸関節の不安定性をきたしやすくなります。
逆にうなずき運動時は、仙結節靱帯を含む多くの靱帯(骨間仙腸靭帯・仙棘靭帯・前仙腸靭帯)が緊張するので、より仙腸関節を安定化に導きます。
このことからも「仙骨のうなずき運動」は骨盤そのものの安定化に重要な動きとなります。
④仙腸関節の支配神経
仙腸関節は支配神経が多く、
それが、仙腸関節性の疼痛の原因になっています。
支配神経が多いということは、複数の部位に影響を起こすということです。
つまり、支配している筋などに痛みを生じやすいということです。
仙腸関節の支配神経は、
L4~S3
まであると言われています。
つまり膝下から下肢後面全般を支配しているということになります。
その中でも特に中殿筋(上殿神経)と関わりが強く、
片脚立位などの不安定性をきたしやすいです。
2.日本人に仙腸関節性の疼痛が多い理由
日本人に仙腸関節性の疼痛が多いのは生活様式などが関わっていると言われています。
欧米人と比較しながら解説していきます。
日本人と欧米人の腰椎・骨盤の一般的特徴の違い
●日本人:A-Pの差が0~2横指ほど
●欧米人:A-Pの差が3横指以上
※欧米人の方が反り腰であるという特徴がわかります。
※「A-Pの差」とは、骨盤の前後傾を見る指標のこと
※「A」はASIS(上前腸骨棘)、「P」はPSIS(上後腸骨棘)
※横指とは簡単に言えば「指一本が1横指」といい、2横指では指2本分の差という意味
このことから、
欧米人は腰椎前弯が強く、椎間関節性の疼痛が多い
日本人は70~80%が仙腸関節性の疼痛である
と言われています。
確かに欧米人と日本人のお尻を見比べるとヒップアップの仕方が全然違いますよね。
具体的に説明していくと、
日本人は欧米人に比べ、
腰椎の前彎が少なく、骨盤の前傾角度が少ない(A-Pの差が0~2横指しかないので)
そのため、
骨盤は後傾位を取りやすい
そうなると、
仙腸関節はルーズポジション(緩んだ状態)となり、仙腸関節の不安定性となる
そして、
仙腸関節性の疼痛を生じる
という流れになります。
この原因は、和式生活にあると言われています。
まぁすべてではないでしょうが・・・
正座やあぐら、しゃがみこみなど床上生活を主とする日本人は
どうしても骨盤後傾位をとりやすい肢位がメインになってしまった
ことが仙腸関節性の疼痛を多くしてしまっていると言われています。
プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版より引用
今回はここまでにします。
次回、仙腸関節性の疼痛についての評価の方法やエクササイズ方法を書いていきたいと思います。
それではこの辺で!
ありがとうございました!!
コメント