腰痛を治すには横隔膜と骨盤底筋群の連動性が重要【Zone of Appositionについて】

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腰について
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どうも。
KABOSUです!!

 

今回は腰痛に関連する”横隔膜”と”骨盤底筋群”について書いていきます。

横隔膜と骨盤底筋群は

体幹筋の中で上下に位置する組織になります。

 

「腹横筋と多裂筋で体幹の前後を支持し、横隔膜と骨盤底筋群で体幹の上下を支持する」

 

このように上下・前後からの支持により体幹を安定させているのがインナーマッスルになります。

 

今回は上下の支持機構の組織の関連性を踏まえてまとめていきたいと思います。

 

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1.横隔膜・骨盤底筋群とは?

まずは横隔膜・骨盤底筋群とそれぞれの筋肉について説明します。

①横隔膜

横隔膜は、呼吸運動に関する筋肉の一つです。

横隔膜の起始部は腰椎部・胸骨部・肋骨部の3部からなり、ドーム状となっています。

停止部は横隔膜中央部の腱膜(腱中心)と呼ばれる部位になります。

 

呼吸で特徴的なのは、唯一自律神経を自己でコントロールできるというところです。

自律神経は”交感神経”と”副交感神経”の2種類に分けられます。

 

簡単に言うと、

●交感神経 : 興奮しているときに働く神経

●副交感神経 : リラックスしているときに働く神経

このように分けられます。

 

例えば、

極度に緊張したとき誰もが行うこととして、”深呼吸”が挙げられますよね。

 

「深呼吸をしてリラックスする」

 

このように意識したり他人にアドバイスしたこともあるかと思います。

 

このように呼吸は自律神経系にも大きく関わっているということです。

なので呼吸筋の一つである横隔膜も自律神経系との関わりが深いということになります。

 

 

※補足ですが、呼吸は”吸う”、”吐く”の繰り返しになりますが、

”吸うとき”⇒交感神経が活性化される

”吐く”とき⇒副交感神経が活性化される

ようです。

なのでリラックスしたいときはしっかり吐くように意識していくといいですね。

 

②骨盤底筋群

骨盤底筋群とは、骨盤の底部にハンモックのような状態で位置し、子宮や膀胱および腸などの内部臓器を支える役割を果たす筋肉とされています。

 

肛門挙筋、会陰横筋、球海綿体筋、外肛門括約筋、外尿道括約筋、坐骨海綿体筋などで構成され、肛門挙筋はさらに腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋からなっています。

 

これらの筋を総称して骨盤底筋群と呼びます。

 

中年以降の女性に尿漏れの訴えが多いのは、加齢に加えて出産や肥満などが原因となり、骨盤底筋群が衰えて緩みがちになるためと言われています。

 

骨盤底筋群が緩むことにより、膀胱や尿道、肛門を引き締めることができなくなります。

つまり出口が開きやすくなっている状態ですから、尿漏れが生じるというわけですね。

 

尿漏れについての記事はこちらから

切迫性尿失禁などによる尿漏れの改善のためには骨盤底筋のトレーニングが重要
「尿漏れ=骨盤底筋を鍛える」このように骨盤底筋をトレーニングすることは尿失禁の改善に有効であることは周知の事実です。 非常に小さい筋の集まりである骨盤底筋ですが、体幹のインナーマッスルとしての機能もあり、身体の中で比較的重要な組織として挙げられます。今回は、この骨盤底筋に関して尿失禁の改善と絡めてまとめていきたいと思います。

 

 

この骨盤底筋群ですが、内転筋や内閉鎖筋との連結があると言われており、直接的なトレーニングから間接的なトレーニングまで様々な方法が紹介されています。

 

2.横隔膜・骨盤底筋群の作用

ここからは横隔膜・骨盤底筋群のそれぞれの作用について述べていきます。

①横隔膜

横隔膜の作用に関してですが、

一つ目が、「呼吸筋としての働き」になります。

横隔膜が収縮するとドーム状の円蓋が下がり、胸腔が拡張し、肺が拡張します。

 

要するに呼吸(腹式呼吸)が行われます。

※横隔膜は吸気で下方に下がっていきます。そして呼気で元の位置に戻っていきます。

 

 

そして、二つ目が「体幹の安定化としての働き」です。

横隔膜は腹部の筋と協同して腹圧を高める作用もあり、体幹の安定化にも寄与しています。

 

そしてこの体幹の安定化に横隔膜がしっかり関与できているかを判断するためには、

この「”Zone of Apposition”=横隔膜と胸郭が接触するポイント」をしっかり知っておく必要があります。

この”Zone of Apposition”とはなんなのか?ですが、

簡単に言えば、「横隔膜の動く幅」といえます。

このZone of Appositionの評価方法として、

「呼吸時の下位肋骨の動きの評価」があります。

下位肋骨の動きは横隔膜の動きの左右されます。

 

よって横隔膜の動きの幅がZone of Appositionとして説明できます。

 

そして、このZone of Appositionが減少することで起こる弊害が重要になります。

下図にまとめています。

Kyndall L.Boyle,et al 2010

様々な弊害がでることがわかりますね。

腰痛をはじめ、頭痛まで出るようです。

 

このようにZone of Appositionは横隔膜のみのことではありませんが、横隔膜が大きく関わっています。

 

②骨盤底筋群

骨盤底筋群は尿や便の排泄に関わると同時に、膀胱や尿道および膣、肛門を引き締め、尿漏れや便漏れを予防する役割を果たしています。

 

逆に骨盤底筋群が固くなっている場合、

便秘などの問題も出てきます。

 

要するに骨盤底筋群は、

排泄物の蛇口の役割を果たしていると言えます。

 

そしてもう一つの機能として、

体幹の安定化に寄与します。

インナーマッスルの中でも重力の圧を最も受けるのが下部から体幹を支える骨盤底筋群になります。

 

そのため、骨盤底筋群は体軸の土台ともいわれており、

筋力低下と共に下垂しやすい内臓を引き上げる役割もあります。

 

 

3.横隔膜・骨盤底筋群の連動性

横隔膜・骨盤底筋群ともに作用としては、それぞれあるものの、体幹の安定化は共通してあります。

この両筋ですが、

それぞれ個別で働くわけではなく、協調して体幹の安定化を行っています。

このように、

吸気時は、横隔膜が下方に下がり、骨盤底筋群は緩む(拡がる)。

呼気時は、横隔膜が上方に挙がり、骨盤底筋群は収縮する(縮む)。

といった連動した動きが見られます。

 

このパターンが崩れているときは体幹の安定化が欠如している可能性があると言えます。

それぞれ個別でしっかり機能していない場合は当然体幹筋としての機能不全に陥っているわけですが、このパターンもしっかり見れるともっと深い評価が可能になると言えます。

 

で、このパターンが崩れているときは、下図のような状態になります。

本来であれば、くしゃみや咳の時、腹圧(腹腔内圧)が高まるはずですが、

両筋の機能不全があると腹圧が高まらずくしゃみや咳の時に腰痛が増強したりします。

 

意識的に感じるとしたら、くしゃみの際に

●腹部がへこむか?

●お尻の穴が締まっているか?

などで感じることができます。

 

お尻の穴が締まっているかなんて、、、と思うかもしれませんが、

私も意識してみたら、意外と感じるものですね。

 

私の場合は、くしゃみが出そうになった時に、

腹部とお尻の穴を実際に手で押さえて確認しました。

 

そしたらしっかり腹部はへこみ、お尻は締まっていました。

 

このように

筋同士の連動により体幹の安定化が図られていることを肌で感じ、協調して働くことの重要性を感じさせられました。

 

 

4.横隔膜・骨盤底筋群のトレーニング方法

ここからは実際のトレーニング方法を書いていきます。

①横隔膜と骨盤底筋群の協調運動(Zone of Appositionの最適化)

 

【方法】

●あおむけの状態で、股関節・膝関節を90°曲げた状態を取る。

●両ひざの間にゴムボールを挟む。

●両足は壁に着くようにし、無駄に腹部に緊張が入らないようにする。

●骨盤は後傾しすぎないように腰を少し浮かす気持ちでキープする。

●この状態で風船を膨らませる。

●なるべく姿勢が崩れないように数回、風船を膨らませる動作を行う。

 

【注意するポイント】

□両ひざに挟んだボールを落とさないように(内転筋の収縮)

□下腹部を意識して風船を膨らませるように

□風船を膨らませるときにお尻を締めていく

 

以上が、Zone of Appositionの最適化のための運動になります。

呼吸とうまく連動して運動を行うことがポイントになります。

 

 

②骨盤底筋群のトレーニング

骨盤底筋群のトレーニングですが、単純にお尻の穴を締める運動をしていけばある程度、骨盤底筋群は収縮します。

 

【日常生活上で意識する場合】

●座っている状態

●立っている状態

●寝ている状態

 

それぞれで、たまにでいいので

お尻の穴締める⇔緩めるという運動を繰り返す

がおススメです。

 

ただポイントとして、

ある程度持続して行う(10回を2~3セット行うなど)

必ず締める⇔緩めるをしっかり行う(中途半端はNG)

「締める⇔緩める」スピードを変えて行う

「お尻の筋肉」を締めるのではなく「お尻の穴」を締める

 (尾骨を触ると骨盤底筋群の収縮を確認できます)

この4点を意識すると効果が高まります。

 

 

【時間をとってトレーニングを行う場合】

時間がある場合、より意識して行うことをお勧めします。

さらに上記でも述べた横隔膜との協調を意識したほうがより効果が高まります。

【方法】

①椅子に座る(背筋を伸ばし骨盤を起こして両足底はしっかり地面についておく)

②四股踏み

のどちらかの姿勢をとります。

※②の四股踏みの姿勢の方が効果は高いです。

 

その状態でお尻の穴を締めていきます。

このとき、息を吐くときにお尻の穴を締めていきます。

そして、息を吸うときにお尻の穴を緩めていきます。

(横隔膜と骨盤底筋群の協調運動)

 

さらに姿勢の意識として、

お尻の穴⇒背骨⇒頭のてっぺん

この3点が一直線になるように姿勢をとっていきます。

 

※猫背になったり反りすぎてもNGです。

 

このように呼吸と協調させて行うことと姿勢を意識して行うことで効果は高まります。

 

 

5.まとめ

今回は、横隔膜と骨盤底筋群の2つの体幹筋のトレーニング方法などを書いていきました。

体幹筋というと、腹横筋や多裂筋のイメージが大きいかと思います。

そのため、「腰痛に効く体幹トレーニング」なんかで調べると、

大体、腹筋運動やプランクや背筋運動などがよく見られます。

しかし実際に臨床で評価をしていくとき、

腰痛がある方の多くは”呼吸が浅い”という問題を抱えています。

その際、腹横筋や多裂筋といった前後の問題だけではなく、横隔膜や骨盤底筋群といった上下の問題も多くの方が抱えている問題なのではと思います。

 

巷でよく言われているトレーニングを行っても効果がないなんて人は、

視点を広げて横隔膜や骨盤底筋群を意識してみるのも一つの手かと思います。

 

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それでは本日はこの辺で。

ありがとうございました!!

 

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