どうも。
KABOSUです。
歩行中、足部や足関節は”躓かないように”とか”蹴りだしが出来るように”とか比較的単純な機能に貢献していることを想像します。
が、しかし少し掘り下げるともっと多くの機能を有していることがわかります。
今回は、足関節や足部の機能を単純な底背屈の動きだけでなく、少し複雑な動きを理解し足部機能の重要性を考えていきたいと思います。
1.歩行時は足部はどのように機能するのか?
歩行中、足部は様々な働きをします。
特に、地面と一番に接する部分であるだけに問題が生じると、多方面に影響を及ぼします。
歩行中、足関節は底背屈だけでなく複合運動が起こっている
矢状面からみた歩行では、足関節は底背屈運動のみ起こっていると判断されます。
踵接地時は底背屈中間位~わずか底屈(0~5°)が生じる。
踵接地直後から足関節背屈筋の遠心性制御により徐々に底屈運動が生じ、足底接地が行われる。
その後、脛骨がその足部上を前に移動するにつれ、10°まで足関節背屈が生じる。
踵離地直後に足関節は底屈を始め、足趾離地直後に最大15~20%に達する。
遊脚相には足趾のクリアランスのために足関節は再び底背屈中間位まで背屈する。
筋骨格系のキネシオロジーより引用
これに、前額面の動きを見ていくと、複合運動であることがわかります。
足関節は、背屈に伴ってわずかに外がえし・外転し、底屈に伴ってわずかに内がえし・内転します。
【足部の複合運動のまとめ】
足部回内⇒外がえし・外転・背屈の組み合わせ
足部回外⇒内がえし・内転・底屈の組み合わせ
踵接地期に約2~3°内がえししています。
そして、踵接地直後に外がえし方向に進み、立脚中期から後期にかけて再び内がえし方向へ進みます。
踵が離れるところで、内がえしのピークを迎えます。
図:歩行時の足部の動き
筋骨格系のキネシオロジーより引用
足部は歩行中、硬くなったり・柔くなったりする
上記の話の続きですが、足関節の動きに伴って、足部の安定性に変化が出てきます。
これは、歩行時の地面からの衝撃を吸収するために必須な機能になります。
立脚初期⇒やわい脚(剛性が弱まる)
立脚後期⇒かたい脚(剛性が高まる)
このように、歩行時には、足部の剛性に変化をだして安全に歩行が出来るように機能しています。
踵接地後の急速な足部回内(外がえし)は体重受理の過程に関与し、接地時の柔軟で適合しやすい構造の役目を果たす。
踵離地と足趾離地の間、立脚相後期に足部回外に関連する踵骨の内がえしは固い足部構造の役目を果たし、これは身体を前に推進するのに役立つ。
踵接地後、骨盤・大腿骨および脛骨は内旋する。この内旋は距骨下関節の外がえしを伴う。
距骨下関節の外がえしは横足根関節を含む中足部の柔軟性を増加させる傾向がある。
中足部の柔軟性は、下肢への体重負荷の衝撃を緩和する役割を果たす。
踵接地以降は、骨盤・大腿骨および脛骨はすべて外旋し始め、足趾離地まで続く。
同時に、少し遅れて距骨下関節は内がえしし始め、中足部の固定性を高める傾向がある。
この固定性は、立脚後期における強固なてことしての役割を果たし、中足部が体重によって崩れず、足関節底屈筋によって踵骨を挙上させることが出来る。
筋骨格系のキネシオロジーより引用
このことから、
接地直後、急激に外がえし方向に動くことで”剛性の弱い足部(柔い脚)”を形成し衝撃を吸収していることがわかります。
そして立脚後期にかけて徐々に”剛性の強い足部”となっており遊脚期で再び徐々に剛性の強い足部から緩んでいきます。
足部の動きによって歩行時の衝撃吸収を行っている
図:歩行周期と足部の機能
筋骨格系のキネシオロジーより引用
上記の図を見てわかる通り、歩行周期の間に足部は柔軟性と固定性を交互に作り出していることがわかります。
踵接地から立脚中期までの間は衝撃吸収のために柔軟性の高い脚(柔い足)となり、
立脚中期から蹴り出しまでの間は、巻き上げ機効果(windlass effect)にて踵骨をもちあげ正常に蹴りだしを起こすために固定性の高い脚(固い脚)に変化します。
その後、遊脚期では再び柔い脚へと変化し、次の踵接地に備えます。
筋緊張の高い方や、疼痛がある方なんかは、この足部機能に影響を及ぼす結果、二次的な障害を引き起こしたりします。
2.まとめ
今回は、歩行中の足部・足関節機能についてまとめていきました。
歩行中の足関節の機能はロッカーファンクション(ヒールロッカー・アンクルロッカー・フォアフットロッカーの3つ)などが比較的知名度が高いかと思います。
しかし、それも細かく見れば深いのでしょうが、割と矢状面上の話で終わってしまいます。
今回の話は、こういったロッカー機能などがスムーズに起こるために必要な動きになってきます。
それでは本日はこの辺で!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!
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