どうも。
KABOSUです。
前回の記事で、
足関節の背屈制限と長母趾屈筋の関係性について記事をまとめていきました。
今回は、長母趾屈筋に対する実際のアプローチ方法についてまとめていきたいと思います。
長母趾屈筋に対してアプローチを行う際、kager’s fat padという足関節の後方にある脂肪体の影響を考えていく必要があります。
kager’s fat padが影響して長母趾屈筋の滑走性が障害されてしまうことがあります。
長母趾屈筋の滑走性が障害されることで距骨の後方滑りが阻害され結果的に足関節の背屈制限をきたすという結果に繋がってきます。
今回はそういった背景を捉えながらアプローチ方法を紹介していきます。
1.長母趾屈筋の機能をおさらい
長母趾屈筋の作用と機能は、以下の通りです。
長母趾屈筋の作用
□母趾の屈曲
□足関節の底屈作用
□足部の回外(足部内反)の作用
□下腿の後傾(荷重時)
□腓骨の下制を誘導(補助的機能)
長母趾屈筋の機能(臨床的思考)
□長母趾屈筋腱が距骨の後方滑りを抑制し、底屈時の関節運動をスムーズしている
□歩行の立脚後期を通し、足関節の底屈を補助する
□立脚中期から後期にかけて過伸展している足趾の足底面を地面に対して強く引っ張る
(足趾の屈曲を誘導)
※足趾の荷重面を広げ、それにより接触圧を減らしている
□立脚中期から後期にかけて、下腿の外旋に伴う前足部回外への誘導を助ける
2.足関節背屈の制限因子になる長母指屈筋への介入方法
長母趾屈筋の作用と機能のおさらいが出来た所で、次は実際のアプローチ方法になります。
①長母趾屈筋のストレッチ
長母趾屈筋の作用は、
・母趾の屈曲
・足関節底屈
・足部回外
・下腿の後傾
でしたね。
ストレッチをする際は、この反対方向に動かしていけばいいわけです。
つまり、
・母趾を伸展
・足関節を背屈
・足部を回内
・下腿を前傾
させれば長母趾屈筋がストレッチされるということになります。
セルフで行う場合は、単純に膝立ちの姿勢でつま先を立てるだけで長母趾屈筋のストレッチが可能です。
図:長母趾屈筋のストレッチ方法
このような姿勢になりつま先を立てることで、以下のような動きが生じます。
□足関節は背屈位になる
□母趾(足趾)は伸展する
□膝が床に接地しているため下腿の前後傾運動は起こらなくなる
このことにより長母趾屈筋のストレッチが可能になります。
②長母指屈筋の滑走性障害を改善する(kager’s fat padへの介入)
Kager’s Fat Padは足関節後面に存在する、足部で一番大きい脂肪体です。
Kager’s Fat Padはアキレス腱の前面、長母趾屈筋、踵骨の上縁から構成される三角形のスペースに存在しています。
Kager’s Fat Padは3つのパートに分かれており、アキレス腱パート、長母趾屈筋パート、ウエッジパートに分類されます。それぞれのパートの動きは異なっており、作用も異なると考えられています。
この足関節後部に存在する脂肪体が、長母指屈筋の滑走性障害に関与します。
実際のアプローチ方法は以下の通りです。
至ってシンプルなアプローチ方法になります。
【方法①】
アキレス腱の下層(Kager’s Fat Pad)を指でつまんで上下方向に動かす
痛みのない程度に脂肪体をリリースしていく
【方法②】
長母趾屈筋の収縮と弛緩を繰り返し、長母趾屈筋腱周囲に存在するkager’s fat padとの間の滑走性を改善させる
※筋の収縮と弛緩を繰り返すことで、筋そのものが滑走する⇒これを利用し滑走不全を解消させる
上記2つの方法を用いてkager’s fat padに対するアプローチを行った結果、
足関節背屈の可動域に変化があれば、長母指屈筋の滑走性障害が影響していたことがわかります。
3.まとめ
今回は前回の記事に続いて、長母趾屈筋が影響する足関節背屈制限に対するアプローチ方法についてまとめていきました。
長母趾屈筋が影響する足関節背屈制限に関しては、足関節の後方に存在するkager’s fat pad(脂肪体)の影響を考えていく必要があるということでした。
実際にアプローチ方法はシンプルですが、効果は出てきます。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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