久しぶりの更新になります。
今回は久しぶりにトリガーポイント関連の内容になります。
今回対象となる筋は「梨状筋」になります。
梨状筋は、6つの股関節外旋筋の中で最大かつ最重要な筋で、仙骨と大転子の間に位置しています。
付着部は「仙骨の外縁前部~大転子の頂部」となります。
梨状筋は大坐骨孔にぴったりはまるため、その部位の筋緊張とトリガーポイントは筋を短縮させ、幅を広げることになり、大坐骨孔を通る神経のための間隙を狭めることになります。
このように、梨状筋のトリガーポイントは通称”坐骨神経痛”と間違われることもあり、症状も多彩になります。
以前、「梨状筋症候群」についての記事も紹介しました。
興味があればご覧ください。
今回の記事では、梨状筋のトリガーポイントの症状と特徴に絞って紹介していきます。
それではよろしくお願いします。
1.梨状筋のトリガーポイント形成の原因
梨状筋は、深層外旋六筋のうちの一つの筋にあたり、股関節の外旋筋として存在しています。
また、股関節の後方支持組織としても機能しており、逆を言えば梨状筋のタイトさが股関節のバッドグリッピングを促進してしまうこともあり、アプローチの重要性は高まる一方です。
そんな梨状筋ですが、以下の動作や姿勢によってトリガーポイント形成の原因となります。
基本的に、「回旋運動を過度に行うと、梨状筋にトリガーポイントが生じる可能性が高くなる」ということを前提として理解しておきましょう。
梨状筋は、神経と血管の絞扼や筋膜からの関連痛など非常に強い苦痛をもたらす可能性があるため、トリガーポイントが形成されないように注意する必要がありますね…
●早い方向転換を必要とするスポーツ
※テニス・ハンドボール・サッカー・フットボール・バレーボールなど、、、
●物を持ち上げながら捻る必要のある作業
※回旋系の動きにより梨状筋のストレスがかかる
●長時間の座位姿勢保持
●単純に運動不足による筋の不活動
※梨状筋のトリガーポイントの発達を助長することになる
●片足に長時間体重をかけた立位姿勢を取っている場合(だらしなく立っている姿勢など)
※この場合、梨状筋だけでなく仙腸関節にも悪影響を及ぼします
2.梨状筋のトリガーポイントによる症状
梨状筋のトリガーポイントによる症状は多岐に渡ります。
また、殿部に感じる痛みなどの症状は、複数の筋から影響を受けていることが多いですが、ほとんどの例では、梨状筋が関連しているといった形で、他との関連性も多いのが現状です。
痛みに関連する症状
●梨状筋の関連痛は、仙骨、殿部、および股関節で感じる
⇒梨状筋のトリガーポイントにより殿部領域全体に関連痛を送る場合がある
●膝窩まで痛みを広げるケースもある
⇒梨状筋のトリガーポイントからの放散痛にて遠位まで痛みが波及することがある
●短縮した梨状筋は、直径が太くなり坐骨神経を圧迫する
⇒坐骨神経圧迫による痛みは、トリガーポイントにより生じた痛みよりも激しく、大腿後面・下腿・足底で感じられ、俗に言う”坐骨神経痛”を引き起こしてしまう
●トリガーポイントにより短縮し、膨らんだ梨状筋は、骨盤から出る他の多くの神経や血管を圧迫し、様々な症状を発生させる
⇒痺れ・刺痛・灼熱感・過敏症などの異常感覚も発生させる可能性がある
⇒殿部、足、下腿後面、足部の「腫れている感覚」はその例である
●トリガーポイント悪化により、生殖機能にも影響を及ぼす可能性がある
⇒緊張した梨状筋は、陰部神経に影響を与え、不能症を生じさせ、鼠径部・性器または直腸領域で痛みを起こす可能性がある
その他の症状
●梨状筋の緊張は痛みに加え、仙腸関節に捻じれを生じ、結果として傾いた仙骨によって短脚に見えることがある
●足を組んだり、足を内側に捻じる(内旋させる)ことが難しくなる
⇒外旋筋である梨状筋の短縮により上記問題が生じる
●股関節の可動域制限と痛みによる歩行障害
⇒足を広げることも非常に苦痛になり、痛みにより足を引きずる場合もある。また、トリガーポイントが非常に悪化していると、歩行できないことがある。
●座位姿勢の保持が困難となる。同じ姿勢を取れなくなる
⇒快適な座位を探すため落ち着かず、体重移動を頻繁に行う傾向がある
⇒坐骨神経圧迫の影響の身近な例は、便座に長く座った後にピリピリとした刺痛を坐骨神経のラインに沿って感じる
●殿筋群の筋委縮の原因となる
⇒梨状筋は殿部神経と血管を圧迫するため、殿筋萎縮の原因であると考えられており、片方または両方の殿部を衰弱させる
●脊椎疾患と誤診される
⇒梨状筋トリガーポイントにより生じる痛みなどの症状は、坐骨神経の炎症、椎間板突出、関節炎、骨棘形成、脊髄神経の圧迫などど誤解される
3.まとめ
今回は梨状筋のトリガーポイントについて紹介していきました。
梨状筋のトリガーポイントの症状は多岐に渡り、仙腸関節性の問題や坐骨神経にも影響を及ぼします。
症状がなくても梨状筋に対して定期的なチェックは行っていきたいですね。
それでは本日はこの辺で。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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