こんばんは。
kabosuです!!
今回も、
前回から引き続き
「東洋医学」
関連です。
前回では、経絡の概要的な感じでまとめました。
●経絡とツボの違い
●経絡は異常をきたすと、伸展方向への制限が生じる
●経絡を制限する要因は様々(身体的・精伸的どちらもある)
●それぞれの経絡の配置(身体の前面・後面・側面)
●治療する経絡の選定方法
といった内容でまとめています。
前回の記事を読んでいない方はまずはこちらからどうぞ。
今回は、
治療すべき経絡を判別する(前回の内容)
経絡アプローチの方法(今回の内容)
という形で、前回の記事と合わせて経絡アプローチの理解が深めれるように書いていきます。
今回はより実用的な内容というか、、、
実際に「経絡アプローチ」を習得していくうえで必要な内容を書いていきたいと思います。
1.経絡アプローチに必要なイメージ
前回の記事でも書きましたが、
経絡とは、「気血が体内を巡る流通路」と考えられています。
つまり、
エネルギー的なものが流れるための道のようなもの
であると言われています。
「電車の線路」でイメージしてもらうと分かりやすいかと思われます。
・線路 = 経絡
・駅 = ツボ
このような形で理解すると分かりやすいですね。
また線路には駅で路線が変わったりしますよね。
経絡も同じで、
経絡同士が交わる部分があります。
そういうところが治療ポイントだったりします。
で、この経絡に対してアプローチしていくわけですが、
「何をイメージするか」
が重要になってくると思います。
例えば、
●マッサージ
●ストレッチ
●筋トレ
なんかは何に対してアプローチしているか、、、
バカにしているわけではありません。
そりゃ「筋肉」ですよね。
このようにアプローチする際は、
何かに対して行うわけであり
上記の3つなんかは「筋肉」に対して行います。
じゃあ経絡は何に対してアプローチするのか?です。
それは「気の流れ」に対してアプローチしていくんです。
・・・言うのは簡単ですが、目に見えるものではありませんから意味が分かりません。
ですからこの場合、
経絡上にある筋肉や関節をイメージしていきます。
結局、筋肉じゃないですか!となりますが、
マッサージやストレッチ、そして筋トレの場合は、
「その部分」に対するイメージです。
例えば、
「大腿四頭筋」の筋トレを行うとします。
その時は「大腿四頭筋」の動きだけを意識します。
しかし、経絡の場合は、経絡上にある筋肉や関節であるため、
流れであったり繋がりを意識するということになります。
つまり、
同じ「大腿四頭筋」でも経絡の場合は、
「胃の経絡」上に「大腿四頭筋」が存在しています。
そして「胃の経絡」は下方には「前脛骨筋」、上方には「腹直筋」とつながっているわけですね。
まとめると、経絡の場合の筋肉では、
腹直筋-大腿四頭筋-前脛骨筋
というラインを意識していくということになります。
このように経絡アプローチでは同じ筋肉や関節でも繋がり(ライン)に対してアプローチしていくということになります。
その辺が経絡アプローチと他のアプローチの違いといえます。
※気の流れをイメージすることも重要です。気の流れと並行して筋や関節をイメージすると理療の幅が拡がるので推奨しています。
2.経絡アプローチを行う上で理解しておきたいポイント
ここでは、実際に経絡アプローチを行う際に、最低限理解しておきたいポイントを挙げます。
①経絡の流れの向きを覚える
経絡には、それぞれの経絡で「流れの向き」があります。
流れの向きは、
●下から上に上がっていくのか(上行性)
●上から下に下がっていくのか(下行性)
この2種類に分けられます。
なぜ流れの向きを覚える必要があるのか?ですが、
①流れに沿って経絡上にある筋肉をアプローチしていく
②流れに逆らって経絡上にある筋肉にアプローチをする
この2種類では効果に大きな差がでます。
経絡には入口、出口があります。
つまり、
入口から出口に向かってエネルギーは流れていきます。(経絡の流れ)
たまに、ニュースで高速道路の逆走が問題になりますけど、
同じようなことが経絡上でも起こったら、、、問題ですよね?
とりあえず通常の流れではなく、確実に渋滞が起こります。
なので必ず、
「経絡の流れの向き」は覚えておきたいですね。
では、実際に経絡の流れの向きですが、
前回の記事で、
上肢と下肢で6つずつ経絡がわけられることを説明しました。
その中で、さらに上行性と下行性で分けられます。
上肢の経絡
【上行性】
上行性は基本的に”陽の経絡”になります。
小腸・大腸・三焦(陽の経絡)
【下行性】
下行性は基本的に”陰の経絡”になります。
心・肺・心包(陰の経絡)
下肢の経絡
【上行性】
上肢の時と逆転して”陰の経絡”は上行性になります。
肝・脾・腎(陰の経絡)
【下行性】
同じく逆転して”陽の経絡”になります。
胆・胃・膀胱(陽の経絡)
このように分けられます。
はっきり言って覚えにくいです。
単体では理解しづらいですね。
なので、「手と足」で大別して、
「陰と陽」で区別して覚えていくと比較的理解しやすいかと思います。
足の場合、陰が上行性
手の場合、陰が下行性
※手と足で逆転する事を覚えておくと間違いは軽減します。
「陰の経絡」は主に身体の前面と内側を流れます。
「陽の経絡」は主に身体の後面と外側を流れます。
※陰陽は、四つ這いになった状態で日にあたる部分を「陽」、日に当たらない部分を「陰」とされています。
この図が全てになります。
私の場合、
下肢の流れを理解しておくようにしています。
臨床上、下肢への介入が多いからということもあるのですが、、、
下肢の場合、
陰の経絡が上行性で陽の経絡が下行性になります。
要するに、
「下肢の内側(陰)は下から上に経絡が上がっていき、逆に外側(陽)は上から下に経絡が流れていく」
と覚えています。
そして、
「上肢は反対の流れになる」
と覚えています。
実際に例を挙げてみます。
例
主訴:腰痛(後ろに反ったときに腰が痛む)
備考:悩みの多い性格。
体調を崩すときは、合わせてお腹を下す事が多い。
逆にお腹を下した後に体調を崩すことがある。
経絡的な評価では完全に「脾・胃」の問題です。
※身体の前面を通る「脾・胃」の経絡の伸張性が低下して可動域制限を引き起こしている
※「脾・胃」に関わる感情は「思い悩み」。悩み事が多いと「脾・胃」に異常をきたします。
※「脾・胃」は消化器系と関わりが深いです。
※今回は主訴が「痛み」であるため、「陽経」に対して介入します。
以上の事から、
この例の場合、「脾・胃」の問題であり、痛みの訴えがあることから、「胃の経絡」に対してアプローチが必要であると判断します。
※だるさや違和感であれば「脾の経絡」にアプローチします。
症状からどの経絡を治療対象にするか詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
胃の経絡は、身体の前面を通ります。
筋肉に置き換えると、
腹直筋、大腿四頭筋、前脛骨筋などになります。
ここでは、大腿四頭筋に対してアプローチしたとします。
この際に、大腿四頭筋に対してどのようにアプローチするか?ですが、
その時にさっきから散々言っている「経絡の向き」が重要になってきます。
「胃の経絡」の場合、
「下肢の経絡」であり「陽の経絡」であるため、
「下行性の経絡」となります。
そのため、経絡を意識した大腿四頭筋へのアプローチでは、
「上から下(身体の近位から遠位)に向かってアプローチ」していきます。
方法は、
「大腿四頭筋を伸長位に誘導し、その状態で近位から遠位に向かって軽擦していく」
となります。
方法は様々あると思いますが、経絡の流れをしっかり出すためにストレッチだけでなく軽擦も行い、より流れを良くしていくといった内容になります。
長くなりましたが、
実際はこのように、「経絡の流れの向き」を利用していきます。
②井穴(せいけつ)を覚える
次は「井穴」についてです。
「井穴」とは、手足の指先の経穴のことです。
つまり「経絡の出入り口」と言えます。
経絡にも出入り口があります。
出入口が詰まっていると
エネルギー循環が円滑に行われず、循環不良になります。
入口が詰まっていればエネルギーが入っていかないし
出口が詰まっていれば滞ります。
この井穴を刺激するだけでも、
その経絡の反応を見ることができます。
例えば、
胃経であれば、経絡の向きは頭部から足趾に向かっていきます。
この際、出口部分をおさえていくんですが、
足の第2趾と第3趾の間を押さえてみてください。
●押すと痛い
●へこんでいる感じがする(弱っている)
●硬い(常に頑張っている状態)
このような反応や感触があれば痛気持ちいくらいで、持続的に押していきます。
これでしっかりゆるんだり痛みが減る感じがあれば流れはよくなっているものと思われます。
チェックの方法は、
対象となる経絡の伸展運動を行う
という方法が簡単で分かりやすいです。
胃経は身体の前面を通るので、体幹の伸展運動で経絡の状態をチェックします。
まず、アプローチする前に
体幹の伸展可動域を評価します。
この時、胃経に問題がある場合、腰部に詰まる感じが見られます(痛みを伴う)。
そして次に、胃の井穴を押さえて再び体幹伸展可動域を見ます。
この時、可動域が拡大したり腰部の問題がなくなれば「胃経の問題」であることがわかります。
このようにして井穴を利用して行く方法もあります。
ピラティスやヨガの世界でも、
セッションの初めに手足をほぐしていくことから始めています。
大体、「手足はとても重要だから先にゆるめていきます」的な説明しかないように感じますが、、、
そういう分野でもエネルギーの出入りの概念があるのでしょうか?
③経絡上にある筋肉や関節をイメージできるようになる
先程から話の端々に出てきているのですが、
簡単に言うと、
「経絡」を「筋肉や関節」に置き換えることで、経絡を意識しやすくなる。
ということです。
だから、経絡上にある筋肉や関節をイメージすることが大切になります。
このように、経絡の図だけ見せられても、
「ただの身体上にある線」とくらいにしか思えないですよね。
しかし、この線上にある筋肉をイメージして置き換えたらどうなるでしょう?
さらに、先程「経絡の流れの向き」も理解しましたよね?
そしたら、
例えば、
ある経絡に問題があることがわかったら、
その経絡上にある筋肉に対して、経絡の流れの向きに沿ってストレッチするようにアプローチしていけばいいわけです。
なんとなく繋がってきませんか??
この辺がわかってくるとものすごく面白くなってきますし、
意外と「あの時の問題はもしかしたらこうだったのかも・・・」的な関連性が思い浮かんでくるかもしれません。
ここで重要になるのは、
「経絡は身体の上から下まで流れているもの」
と、局所ではなく全体に関連しているということです。
なので、
「経絡上にある筋肉」よりも「経絡上にある筋肉の繋がり」に対してアプローチできた方が効果は高いしそうあるべきであると思います。
そういう時に、私が非常に参考にしているのが
「アナトミートレイン」
という参考書になります。
アナトミートレインは「筋筋膜の繋がり」を記しており、身体を一つの繋がりとしてしています。
この参考書の中にも「アナトミートレイン」と「経絡」の関係性(類似している)があると記されています。
すべてがすべてではありませんが、、、
しかし筋肉の関連性を理解する一つの強力なアイテムになります。
アナトミートレインと経絡の関係性についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
以上が「経絡アプローチを行う上で理解しておきたいポイント」になります。
①経絡の流れの向きを覚える
②井穴(せいけつ)を覚える
③経絡上にある筋肉や関節をイメージできるようになる
この3つを基本的に理解していくことが大切になります。
3.まとめ
今回は、前回の記事から続いて「経絡」についてより実践的な内容をまとめていきました。
文字に起こしていくと本当に難しいですね、、、自分自身が理解しきっていないという問題もあるのでしょうが、東洋医学は「気」などの話があるため「なんとなくの世界」でもあります。
そのため、文字で明確に表現していこうとすると、
よくわからない内容になったり専門用語のオンパレードになってしまったりと、、、
結局自分も理解できないままになってしまいます。
だから時間はかかるけど
しっかり理解しながら記事の更新をしていきたいとおもいます。
それでは本日はこの辺で終わりたいと思います。
ありがとうございました!!
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