どうも。
今回もトリガーポイントシリーズになります。
今回は前鋸筋のトリガーポイントについて。
前鋸筋は、肩甲骨から肋骨に付着しています。どちらかというと、肋骨にへばりついている感じでしょうか。
この前鋸筋ですがボクサー筋として有名であり、ボクシングなどで素早いパンチを繰り出したり、空手で相手を引いたりする時などに使われます。
その他にもバドミントン、バレーボール、バスケットボールなど、腕を頻繁に使う動作で貢献度が高くなり筋であり、結局のところボクシングに限らず、腕を使うすべてのスポーツでこの前鋸筋は関わってきます。
今回はこの前鋸筋のトリガーポイントについてまとめていきます。
1.前鋸筋について
前鋸筋は腋窩に位置していますが、実際は肩の筋として作用します。
肋骨と肩甲骨の内縁に筋が付着し、肩甲骨を回転するテコの作用を与えるため、肩関節のソケットはより上向き方向に面し、腕を上げることを可能にします。
肩甲骨の動きを引き出すこの前鋸筋の能力がなければ、上肢の挙上は不可能になります。
また、前鋸筋は通常より多くの空気を必要とする際に肋骨の拡張を助け、吸入を補助する働きもあります。
【前鋸筋の作用】
肩甲骨の外転・上方回旋
【筋の走行】
起始:第1〜9肋骨の外則
※前鋸筋の字の通り、のこぎり状に肋骨に付着しているのが特徴
停止:肩甲骨の内側縁前方
【神経支配】
長胸神経(C5・6・7)
2.前鋸筋のトリガーポイントにより起こり得る「症状」について
前鋸筋のトリガーポイントが引き起こす可能性のある症状について以下にまとめます。
痛み以外にも様々な症状が挙げられます。
①脇から背部、そして腕の内側にかけて痛みを引き起こす可能性がある
前鋸筋のトリガーポイントによる痛みは、通常、側胸部および肩甲骨の下端、背部の中央でしばしば感じられます。
痛みは時として、腕の内側や前腕から手の尺側へ広がります。
これは小胸筋の痛みのパターンと類似します。
②深い呼吸が出来なくなる
前鋸筋のトリガーポイントが原因の場合、痛みなしで深呼吸も出来ず、完全に息を吐きだすことも出来なくなります。
痛みのため、横隔膜を使った呼吸できず、浅い胸式呼吸となります。
③わき腹痛の原因にもなり得る
問題のある前鋸筋はランナーになじみの深い痛みの「わき腹痛」の原因となる可能性があります。
また、脇腹の痛みは横隔膜か肋間筋のトリガーポイントが原因であることがあります。
④肩の可動域制限
前鋸筋が緊張していると、自分の後ろにあるものに触れる事、または肩を後ろに引くことが困難になります。
3.前鋸筋のトリガーポイントが形成される「原因」について
ここでは、前鋸筋にトリガーポイントが出来る原因についてまとめています。
肋骨に付着を持つ前鋸筋だけに、胸郭の動きに関連する事がトリガーポイント形成の原因になる傾向にあるようです。
①普段運動しない人が急に運動した場合
活発なスポーツ活動時に早急にいつもより多くの呼吸が必要になると、前鋸筋は肋骨を引き上げ胸郭を拡張し、呼吸を補助します。
このため、激しいスポーツ活動、特に運動不足や体調が悪い時などは、前鋸筋をすぐに消耗します。
通常、よくトレーニングを積んだ回復力のあるプロ選手ではなく、アマチュアまたは週末にスポーツをする人ほど、前鋸筋は消耗しやすくなります。
特に前鋸筋は、腕と肩を動かすときに活動性が非常に高まるため、なれないテニスや水泳、ランニング、懸垂、腕立て伏せ、ウエイトリフティング、あん馬、吊り輪の練習などによってダメージを受けやすくなります。
②呼吸器疾患に伴う咳嗽など(激しい咳)
激しい咳を伴う、呼吸器疾患は、前鋸筋のトリガーポイントを活性化させます。
側胸部と背中の痛みを伴うことで、胸膜炎か肺炎に進行していると想起する可能性もあります。
③感情的なストレスによる呼吸の異常
感情的な圧迫感による習慣的な緊張と過呼吸症候群は潜在性のトリガーポイントを活性化させます。
4.まとめ
今回は前鋸筋のトリガーポイントについてまとめていきました。
痛みのパターンは「小胸筋のトリガーポイント」と類似する部分があり、実際に同部位にトリガーポイント様の痛みが出現している場合は精査が必要になりますね。
また前鋸筋は胸郭に付着することから呼吸への影響も大きくなり結果的に精神的なストレスの影響も受けやすくなります。
ストレスにより前鋸筋にトリガーポイントを生じやすくなるし、逆に前鋸筋のトリガーポイントがあることで呼吸が浅くなり、結果精神的なストレスを感じやすくなることもあります。
ということで、前鋸筋もトリガーポイントの視点から考えると、様々な症状と関わっている可能性があることがわかりました。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!!
コメント