肺・大腸の経絡に異常があると起こる症状と虚実の判断~経絡アプローチに必要な知識~

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東洋医学
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どうも!

KABOSUです。

 

今回も東洋医学シリーズです!

経絡アプローチに必要な知識ということで、それぞれの臓腑の詳細をまとめていきたいと思います。

前回は、腎・膀胱についてまとめていきました。

腎経・膀胱経の虚証と実証の判断と腎・膀胱の症状について

 

経絡アプローチの概要については、「経絡アプローチを行う上で覚えておくべき各経絡の異常」をご覧ください!

 

 

今回は”肺・大腸”についてまとめていきます。

 

肺は悪くなると、咳などの風邪症状をイメージするかと思います。

また、大腸は便秘など排泄系のイメージではないでしょうか?

東洋医学の中では、肺は気(エネルギー)の出入りを促す場所として存在します。

呼吸によって外から良いエネルギーを取り入れ、体から悪いエネルギーを排出していくといった感じです。

大腸も同じように食物の良いものを吸収し、悪いもの体外に排泄する役割があります。

このように、肺・大腸は身体をクリーンに保つために必要な働きをする部分になります。

 

以上の点を踏まえて肺・大腸の知識はしっかりとつけておきましょう!

それではよろしくお願いします。

 

 

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1.肺・大腸は東洋医学ではどんな立ち位置なのか?

西洋医学では、”肺や大腸”というと、そのままですが、肺や大腸をイメージするかと思います。

東洋医学でも実際の臓器と働きは似てくるのですが、多少違ってきます。

肺の役割について

肺は「体内の気を司り、皮膚の状態を保つ」働きがあります。

肺は、きれいな空気を吸って汚れた空気を吐き出す呼吸、および呼吸に関係のある鼻や皮膚とも深い関係があります。

呼吸機能の調節、皮膚機能の調節に加え、全身の気の流れの統括、血と水の生成、防衛力保持などの機能も持ちます。

感情面では「憂い、悲しみ」と関係があります。

精神面では悲観的、気鬱、沈鬱などと関係があります。

大腸の役割について

小腸より到達した食物の残りから水分を吸収し、糟粕を体外に排泄する作用があります。

大腸の障害によって便秘、下痢、腹部膨満などの症状が出ます。また、裏の肺の機能と連動することがあります。このため、肺気に異常があると大腸の症状が生じることもあるのです。

 

 

2.肺経・大腸経の虚証と実証の症状

ここでは、虚証・実証の場合に起こりうる症状の例をいくつか挙げていきます。

経絡アプローチを行う際に、下記のように虚実を判断できると、

「エネルギーを抜く」or「エネルギーを注入する」

がわかるようになり効果的な治療が可能になります。

なぜ、それぞれの臓腑の”虚実”を知る必要があるのかは、経絡アプローチで大切なのは”虚実の判断”が出来るかどうかをご覧ください。

虚の症状

●息切れ

●咳嗽

●乾いた喀痰

●喀痰排出困難

●咽喉の乾燥

●嗄声(声のかすれ)

●喘鳴

●冷え性

●声が小さい

●鼻汁・鼻づまり

●透明でさらさらした喀痰、鼻汁

●皮膚の乾燥

●皮膚のかゆみ

●皮膚防御機能の低下

●胸痛

●筋肉の引きつり

●汗をかかなくなる

実の症状

●呼吸困難

●突発的な強い咳嗽

●顔面の発赤

●閉塞性呼吸障害(呼気が伸びる、呼気時の喘鳴、咳嗽、呼吸困難)

●頭痛、咽喉痛

●粘調あるいは膿性の排泄物(喀痰・鼻汁)

●発熱

●悪寒

 

 

3.肺の異常

ここでは、気血水の異常をまとめています。

少し専門的な用語が多いためわかりにくいですが、それぞれの異常が起こった際に生じる症状だけでも知っておくと良いと思います。その部分だけ色付けをしていますんので参考にして下さい。

肺気虚

肺気が不足した状態です。

病因は慢性の喘咳による肺気損傷、多臓器の慢性病による肺機能失調などです。

症状としては、

①気の不足による”息切れ”

②宣発粛降作用失調による”咳嗽”

③衛気不足による”自汗(起きている時にかく汗)”

④気の温煦作用不足による”寒け”

”声が小さい”

”鼻汁、鼻づまり”

などが挙げられます。

肺陽虚

肺陽虚では、肺気虚に虚寒の症状を呈するため、気虚症状に加えて透明なさらさらした喀痰、鼻汁、喘鳴、強い冷えを伴います。

肺気帯

気が滞ることにより、閉塞性呼吸障害、すなわち呼気延長、呼気持の喘鳴、咳嗽、呼吸困難などが認められます。

肺気逆

宣発粛降作用が低下します。

呼吸困難、突発的な強い咳嗽、顔面の発赤などが認められます。

肺血虚

体表部あるいは肺の栄養不足により、皮膚の乾燥、かゆみ、皮膚防御機能の低下、乾いた喀痰、喀痰排出困難などが現れます。

肺瘀血

肺の微小循環障害により、呼吸障害あるいは胸痛などが現れます。

典型的な病態は肺梗塞です。

肺津液不足

体表、肺の津液不足により、皮膚の乾燥、かゆみ、乾いた喀痰などが認められます。

肺陰虚

肺陰虚は、肺を滋潤する陰液が不足し、虚熱を示す状態です。

病因は、虚弱体質、慢性疾患、外感熱邪の後期、肉体疲労などです。

症状は、

①粛降作用低下による”乾咳、喀痰”

②虚熱で生じる血脈損傷によって”痰に血が混在する”

③滋養作用不足による”咽喉の乾燥、嗄声(声のかすれ)”

などが挙げられます。

肺水滞

病因は、痰が肺に停伏することです。

痰が生じる原因としては3つあり、①風・寒・湿邪を感受し肺の宣発粛降機能が失調すること、②慢性の咳喘によって肺気虚が津液の輸布失調をきたすこと、③肺気虚の状態で過飲食することで脾の運化作用が失調することです。

湿邪には、経過が長い、停滞性の症状、水液の停滞、消化機能を障害しやすいなどの特徴があります。

症状は、

①滞留した痰湿が肺の宣発粛降機能を失調させることによる”咳嗽、喀痰”

②肺経の阻滞による”胸悶”

③痰が気道を塞ぐことで生じる”気端、痰鳴”

などが挙げられます。

その他

≪風熱犯肺≫

病因は風熱の邪を感受することです。

風熱の邪は風邪と熱邪が結合したもので、熱邪には症状が激しく進行が早い、火熱の症候、脱水や出血をきたしやすい、粘調あるいは膿性の排泄物を生じるなどの特徴があります。

これにより肺衛の機能が失調することが原因です。

症状は、

①粛降作用低下による”咳嗽・膿性喀痰”

②風熱が上部を乱すことによる”頭痛、咽喉痛”

③熱邪による津液損傷から生じる”口渇”

④衛気と熱邪が抗争することによる”発熱”

⑤衛気の停滞による”軽度の悪風悪寒”

などが挙げられます。

≪風寒犯肺≫

病因は、風寒の邪を感受することです。

風寒の邪とは風邪と寒邪が結合したものです。

風邪には、突然発症する、変化が多い、表面、上部を犯しやすいなどの特徴があり、寒邪は、寒冷症状、薄い排泄物、疼痛、筋肉の引きつりなどの特徴があります。

これにより肺機能が失調することが原因です。

症状は

①宣発粛降作用低下による”咳嗽、喘息、喀痰”

②鼻竅の通気が阻害されることによる”鼻水、鼻閉”

③風寒の邪の感受による”無汗”

などが挙げられます。

≪燥熱犯肺≫

病因は燥邪、風熱による乾燥で、津液を損傷することにあります。

燥邪には、局所あるいは全身の乾燥症状という特徴があります。

症状は、

①肺津損傷による肺の粛降作用低下で生じる”乾咳、少量粘調の痰、咽喉あるいは鼻の乾燥”

②気の停滞による”胸痛”

③燥邪が肌表を犯すことによる”発熱、頭痛”

などが挙げられます。

 

 

4.五行色体表から”肺と大腸”の異常を理解する

東洋医学には”五行色体表”というものもあります。

五行色体表とは「季節から人体まで自然界のあらゆるものを五行に当てはめ、まとめたもの」とされています。

※赤枠で囲った部分が、肝と胆の関連する部分

この中で、肺・大腸の異常をご紹介していきます。

まず”五行色体表”について詳しく知りたい方は五行色体表の使い方についてをご覧ください!

 

肺・大腸の異常があると起こりうる症状

①肺の問題は「鼻」に現れます。(嗅覚の異常や鼻の炎症など)

②肺は「皮膚」と関連があります。(肌荒れ”などが起こりやすくなる)

③肺に異常がある時は、「体毛」に異常が出ます。(毛が濃くなったりなど)

④肺の異常は、「憂い・悲しみ」と関連します。(涙もろくなるなど)

⑤肺は「久臥」といい、「寝ること」と関連します。(長時間寝すぎなどで肺に負担がかかる)

⑥肺の異常で「生臭く」なります。(体から生臭いにおいがする)

⑦肺が最も活動する時期は「秋」になります。(肺に異常があると秋に問題が出やすくなる)

⑧肺は「辛」、辛みと関係があります。(肺が弱っているときは辛みのある食べ物が良い)

⑨肺が関連する色は「白」です。(肺に異常があると、”かさついた色白の肌”になる)

 

 

5.まとめ

今回は、肺・大腸についてまとめていきました。

肺経は東洋医学では皮膚との関わりが大きいです。また西洋医学と同じで呼吸器系との関わりがあります。

肺・大腸ともにエネルギーの出し入れに関わる部分になります。

肺は呼吸により良いエネルギーと悪いエネルギーの出し入れを行い、大腸は不要物を排泄していきます。

このように、西洋医学でも東洋医学の中でも重要な臓器・臓腑となりますので、しっかり理解していきたいところになりますね。

 

それでは今回はこの辺で!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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