どうも。
KABOSUです。
今回は
肩の痛みについて
です。
皆さんは肩こりを経験したことあるでしょうか?
ある人は分かると思いますが、非常につらいですよね・・・
あの何とも言えないような痛みや重だるさ・・・
その肩を揉んでもらったときの解放感は一言で言うと”最高”ですよね!
ただ、肩をもんでもらっても数時間後、もしくは翌日には元に戻っている・・・なんてことありませんか?
そうなんです。肩は揉んでも治らないんですよ。
もちろん肩のコリを揉むことで改善する肩の痛みもありますが、たいていの痛みは肩をもむだけでは改善しません。
今回は、そういった肩の痛みについて解説をしていきたいと思います。
1.肩こりの原因は?
肩こりの原因は「悪い姿勢をとる」こと
「あー肩が痛い。肩揉んで。」
「モミモミ」
「だいぶ楽になったー」
肩を揉んでもらうと少しすっきりしますよね。
ただ、すぐに元に戻りませんか?
実際、肩のコリは原因ではなく、結果であるため、原因をほったらかしにしていてはまたすぐにコリが出てきてしまいます。
では、何が原因で肩こりになるのでしょう?
肩こり=結果
??=原因
この「??」に入るキーワードは、「姿勢」ですね。
悪い姿勢をとると一定の場所に負荷が集中します。
それが肩こりに繋がるということです。
ただ、「姿勢」といっても様々です。
肩こりになりやすい姿勢としては、”猫背”が挙げられます。
猫背になると、
●背中が丸まる
●肩が内巻きになる
●顎が前方に出る(頭部が前方に位置する)
などの姿勢の崩れが見られます。
猫背に関しての詳細が知りたい方はこちらの記事へ
肩こりを感じる所はどうなっている?
上記の内容から、猫背になると肩こりを生じやすいということでした。
では実際に肩こりを感じている、いつも揉んでもらいたいと思う場所は一体どのようになっているから揉んでもらいたくなるのでしょうか?
猫背になり、肩が凝っていると感じる場合、
「僧帽筋の上部線維」という筋肉
「肩甲挙筋」という筋肉
が凝り固まっている場合がほとんどです。
猫背になり頭を前方に突き出した状態をとることで、
僧帽筋の上部線維は通常の位置から前面に乗り出してくるような位置をとります。
つまり、”肩をすくめている状態になっている”というわけです。
肩甲挙筋は、首と肩の間にある筋肉で首を支えている筋肉の一つです。
猫背になることで頭が前方にズレるので、肩甲挙筋が常に頭の重みを支える働きをするようになりストレスフルになっています。
このように、肩をほぐすことで上記の筋肉が一次的に緩みますが、姿勢そのものは変わっていないのでまたすぐに戻るというパターンをとります。
2.肩こりを根本から改善するには?
肩こりの改善には”いい姿勢をとること”が一番
もちろん肩を揉むことはツライ症状を抑えるのに非常に大事です。
しかし先程も述べたように「姿勢を変えないければまた元通りになる」というパターンになってしまいます。
そのパターンを打ち切って楽になるには「姿勢への意識」が重要になってきます。
どんな姿勢が悪いのか?
先程も説明しましたが、改めてまた書きます。
肩こりを招く姿勢は「猫背の姿勢」です。
猫背になると、以下のような正常から逸脱した問題が生じます。
●背中が丸まる
●肩が内巻きになる
●顎が前方に出る(頭部が前方に位置する)
どんな姿勢ならいいのか?
少し専門的に言えば、「脊柱のアライメントが正常になればOK」ということです。
噛み砕いていえば、
「胸椎の柔軟性が出て頭部の位置が前方に行き過ぎない状態がベスト」
と言えます。全然噛み砕けてないですね・・・
つまり、
「顎が軽く引けて肩甲骨が自由に動かすことのできるような姿勢」
がいいってことです。
猫背になって顎が突き出ていると肩甲骨は非常に動かしにくくなります。
皆さんも実際に「猫背の姿勢」と「良い姿勢」で肩甲骨の動かしやすさを実感してみるといいかと思います。
簡単に姿勢をチェックするポイント
客観的に判断しやすいポイントとしては、「頭の位置」が挙げられます。
頭の位置が「前方」に位置すると、背中は曲がって”少し気力を感じない人”と判断されます。
頭の位置が「良い位置」にあると、顎が引けて”キリっとしたいい青年”と判断されます。
不調を抱えている人に”良い姿勢”の人はいません。
たいてい猫背になっています。
3.悪い姿勢をとってしまう1つの原因
悪い姿勢をとってしまう一つの原因として、
少し専門的になりますが、
「上位交差性症候群」
というものが大きく関わっていると思われます。
この上位交差性症候群に関しては以前こちらの記事で紹介しています。
上位交差性症候群が原因の肩こりとなると、
「上部僧帽筋や肩甲挙筋は短縮してカチカチになっており、連動して僧帽筋の下部線維や菱形筋などは引き伸ばされた状態で収縮できなくなっている」
ということが予想されます。
つまり、短縮位になっている筋肉と伸長位をとっている筋肉の2つが存在しているということですね。
この短縮と伸長のパターンが偏りすぎてしまうと肩こりなどの問題を引き起こしてしまいます。
これを筋の不均衡(マッスルインバランス)といいます。
この筋の不均衡が生じると、
引き伸ばされている筋肉(伸長位になる筋肉)は、どんどん弱くなる
縮こまっている筋肉(短縮位になる筋肉)は、どんどん硬化してくる
となります。
このように猫背の姿勢が長ければ長いほど、この筋の不均衡は進んでいるということです。
つまり良い姿勢を支えるための筋肉は弱くなっており、悪い姿勢を維持するように筋肉は短縮するといった負の連鎖が生じてしまうということになります。
この上位交差性症候群を改善するためには、
凝り固まった筋肉を伸ばしてあげて、
引き伸ばされて弱くなっている筋肉をしっかりトレーニングしてあげる
ことがポイントになるわけです。
凝り固まった僧帽筋の上部線維や肩甲挙筋をしっかりほぐす
ことに加えて、
弱くなっている僧帽筋の下部線維や菱形筋のトレーニングを行う
ことが悪い姿勢から良い姿勢に変換する方法の一つになるといえます。
4.肩こりの解消法
ここからは肩こりの解消法について述べていきます。
エビデンスに基づく疾患別クリニカルマッサージ ー評価と治療より引用
これは先程説明した上位交差性症候群の図になります。
弱化筋と短縮筋で区別されています。
肩こりを感じる部分は僧帽筋上部線維や肩甲挙筋でしたね。
この両筋は短縮筋に含まれます。
この筋肉のコリを改善するための方法を紹介していきます。
脇の下をとにかくほぐす
脇の下は多くの筋肉が走行しています。
エビデンスに基づく疾患別クリニカルマッサージ ー評価と治療より引用
この図の中にある筋肉で脇の下を走行している筋肉は、
●肩甲下筋
●大円筋
●広背筋
●前鋸筋
が挙げられます。
ここが凝り固まると、
●肩甲骨の動きが悪くなる
●腕が挙げにくくなる
などの弊害が生じます。
ほぐし方は上記のような形でOKです。
細かい筋肉の意識はしなくていいのでとにかく5分間くらいしっかり揉んでみてください。
そして、揉んだ後の肩のすっきり感や腕の上げ下げを行ってみてください。
肩甲骨の動きが出やすくなっているので軽くなっているかと思います。
ここのほぐしは寝る前や同じ姿勢をとり続けた後なんかに行うと効果的です。
肩甲骨を動かして弱っている筋肉を鍛える
肩こりはほぐすだけではまた元に戻ります。
「ほぐしたら鍛える」
と、セットで実施できることが最適です。
鍛える方法ですが、背中側の筋肉をトレーニングするので、うつ伏せになります。
で、トレーニングの方法なんですが、普段の姿勢の反対方向の運動をしていけばトレーニングになるわけなので、その姿勢をとっていきます。
普段の悪い姿勢
●腕は下に垂らしていることが多い
●デスクワークなど腕を前方に出しての作業がほとんど(手を後方に伸ばすことは少ない)
効果的にトレーニングする姿勢
●バンザイする
●腕を後方に動かしてあげる
となります。
つまり、
うつ伏せになり、バンザイした状態で上肢の伸展運動を行っていけば効果的に肩甲骨周りをトレーニングできるってことです。
両側同時にすると首に負担がかかるので必ず片側ずつ行ってください。
いい頭の位置を作っていく
良い姿勢を意識することは非常に大事です。
しかし、ただ単にいい姿勢をとろうとすると、かえって反り気味になってしまいます。
そうならないためには、アステリオンという場所を天井に向かって引き上げるように意識すると自然と”いい頭の位置”が取れるようになり姿勢もスッとしてきます。
この”アステリオン”というのは、
「頭蓋骨の中にある頭頂骨・側頭骨・後頭骨の3つの頭骨が接するところ」
になります。
アナトミー・トレイン第3版 徒手運動療法のための筋筋膜経線 より引用
アステリオンの場所については上記の図をご覧ください。
このアステリオンという場所は悪い姿勢になると下がります。
なぜか?
その理由についてはアナトミートレインという概念を理解すると納得するかと思います。
アナトミートレインは”筋膜の繋がり”と説いた概念です。
このアナトミートレインの中に、”浅前線というライン”が存在します。
アナトミー・トレイン第3版 徒手運動療法のための筋筋膜経線 より引用
この浅前線は身体の前面を通るラインで、このラインに異常をきたすと身体は丸まった姿勢をとるようになります。
浅前線のラインの中に”胸鎖乳突筋”という首の筋肉があります。
胸鎖乳突筋は左右に存在しますが後頭部を通って筋膜で連結されています。
この胸鎖乳突筋が過剰に働くようになると、後頭部の筋膜で頭部を前方に押し出してしまいます。
つまりアステリオンが下がってしまうわけですね。
このアステリオンを天井に向かって引き上げるように意識することでいい姿勢をとりやすくなります。
もう少し具体的にトレーニングを知りたい方は少し専門的な用語が増えますが、こちらをご覧ください。
5.まとめ
今回は「肩の痛みについて」ということで、肩こりについてまとめていきました。
肩こりは誰でも生じる問題です。まさに現代病の一つですね。
肩こりも対処しなければ重症化していきますから、治せるうちにしっかり治した方がいいです。
そのためには自分自身でケア出来ることが重要なポイントになるかと思います。
今回の記事がその一つの参考になったらと思います。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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