大腰筋と腰痛の関係性~大腰筋は腰部にとってどんな役割を持つの?~

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どうも。

KABOSUです。

今回は、腰痛についてです。

腰痛はいくつものパターンがあり、原因となる筋も多数存在します。

中でも、「大腰筋」は腰痛との関係性がありますが、なかなか治療されずにほったらかしになっている場合が多い印象です。

そんな「大腰筋」も近年、脚光を浴びるようになってきており、いくつも書籍が出てきています。

今回はそんな大腰筋と腰痛の関係性を簡単にひも解いていきたいと思います。

1.大腰筋について

大腰筋は、腸骨筋と2つ併せて「腸腰筋」という名称になります。

ちなみに「腸骨筋は」、大腰筋と違い、腰部への付着はなく、骨盤から大腿骨の間を走行する筋になります。

大腰筋は、腰部から大腿骨の間を走行する筋になります。

左右にそれぞれ存在し、下肢と体幹の連結に関与しています。

①大腰筋の走行

大腰筋は、Th12からL5の椎間板を含め横突起に付着を持ちます。

そして、鼠径部付近で腸骨筋と合わさり、1本の腱となり大腿骨の小転子に付着します。

②大腰筋の作用

大腰筋は、人体の中で比較的長い筋で、腰椎、腰仙椎移行部、股関節にわたって強力な運動力学的影響を及ぼします。

股関節の前方を通ることから、大腿骨を骨盤へ向けて引っ張る、または骨盤を大腿骨へ引っ張る、強力な屈筋です。

後者の運動では、大腰筋は腸骨筋と共同して骨盤を前傾し、腰部の前弯を増強させます。

【大腰筋の作用】

①腰部の側屈(片側のみ作用した場合)

②仙骨(S1)に対する下位腰椎(L5)の屈曲

③腰椎の垂直方向の安定化に関与

大腰筋の作用で、臨床的に重要なのはになります。

この③の作用がなくなれば、たちまち腰部の不安定性や腰痛のリスクは高まってきます。

詳細については以下に説明していきます。

2.大腰筋は腰部にどんな影響を与えるのか?

前の項で大腰筋の作用として、「③腰椎の垂直方向の安定化に関与」があると説明しました。

ここでは、その「腰椎の安定化」について説明していきます。

①大腰筋の一般的な機能は股関節の屈筋

大腰筋は、腸骨筋と共同して股関節の強力な屈筋となります。

●足を持ち上げる

●股関節を曲げる

●歩行時のけり出しから足を前に振り出すとき

●ランニング、ダッシュの際のけり出しから前方への振り出し

などに大腰筋は効果的に関わってきます。

②CKCかOKCかで機能が違ってくる(荷重位か非荷重位か)

先述の通り、大腰筋は「股関節の屈筋」になります。

しかし、それだけではありません。

足が地面についていない状況では、腰椎(固定部)に対して、足が動くため、大腰筋は股関節の屈筋に作用します。

では、逆に足が地面についている状態ではどうなるでしょうか?

足が地面についている(足が固定部)と、逆に腰椎部が引っ張られるようになります。

このように、

簡単に言うと、”荷重位(立っている状態)”と”非荷重位(座る・寝ている状態)”で大腰筋の機能は変わってくるというわけです。

③腰部に対しては運動よりも安定性に関与

そんな大腰筋ですが、腰部に限局してどのように機能しているか考えていきましょう。

大腰筋の力線は、L1に向けて上に行くほど、徐々にわずかに後方に偏位し、多数の内外回転軸を通るか、すぐ後方へ落ちる。

これによって、屈曲・伸展能力は減少するか消失する。

大腰筋は腰部にとって有力な屈筋でも伸筋でもなく、むしろ効果的な垂直安定装置である。

※”垂直安定装置”という用語は、体軸骨格の自然な生理的弯曲を維持しながら、ほぼ垂直位で、体軸骨格を安定化させる筋機能を表す。

腰部に効果的なテコ作用がないので、大腰筋が前弯の程度に直接影響を及ぼす役割は最小限である。

最大の股関節屈筋として、腸腰筋は、骨盤を前傾させることによって、間接的に腰椎の前弯姿勢を増強することが出来る。

筋骨格系のキネシオロジーより引用

上記のように、腰椎にとって大腰筋とは、「安定に関与する筋」として存在しているようです。

2Dで大腰筋を判断すると、そうは思わないかもしれませんが、3Dで大腰筋の走行をしっかりとらえると、腰椎部では前方よりも下方に走行していることがわかります。

故に、そんな大腰筋が収縮すれば、当然腰椎を仙骨に向かって押し付ける作用を発揮することがわかります。

この作用により、下部腰椎(腰仙椎移行部)の安定化に関わっているわけですね。

脊柱の土台ともなる下部腰椎(腰仙椎移行部)の安定が得られるということは、脊柱全体の安定が得られる(基盤が出来る)とも言えます。

腰椎の安定化に関わるもう一つの筋

ここまでの内容で、大腰筋は腰椎の安定化に関与することがわかってきたと思います。

この腰椎の安定化にはもう一つの筋が関与します。

それは、「腰方形筋」になります。

腰方形筋についての記事はこちらからご覧ください。

腰痛の原因となる組織の一つである「筋肉」にスポットを当てると、”腰方形筋”の影響は比較的大きいものになります。今回はこの腰痛に関連する筋の中で候補に挙がる確率の高い”腰方形筋”について記事にしていきます。「腰方形筋が痛む原因」と腰方形筋がどのように腰痛に関わっているのか」について紹介していきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。

大腰筋と腰方形筋の両筋は、腰椎の両側でほぼ垂直に走行します。

両筋の強力な両側性の収縮によって、L5/S1移行部を含めた脊柱の基盤全体にわたる優れた垂直安定性がもたらされます。

図:腰椎に対する大腰筋と腰方形筋の作用

3.腰痛と大腰筋の関係

腰痛と大腰筋の関係ですが、腰痛も様々なタイプがあります。

その中でも大腰筋が関与する腰痛は、「反り腰による腰痛」・「腰部の不安定性による腰痛」の2つが挙げられます。

反り腰による腰痛

大腰筋の機能は、筋の走行上「股関節の屈曲」が最もです。

これが、荷重位ではどうなるでしょうか?

下肢が地面についているわけなので、逆に腰椎部が前下方に引っ張られる形になります。

それに合わせて、腸骨筋(大腰筋とともに腸腰筋を形成している筋)が骨盤を前傾させることで

「反り腰」を形成することになります。

前の項でも説明したように、大腰筋の問題自体が、反り腰を誘発しているわけではありませんが、

反り腰になっている状態では、大腰筋のみならず、腸骨筋といった両筋の機能低下が予想されます。

ぱっと見、背筋群の短縮に目が行きがちですが、腹部の深層部にも隠れて影響を及ぼしていることが多いです。

腰部の不安定性による腰痛

先述した通り、大腰筋は腰椎の安定化に寄与しています。

特に下部腰椎ですね。

大腰筋の機能低下により腰椎の不安定性をきたせば、それだけですべり症など構造的な問題のリスクを高めてしまいます。

また、深層が不安定になれば、浅層の組織で安定化を図るようになります。

結果、筋緊張として不要な痛みを引き起こしてしまいます。

このような場合、「筋筋膜性腰痛」と呼ばれる腰痛に分類されます。

またこのまま放っておけば、椎間板ヘルニアなどの腰部疾患を併発する可能性が出てきます。

4.まとめ

今回は、大腰筋と腰痛の関係性について考えていきました。

腰椎部での大腰筋の作用や、大腰筋と共同して腰椎を安定させる腰方形筋について紹介しました。

腰痛を引き起こす原因は本当に様々です。

原因も様々であれば症状も様々です。

大腰筋が関連する腰痛もその中の一部になります。

大腰筋が腰痛のすべてではなく、一つの原因として捉えて頂ければと思います。

それでは本日はこの辺で。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回の参考書籍をご紹介しておきます。

身体の疑問を理解するときに役に立つ書籍の一つではないかと思います。