猫背の改善には経絡アプローチが効果的~東洋医学的に猫背を解釈する~

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東洋医学
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皆さんは猫背の状態をイメージできますか?

大体、姿勢が悪い = 猫背という方程式的なものが世間にはありますよね。

 

現代社会において、猫背は簡単になってしまう不良姿勢です。

今回はその猫背を改善するために経絡アプローチを用いていく方法を紹介します。

 

また、猫背そのものを東洋医学的に捉え、心と体の繋がりも理解していきたいと思います。

 

 

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1.猫背を東洋医学的視点で考えると心理的影響も理解できるようになる

姿勢の異常を東洋医学的視点から考えていくと、対象者を総合的に判断できるようになります。

西洋医学的な判断だけだと、断片的な評価になってしまいがちです。

情報は多いほうがイレギュラー(仮説が外れた時)が起こった際に、次の問題点に移行しやすいです。

つまり治療の幅が増えてくるということですね。

①猫背の姿勢を考える

「猫背になるとどのような状態になるか?」をまず考えていきたいと思います。

今回は東洋医学的視点で猫背を考えていくので、細かい構造的な部分は割愛します。

 

猫背になる場合、大体胸椎レベルで弯曲が強くなります。

そして全体的に身体は丸まった状態をとります。

このような姿勢を取った際、周囲にはどのような印象を与えるでしょうか?

□落ち込んでいるのか?

□悲しんでいるのか?

□どこか調子でも悪いのかな?

□お腹痛いのかな?

□肩が重そう

などなど、

基本的には”負の印象”を与えることがあると思います。

 

そりゃ猫背なのに「元気ハツラツしてますよ!!」って言っても説得力ないですよね?

むしろ「もう私の人生終わりました・・・」って言っている方がどちらかといえばしっくりくるような気がします。

もちろん猫背の人の悪口を言いたいわけではありません。あくまで印象です。

 

 

ただ、東洋医学的に言えば、

姿勢と感情は関連しているため、姿勢が悪いと感情にも影響を与えてしまうということです。

つまりは”心”と”身体”は繋がっているということです。

 

 

このように、東洋医学的に”猫背”の姿勢を考えた際には、

精神的なストレスを抱えている状態ではないか?

なにか身体にトラブルを抱えているのではないか?

などと判断していきます。

 

なので、問診などで身体状況以外にも心理的な部分も確認していきます。

日常生活の中にストレスになるようなことがないかなどを間接的に聞いていきます。

 

そうすることで、対象者のキャラクターの評価も同時にできるようになり全体像の把握がしやすくなります。

 

このように東洋医学的視点から入っていくと”1人の人として評価”していくので、

「個々の筋肉が原因です」とか「ここの関節が・・」といった詳細な評価は出来ませんが、「ここが固そう」とか「ここを動かしたらよくなりそう」とか「こういうかかわり方の方がいいかも」など少し不透明ですが広く対象者のことを診る事が出来るようになります。

 

 

②猫背ではどの経絡に異常をきたしやすくなるか

次は鍼灸の世界なんかでは重要な考え方の一つになっている経絡理論を用いて、実際に異常経絡をあげていきます。

 

経絡の特性は、

伸張性の低下している経絡に異常が起こる

といわれています。

故に猫背により短縮している経絡が問題となりやすいと言えます。

 

このことから、異常経絡としては

●肺・大腸の経絡

●脾・胃の経絡

この2種類が挙げられます。

 

肺・大腸の経絡は、

大まかに”手から胸部前面”を流れています。

脾・胃の経絡は、

大まかに”顔面から腹部、下肢前面”を流れています。

 

要するに身体の前面を通る経絡ですね。

これらの経絡が異常を起こしたと仮定すると、姿勢的には屈曲方向に短縮していくわけですから”猫背”のような状態になってくることがわかります。

 

なので、

猫背に対して経絡アプローチを行う際は、上記の肺・大腸の経絡もしくは脾・胃の経絡を優先的に治療対象にしていくことが有効となります。

 

 

③東洋医学的視点からの姿勢改善の考え方

経絡の概念と何が問題になるかはなんとなくわかったと思います。

(各経絡の種類と経絡の流れを覚える必要はありますが・・・)

 

しかし、混乱しがちなのは、

・経絡の異常があるから姿勢が悪くなる

・姿勢が悪いから経絡の伸張性も低下し流れが悪くなり経絡にも異常をきたす

姿勢の異常と経絡の異常のどっちが先なのかって話です。

 

例えば、”経絡の異常があるから姿勢が悪くなる”場合は

いくら姿勢の指導をしても改善しない可能性があります。

仮に改善したとしても長い時間を要したり、問題点が明確にならないため治療が右往左往したりする可能性があります。

 

こうならないために問診が大事になってくるわけです。

問診でこの異常姿勢は、

身体機能の問題なのか、それとももっと深い問題(ストレスなど)なのか

を判断していくことで経絡が問題なのかどうかを特定していきます。

 

このように、姿勢一つでも

視覚的な評価から得られた問題点に対するアプローチ

だけでなく、

東洋医学的な視点から得られる問題点に対してもアプローチできると

治療の選択肢の幅は広がってきますよね。

 

 

2.東洋医学的視点からの”猫背の改善方法”

ここからは猫背の改善方法を書いていきます。

今回は異常経絡に対するストレッチ方法と、生活指導を挙げていきます。

①肺・大腸経のストレッチ(主に胸筋のストレッチ)

②脾・胃経のストレッチ(腹筋群のストレッチ)

③食事は甘い味と辛い味がおススメ(五行色体表から)

 

経絡のストレッチでは、無理に伸ばすのではなく、経絡の流れを良くするイメージで適度に伸ばしていきます。

 

経絡は”気”の流れる道であると言われています。

 

”気”といわれてもイメージしにくいかもしれませんので、”血流”をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。

 

経絡を”血管”に例えて、気の流れを”血の流れ”に例えていくと良いかと思います。

何事もいい効果を出すにはイメージが大切です。

 

それでは具体的な方法に移ります。

①肺・大腸経のストレッチ(主に胸筋のストレッチ)

まずは肺・大腸経のストレッチになります。

肺経と大腸経は上記のように、

母指や示指(人差し指)と胸の前面や胸を通って鼻付近の間を流れています。

 

ちなみに肺・大腸経の隣にある筋肉と骨の絵は「アナトミートレイン」の教科書から引用しています。

この両者は走行が似ています。

実際に経絡とアナトミートレインは関連性があると言われています。

 

このように経絡ではイメージしにくくてもアナトミートレインに落とし込むと少し経絡のことがわかるような気がしてきませんか?

 

上記の絵の通りに経絡の流れがあると仮定し、それをアナトミートレインに置き換えたらどこをストレッチしていけばいいかわかりやすくなりますね。

 

具体的には、

・胸筋群

・上腕二頭筋

・腕橈骨筋

・前腕屈筋群

になりますね。

 

この筋連結を同時にストレッチしていきます。

 

肺・大腸経のストレッチ方法

□四つ這いになり、片方の上肢を斜め上方に伸ばしていく

□この時、前腕は回内して、手の母指と示指の背側を床につけるようにする

□頭部は反対方向に回旋し、伸ばしたい手(斜め上方に伸ばしている側の手)とは逆方向を向くようにする

□上記の状態になるとまだ胸部は床に接地していない状態になる

□そこから斜め上方に伸ばした手は出来るだけ遠くにリーチするようにし、胸部を床に接地させるようにストレッチをかけていく

 

文章にするとわかりにくいので下の絵をご参照ください。

図:肺・大腸経のストレッチ方法

 

この絵では、右側の肺・大腸経のストレッチを行っています。

手を出来るだけ遠くにリーチするのと併せて反対側に回旋した頭部の回旋角度をより強めることで、さらにストレッチが強まります。

 

実際にやってもらうと分かると思いますが、かなり胸筋群がストレッチされます。

また、前腕を内側に捻じり、親指側を床に接地しているため腕橈骨筋もしっかりストレッチされます。

 

この方法で、

「自身がリラックスして伸ばせる程度」

を目安にゆっくり息を吐きながらストレッチしていきます。

 

私の場合、寝る前やデスクワークが続いた後などに積極的に行っています。

 

 

②脾・胃経のストレッチ(腹筋群のストレッチ)

続きまして、脾・胃経のストレッチです。

脾・胃経は、頭から足まで身体の前面を通る経絡です。

この経絡は消化器系と関係の深い経絡になります。そのため経絡は腹部を通っています。

消化器系に異常がある人は、腹部の緊張が強くなっています。

腹筋が異常に固い人もいますが、消化器系の慢性的な異常がある人は腹壁そのものが固くなっている印象があります。

 

なので、脾・胃経のストレッチには腹部のストレッチを行っていきます。

 

脾・胃経のストレッチ方法

方法①(腰に痛みがなければおススメ)

□うつぶせになり、両手をついて上体を起こしていく

□ゆっくり息を吐きながら上体を起こしていくことで腹筋群のストレッチを行う

□息を吐ききったら元の位置に戻る。これを数回繰り返す

図:脾・胃経のストレッチ

方法②(腹壁の緊張緩和に有効)

□うつぶせになり、枕やバスタオルを丸めたものを腹部に入れ込んでいく。

□自重を使ってお腹を持続的にマッサージしていく。

□数分間程度、リラックスしてお腹を刺激していくようにする。

図:脾・胃経のストレッチ

 

 

③食事は甘い味と辛い味がおススメ(五行色体表から)

食事からも内臓を介して姿勢に好影響を与えることが出来る可能性があります。

東洋医学では、”五行色体表”というものがあります。

その五行色体表の中の”五味”はそれぞれの臓が好む味を現しています。

 

詳細はこちらです。

□肝は「酸」、酸味が肝を栄養する

□心は「苦」、苦味が心を栄養する

□脾は「甘」、甘味が脾を栄養する

□肺は「辛」、辛味が肺を栄養する

□腎は「鹹(塩辛い)」、塩辛い味が腎を栄養する

 

このように、それぞれで好む味が違うということです。

 

今回、猫背では、「脾・胃の経絡」「肺・大腸の経絡」に異常が生じている可能性があるわけなので、五行色体表では「甘い味」「辛い味」が猫背にはおススメになるかもしれないということになります。

 

 

また、逆に”五禁”といって、摂取しすぎると対象となる臓に負担がかかるということもあります。

□肝(辛いもの)

□心(塩分が多いもの)

□脾(酸っぱいもの)

□肺(苦いもの)

□腎(甘いもの)

なので、「酸っぱいもの」「苦いもの」は極力控える方がいいかもしれませんね。

 

 

3.まとめ

今回は猫背に対する改善方法を東洋医学的に捉えてまとめていきました。

東洋医学的な判断になるとどうしても少し曖昧な表現になりがちな気がします。

しかし、曖昧な表現でも適当なわけではなくしっかり的は得ていることが多いです。

 

問題が混合していて何がメインの問題なのかわからないときもありますが、

猫背の姿勢は精神的なストレスから生じていることもしばしばあります。

 

そんな時は経絡アプローチなど東洋医学的な視点からのアプローチが有効なことがあります。

身体を広く見れる東洋医学的な視点は一つのツールとして頭に入れておくと治療の幅が広がってくると思いますよ。

また、猫背で悩んでいる人も試しに経絡に対するストレッチを行ってみると意外といい効果を発揮するかもしれませんよ!

 

それでは本日はこの辺で!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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