手足の痺れ症状の改善に必要な知識~神経の解剖と生理学~

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理学療法
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どうも。
KABOSUです!!

 

 

本日は

日々の疑問

についてです。

 

 

日頃、臨床では「痺れ」を訴える方をよくリハビリします。

腰痛関連では

腰部脊柱管狭窄症やヘルニアなどですね。

 

頚部の疾患でも上肢に痺れをきたします。

その他、神経の絞扼が起こると痺れが出てきますね。

 

 

そして厄介なのが、「痺れは手術をしても残存することが多い」ということです。

 

痛みは取れたけど痺れが残っている・・・といって中々自立を促せないことも多々あります。

今回はその痺れについて考えていきたいと思います。

まずは神経の解剖や生理を調べていきたいと思います。

 

 

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1.神経の解剖と生理

 

末梢神経には多量の脂肪が存在し、これはおそらく衝撃を緩和する働きがある。殿部の坐骨神経は他の神経より脂肪が豊富である。

●この脂肪は衰弱すると失われ、その結果神経は圧迫性のニューロパチーに罹患しやすくなる。

 

確かに末梢神経内の脂肪量の観点からいくと、「そもそも痩せている人は神経過敏になりやすいか」とも考えられますね・・・

確かに痩せている人の方が気質的にも不定愁訴を訴えやすいですね、、、

 

神経根は末梢神経というより中枢神経系の一部であると考えられている。神経根は髄膜を有しシュワン細胞を欠き、脳脊髄液から少なくとも半分は栄養を受けている

 

脳脊髄液は第一に栄養物を供給する役割を果たす。

●その他、脳脊髄液は水力学的に衝撃を緩和するように働きと考えられており、流体が脊髄や神経根を取り囲み、身体運動中の保護的役割を果たしている。

 

●Hasueら(1983)は、脊柱管や椎間孔の神経組織周囲の間隙は女性より男性のほうが狭いことを明らかにした。彼らは、周囲組織の発達や変性狭窄は男性の方によくみられるとの指摘している。

 

●神経系は循環血液中の利用できる酸素のうち、20%を消費するが、身体質量の2%を占めるにすぎない(Dommisse 1986)。

 

●細胞の中でもニューロンは血流の変化に特に敏感である。神経が正常に機能するためには、あらゆる姿勢においてニューロンに対する血流が妨げられないよう、神経系に対する血液供給(神経の血管)が確保される必要がある。

 

●第4胸椎から第9胸椎のレベルまでは危険な循環領域が存在すると言われている。この領域は脊柱管が最も狭く、血液供給も乏しいところである(Dommisse 1974)。このことは「T4症候群」と呼ばれるような症候と関連がある可能性がある。

 

●神経内の血管は「交感神経支配」である(Hromada 1963, Lundborg1970, Appenzellerら 1984)。

自律神経の乱れにより変化が出てきそうですね。

●Appenzellerら(1984)によれば、特定の血管を支配する神経はその血管が供給している神経幹から生じている。これによっておそらく神経が機能するのに必要な血液を調整して供給していると考察している。

 

●神経系の伸長と圧迫は確かに循環動態を変化させるであろうが、そのメカニズムは十分解明されていない。

ただ「約8%の伸長で血流の減少は始まり(ウサギの坐骨神経)、約15%の伸長をされると完全に血流は遮断される(LundborgとRydevik 1973, OgataとNaito 1986)。」という研究結果も提示されている。

※伸長は縦方向に走行する血管の直径を減少させ、神経束内部の圧力を高め、神経周膜を横切る血管を絞り込み閉鎖させる結果になる。

 

 

2.病理学的な神経変化の過程について

ここまでは神経の解剖についてでしたが、以下では神経の損傷による変化について説明します。

損傷⇒勝手に治るというわけではなく、その過程がどのようになっているのかを理解していきます。

①神経損傷における脈管要因

神経線維は、正常機能を保つために絶え間なく血液供給を受けています。

 

Sunderland(1976)は、

神経・血管束内の循環と神経機能を正常に保つためには、神経上膜の細動脈の圧が最も大きく、毛細血管、神経束、神経上膜の細静脈そして管内へと段階的に内圧が減少していく状態が重要である

と強調しています。

 

このように神経の栄養にとって必要条件は、

血管が管内に流入し、神経線維は栄養を受け、そして血液は再び管外へ流出

しなければいけません。

 

Rydevik ら(1981)は小さくて透明なカフをウサギの脛骨神経に巻き、神経内循環の内圧の変化を測定しています。

●40mmHgの圧で毛細血管血流が変化し、80mmHgで神経内循環は停止する。

●内圧を高めて2時間持続させても、すぐに血流は回復する能力を持っている。

といった結果が得られました。

これらのことから血流障害は神経系にとって大きな問題となることがわかりますね!

 

Sunderland(1976)は持続して管内圧の増加を伴うことによって起こる3つの段階を明確に述べています。

3つの段階とは、

1)低酸素状態

2)浮腫

3)線維症

となっています。

図にすると以下のようになります。。

 

1)低酸素状態

静脈のうっ血は結果的に低酸素状態を招き神経線維への栄養障害をきたします。

神経虚血の状態は疼痛や異常感覚のような他の症状を引き起こしやすいとされています。

また、太い神経は細い神経より圧迫や虚血の影響を早期に受けやすいとされています。

(Gasser と Erlanger 1929, Ochoa 1980)

 

2)浮腫

持続的な低酸素状態では、毛細血管内皮に損傷を与え、その結果、タンパク質に富んだ浮腫の漏出が起こります。

 

3)線維化

浮腫がみられる頃から、タンパク質を豊富に含んだ浮腫によって高められた線維芽細胞の増殖が起こりえると考えられます。もしそうであれば、結果として神経内に、すなわち神経鞘と神経束内組織の双方に神経内線維相が発生します。

結合組織の肥大が神経内圧を再増加させ、神経過敏状態が延々と続くことになります。

 

 

②損傷と軸索原形質流

 

【軸索伝導についての研究】

●軸索の伝導は、30~50mmHgの軽い圧迫で妨げられてしまう。

(Rydevikら 1980, Dahlinaら 1984, DahlinaとMcLean 1986, Dahlinaら 1986)

●DahlinaとMcLean (1986)は、20mmHgで2時間の圧迫は、軸索伝導の流速に変化は見られないが圧迫8時間後に貯留を認めたとしている。

●30mmHgで2時間の圧迫は、軸索伝導の流速に有意な低下を引き起こす。

 

【軸索原形質流の可逆性についての研究】

●DahlinaとMcLean(1986)は、50mmHgの圧迫によって2時間停滞させた軸索伝導は、24時間で可逆した。

●200mmHgで2時間の圧迫では停滞した軸索伝導は3日間で可逆し、400mmHgの2時間の圧迫では1週間で可逆した。

このように、軸索伝導の停滞は強さによる影響であり、圧力の強さと持続期間に比例した影響を及ぼすとされています。

術後に生じる神経障害などが改善するのはこういった背景があるからなのでしょうか、、、

 

3.まとめ

今回は、痺れに関してまとめていきました。

痺れを考える際、

圧迫以外にも血流障害を意識することが重要になることがわかりました。

また、神経系にも可逆性があり、その程度によって可逆するまでの期間にもばらつきがあることもわかりました。

 

今後、治療にあたる際は今回学んだ背景を意識して臨床に臨んでいきたいですね。

 

個人的に痺れに悩んでいる人の場合は、

まず「血流をよくする」ことを考えていくことが重要ではないかと思います。

有酸素運動を行ったり、ストレッチを行ったりなどなど、、、

何事も不動(安静)にしすぎることは良くないですから少しづつでも動かしていくことが大事なんでしょうね。

 

それでは、本日はこの辺で!

ありがとうございました!!

 

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