五十肩のリハビリについて~病態と治療のポイントについて~

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肩について
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どうも。
KABOSUです。

 

今回は、

五十肩(肩関節周囲炎)の病態について

まとめていきたいと思います。

 

五十肩(肩関節周囲炎)はどういった疾患なのか?

適切な治療方法や治療時期はあるのか?

などをまとめていきたいと思います。

 

 

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1.五十肩と肩関節周囲炎は同義語!?

以前は、五十肩は肩関節周囲組織に炎症が起きる病態の総称として用いられている「肩関節周囲炎」との違いが明確ではなく、混乱すること多かったそうです。

しかし最近では画像診断の進歩により、鑑別が肩関節周囲炎とほぼ同義語として用いられるようになっています。

また、五十肩は臨床症状の点から回外でfrozen shoulder や adhesive capsulitis と呼ばれる疾患と一致し、同様のものとして考えられているそうです。

※PTジャーナル・第47巻第7号・2013年7月より引用

このことから、五十肩と肩関節周囲炎は同義語で考えてよさそうです。

 

 

2.五十肩(肩関節周囲炎)の病態

五十肩は、

性別では女性が罹患することが多く、全体に対して、約7割を占めます。

好発年齢は50歳代に多く(名前の通り)、二次性であれば30歳代と比較的若い年代でも発症することもあります。

 

五十肩の原因としては、

●特に誘引なく発症する突発性のもの

●内科疾患など他の要因を契機とする二次性のもの

の2パターンがあります。

※突発性の場合は、一般的に原因不明であるが、何らかの損傷を契機に肩に炎症を起こしているケースも見られる

※内科系の問題の場合、多くは糖尿病患者で出現する

 

 

3.五十肩(肩関節周囲炎)の症状

五十肩の臨床症状として、

肩関節の疼痛を伴う可動域制限

が挙げられます。

 

基本的には症状が慢性化することなく、

痛みの強い急性期から

可動域制限が主体となる拘縮期に移行し、

やがて最終的に寛解を迎えます。

 

 

肩の痛みに関しては、

肩の前面や外側に強い痛みを訴えます。

圧痛は、腱板疎部や烏口突起・大・小結節付近で確認されます。

特に烏口突起の圧痛は五十肩症例の96.4%で確認されたという報告もあるようです。

 

五十肩の痛みについてトリガーポイントの視点について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

↓↓

肩関節周囲炎の”しつこい痛み”に関連のある筋について

 

リハビリでは

”いつ痛みが出現するか・強くなるか”が一つのポイントになります。

 

この五十肩の訴えで多いのが、”夜間痛”になります。

 

 

「肩が痛くて夜も寝れない」

「肩が痛くて寝返りが出来ない、寝返りしたら痛くて目が覚める」

 

などの訴えは多いです。

 

 

この状態では対象者の生活の質をかなり落としてしまいます。

また夜間良眠出来ないということは、自律神経系にも影響を及ぼします。

自律神経系は痛みと深くかかわっていますから、五十肩そのものの改善にも影響を及ぼします。

 

そのため、この”夜間痛”の軽減はリハビリでは優先順位としては高くなり、

逆に言えば、”夜間痛”の軽減が五十肩そのものの改善した判断基準となりますので、しっかり管理していくようにします。

 

 

 

4.五十肩(肩関節周囲炎)のリスクファクター

五十肩に関するリスクファクターですが、以下のような疾患などが挙げられます。

□糖尿病

□肩関節術後

□甲状腺疾患

□高脂血症

□職業(デスクワーク)

□心臓手術

□心臓カテーテル

□パーキンソン病

□くも膜下出血後

などになります。

 

上記の内容を見ると、内科疾患が多いですね。

特に関連が強いものは、”糖尿病”となります。

五十肩の方が来院された際、糖尿病があるかどうかはほぼ100%確認します。

 

糖尿病は、五十肩の発症率に関与するだけでなく、予後が悪い(なかなか肩の症状が治らない)とも言われています。

※予後不良に関しては、様々な意見があるようで信憑性は低いようです。しかし臨床で出会う方々を思い返すと糖尿病の方の方が治りは悪い印象です(これは私の主観です、、、)

 

そして、その他にもデスクワーク中心に仕事をしている人も五十肩を発症しやすいとされています。

※デスクワークに関しては、姿勢の影響が強いものと思われます。デスクワークの姿勢では肩甲上腕関節以外の肩関節の動きが阻害されやすくなるため、肩甲上腕関節への負担増が考えられ、結果的に炎症をきたすことが予想されます。

 

パーキンソン病やくも膜下出血後などは、直接的な影響ではなく、その疾患由来の運動障害などが生じた結果として五十肩を発症するという二次的な問題であるとされています。

 

 

5.五十肩(肩関節周囲炎)の病期とそれに合った治療法

①急性期

急性期は炎症が増強している時期であり、基本的には”安静”による炎症の鎮静が治療の中心となります。

したがってストレッチや肩に対する積極的な治療は避けていきます。

※実際に疼痛の無い範囲で自動運動を行った方が改善が得られたという報告もあります。

 

個人的には、急性期で肩の痛みが強い場合は、

その痛みの強い肩にかかっているストレスを評価していくようにしています。

本来の肩の痛みにプラスしてストレスをかけている原因に対して治療を進めていきます。

なので、急性期は肩を触らずに他部位を動かしていくようにしてます。

※肩に対しても除痛目的で触ることもあります。

 

例で挙げると、

デスクワークが多い方の場合であれば、

書き物やパソコンのタイピングが多くなります。

そのため手指に関わる筋群の筋疲労ないし筋緊張は亢進気味になっていることがほとんどです。

また書いたり打ったりするためには前腕を回内させなければなりません。そうなると運動連鎖で肩は内旋方向に動きます。そして結果肩甲骨は外転方向に偏位し猫背を助長してしまいます。

このことから上記のような例の場合は、肩の痛みが強い時期は手指~前腕にかけてを治療対象にしていくことから始めることが多いです。

 

このような形で、コンディショニングのような介入を行っていきます。

 

②拘縮期

拘縮期では、疼痛のピークを越えて安静時痛が消失してきたところで、少しずつ伸長を始めていきます。

痛みが落ち着いてきたところがポイントになってきますね。

 

ただし、急性期から拘縮期の移行期は炎症が完全に鎮静しているわけではなく、負荷をかけすぎてしまうと痛みが再燃することがあります。

 

また、治療中は痛みが残らなくても帰宅してから痛くなるなど、治療後しばらく経ってから痛みが生じることもあります。

そのため、治療中や治療後の反応を見て伸長の強さや回数を増減していくようにします。

 

この時期は負荷量が難しいですよね。

負荷に関して言えば、

「次の日になっても症状(前日にかけた負荷に対する)が残存していれば負荷をかけすぎである」などはよく言われます。

 

入院中であれば、毎日の変化で判断できますが、外来で1週間に1回しか来ないなどの場合は、「次の日どうでした?」って聞いても曖昧な返事が返ってくる確率がかなり高くなってしまいますよね、、、

そのため、治療中の反応が大事になると思います。

一番は「何か嫌な感じ」とか「違和感のある刺激」が入ると、いい反応が得られないように感じます。

 

痛みでも「嫌な痛み」「心地よい痛み」があると思いますが、

 

上記のような場合は、大体「嫌な痛み」を感じているわけです。

そのため”あとに響く”という結果になってしまいます。

 

そのため、治療中は「何か嫌な感じ」とか「違和感のある刺激」に気を付けておくようにし、そんな雰囲気が患者さんの表情や訴えから読み取れたら負荷量は落とすようにしています。

 

③寛解期

寛解期は可動域制限が改善していく時期になります。

 

五十肩の可動域制限の改善についての記事はこちらをご覧ください。

↓↓

肩関節周囲炎の可動域制限~この筋肉をチェックしよう~

 

しかし何もしなければ可動域制限が残存することもあるため最後まで注意が必要です。

 

ただ、この入院・外来限らず、この時期までリハビリで管理していることは少ないように感じます。

 

ある程度改善が見られたらリハビリの手から離れていく人が多いように思います。

そのため、自主訓練の必要性を早い段階から伝え、自己管理がある程度できるように患者教育を含めた介入していきます。

 

 

6.まとめ

今回は五十肩の病態を知るという形でまとめていきました。

何の疾患もそうですが、病期の時期があって、その時期によって症状や問題点は変化してきます。

そのため、その疾患の傾向を理解していくことが大事になります。

 

今回の五十肩は痛みや可動域制限が主たる問題になる疾患です。

そのためリハビリの役割が比較的大きいかと思います。

 

五十肩の予後自体、悪くないわけで

変な話、痛みを我慢しておけばいつかは治るかもしれないわけです。

 

ただ、それでは二次的な問題を引き起こすかもしれないし、なによりつらいですよね。

 

そこにリハビリが入ることで、

「除痛を行いつつ、機能的な問題を解消していく、そして日常生活で苦も無く使えるようにしていく」

ということが可能になるわけです。

 

それでは、今回はこの辺で。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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